キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャー43話感想: ガルザ生存祈願、全部ヨドンが悪かった(長め)

ヨドンへイムで処刑されてしまうオラディンを救い出さなければ、とココナッツベースの重苦しい空気を宝路からの連絡が破り、クランチュラを捕らえたのでヨドンへイムに案内させると言う。

捕らえたのは前回のミニコーナー。その前もガルザがクランチュラさんを救出していて、ここんとこミニコーナーの重要度が半端ないんだけど、いいのかそれで(笑)。

 

皆が危険を承知でヨドンへイムに乗り込む覚悟を決める中、独りだけロードガルザへのワクワクを抑えきれず口元が緩んでしまう充瑠。オラディンの危機を思えば不謹慎でヒーロー番組の主人公にしてはちょっと思い切った描き方だけど、これも他人の煌めきに正直に反応するが故、というのはスタッフさん貫いたなと思う。

 

皇帝を乗っ取ったガルザは、その意識の部屋で同居の形になったヨドンナを特に排除せず、「ヨドンへイムの頂点に立ったのに満足そうじゃない」という彼女に、「俺の覇道は3人を屈辱的に処刑してから始まる」と言う。オラディン、宝路、キラメイレッド。

まず1人目、オラディンの処刑のためにバスラ(邪面なし)を召喚。わざわざオラディンを元の姿に戻して食わせようとする。

だけど、せっかく屈辱的な方法で処刑出来る舞台を整えたのに、バスラの吸い込みに抵抗して必死に踏ん張るオラディンの、傍から見るとかなり滑稽な姿を長々見物し嘲笑って溜飲を下げるでもなく、食われる瞬間を見届けようともせず、腹の中で跡形もなく溶けた頃に戻ると言って地球に戻る。

長年積み重ねた憎しみをやっと晴らせるというのに、淡泊過ぎて拍子抜け。名目は残り2人の処刑を急ぎたいから。メタ的にはたぶんいろいろイベントをこなす作劇の都合もあるんだろう。

だけど、本当は兄のそんな最期を見たくなかったんじゃないの?と思わず勘繰りたくなった。

 

クランチュラさんは自分を捕らえた宝路の上からの要求は頑なに拒むけど、クリエーター同士心が通じ合った充瑠が手を取って頼むと、コロッと態度が代わってあっさりOKし、ヨドンへイムへのゲートを開ける(笑)。完全に自分の好き嫌いだけで動いていて、組織を背負うのをやめたら勝手気ままのタガが外れた感じ。

ガルザに備えて宝路だけ地球に残り、他は全員ヨドンへイムへ。戻ってこれない最悪の事態が頭をよぎるメンバーに、充瑠が「柿原さんと約束してるから、何があっても帰ってくるよ!」と遊園地のチケットを見せて、女の子のハートだけ撃ち抜けない為朝に「充瑠のくせに」とツッコませ和ませる。

ここに来てもまだそれが「モテ自慢」だとは気が付いていなさそうな充瑠を見ると、柿原さんにちょっと同情。そんで朝のヒーロー番組だから大丈夫だけど深夜のバトルアニメなら盛大な死亡フラグだとこっそり思った(汗)

ヨドンへイムに着くと、あまりの悪臭に5人が顔をしかめる。これがクランチュラさんたちの生きやすい環境なんだな。これが快適な体質なら地球の美しさにヘドが出るのも無理ないのか、と改めて。ちょっとガイアークの皆さんを思い出した。

次の瞬間地中からリガニーが現れて、その衝撃に態勢が乱れた隙に、クランチュラさんは逃げる。

皇帝に逆らって殺されかけて反旗を翻しても、だからって地球を守る正義側に付き合うところまでは改心しない。気に入った相手は気分で助けるけど、面倒は嫌いだから頼まれたことだけやったらさっさと逃げる。でも最後に「達者でな~!」を付け加えたのは、本心なのか皮肉なのか。

狡くて信用出来ないけど情もあって何か憎めない、蝙蝠的な立ち回り方に既視感があったけど、あれだ鬼太郎のねずみ男。そう思った時にクランチュラさんの最終的な生存確率が爆上げした気がした(笑)。

 

ガルザは地球で宝路にもう一度グラジュエルを申し込み、今度は皇帝のパワーで底上げされた強さで圧倒。

だけど口では<処刑>と言いながらもイマイチ詰めきれない。非戦闘要因のマブシーナが駆け付けて立ちはだかって何を言ったって一蹴してトドメを刺せばいいだけ。なのに、あなたには世界を変えることは出来ないと言われ

「あなたには?どういう意味だ?誰なら出来る?オラディンか?」と思わず聞き返し、マブシーナや宝路から口々に充瑠ならと言われて、心が乱れまくってしまう。

・・・ごめん、姫や宝路の充瑠評価としてはそうなんだろうな、と納得はするし、特に宝路はついさっき、敵であるクランチュラと通じ合って頼みを聞いて貰うという自分には出来なかったことをしたのを見たから尚更なんだけど、正直ちょっと持ち上げ過ぎでは?と戸惑ってしまった(笑)。

ガルザに「どいつもこいつもキラメイレッド!忌々しい」と苛立たせてトドメを刺さずに戻る展開のためもあるんだろうけど、個人的にはどんなに実際に凄くても主人公でも、1人の少年をあんまり手放しで褒めて救世主扱いするのは、ちょっと苦手かも。

 

一方ヨドンへイムでは、5人がバスラの吸い込みにランニングマシーン状態で抗ってるオラディンを発見し、充瑠が助けに飛び込む。で、一緒に走りながらガルザについて喋ってるんだけど、ちょっとここはハラハラ見守るところなのか笑っていいのかリアクションに困った(汗)。

オラディン王は、「閃きの力を持つ正しい英雄」になるはずだったガルザが「悪しき撹乱者」に堕ちてしまった今は、充瑠こそが選ばれし者、正しき閃きが生む力と強き友で悪を倒してくれ、みたいなことを言い出して、充瑠ってそこまで凄いの?とまたびっくり。

充瑠がそれを引き受けた直後に、2人がバスラの口に吸い込まれそうになる。それをガルザが術で充瑠だけ救い出し、オラディンはそのままバスラの口の中へ。

 

ガルザは充瑠をジョーキーで連れ去り、そこで1対1で処刑しようとする。ただ処刑したいだけなら、あのままオラディンと一緒に吸い込ませておけばいいだけなので、ここでも若干話の都合が見え隠れするけど、これもガルザの揺れなのか、それとも充瑠はオラディンより念入りに直々に殺したかったのか。

ガルザは狼モチーフの必殺技「ビーストウルフオメガディア」を繰り出し、それに触発された充瑠もひらめキングで不死鳥?モチーフの即席必殺技「ゴッドバードアルファズム」で対抗。両者は引き分け。

ガルザに刺激されて自分も凄くなれたと興奮する充瑠はとうとう「俺は、本当はお前を倒したくない!」と言い出し、敵だけど、その姿や必殺技は<神絵師だ>と、1話でマブシーナが自分にかけてくれた言葉を用いる。

自分を他人が、下手すると初めて認めてくれた大事な言葉だからこそ、ガルザにかけたかったのかな?と思う。

「だから本当は、本当は一緒に絵が描きたい!」剣を交えながら充瑠がそう叫んだ時に、2人は同時に前回充瑠が見た夢の世界=ガルザの記憶に入り込む。やっぱり充瑠は、オラディンだけでなくガルザの意識とも更新出来るということか。

 

前回、夢から醒める直前に現れた影はオラディン少年で、不穏に見えたのはミスリード。ガルザの絵に刺激されて自分も絵を書き始め、そのスケッチブックに表れたのは、さっき充瑠が繰り出した必殺技。

仲良く並んで絵を描く姿にガルザは幼い頃は兄が好きだったことを思い出す。

兄も自分を認めてくれていたのになぜ憎むようになったのか?と混乱するガルザに、充瑠は、今からでもやり直しが聞くと、4つ揃えば何でも願いが叶うカナエマストーンの話を持ち出す。

すると、「良いことを聞いた」とガルザに斬られて消滅したはずの皇帝が復活。ガルザから玉座を取り返す。

 

てっきり皇帝はカナエマストーンの存在や仕組みのことを知って、地球を自分が長くいられる世界に作り替えるために全部揃える手始めにイリュージョン入手をヨドンナに命じたのかと思っていた。

けど、そうではなくたまたまイリュージョンの力のことだけを知ってたことになる。中途半端な知識だなと思うけど、悪の組織がカナエマストーンのうち邪な目的にしか使われなさそうな「魔性の石」の知識だけ持ってるというのは、あり得ないことではないのかも。

 

一方、食われて死んだかと思ったオラディンは高笑いと共にバスラの上顎を持ち上げて、生きてるぞアピール。でも直後にまた口がガチャンと閉じる(笑)。

どうやらこのバスラ関係はギャグと受け取るのが正しいみたいだけど、ガルザ肝いりの処刑方法の扱いがいいのかそれで(笑)。まあ後の展開を考えると、もしかしたらあまり今回のガルザに残虐で陰惨な印象を、見る側に持って欲しくなかったのかもと思ったり。

オラディン生存に勢いを取り戻した4人はアローで強化し、青緑

桃がバスラを引きつけ、100秒ぎりぎりまでエネルギーをチャージした為朝の矢がバスラに命中。たまらず開いた口から時雨が剣を伸ばしたキラメイフィッシングでオラディンを救出する。バスラ、ロボ戦の時みたいにオラディンごと爆発したらどうしようと思ったけど、しなくて良かった(笑)。

 

意識の部屋での主交代によりロードガルザは苦しみ出し、巨大な皇帝の姿に戻ると、ガルザを自分の体からも放り出す。

皇帝は「我が消したガルザの記憶を、おまえは甦らせてしまった」と真実を話し始める。オラディンとガルザの兄弟が将来クリスタリアの英雄になりうると脅威に感じた皇帝は、庭で1人絵を描いているガルザ少年に忍び寄り、愛する者、愛してくれる者を全て憎むよう洗脳してしまった。

クリスタリアの王宮って他所の星の皇帝が誰にも知られず庭に潜入出来るほどガバガバなの?っていう疑問は正直あるけど、まあオラディンの性格を考えると、その先代が治めていた頃のクリスタリアは、更に解放的で垣根の低い、無用心な国だったのかな?という気がしなくもない。家に鍵をかける必要のない平和で脅威のない世界、みたいな。

 

ヨドン皇帝に洗脳されてもその直後は目の色が変わるだけで体色は変わっていない。後々、心に憎しみが積もるたびに徐々に輝きと共に体色が褪せていったのか。

急に体色が一変すれば周囲も異変に気付き大騒ぎして原因を調べたかもだけど、これだと兄のオラディン少年にしたら、なんだか壁が出来た気がしておかしいと思いながら、理由が分からず向き合っても以前のようには返って来ずにどう接していいかわからなくなったかもなとは思う。回想やガルザの言葉からはガルザは表面上は大人しくオラディンに従っていたみたいだから。

そんで更にオラディンの、あの楽観的でマイペースで何でもありで結果がオールライトな性格が拍車をかけてどんどん修復不能なまま壁が厚くなり、なまじ表面上は上手く回っていたために、両者がぶつかり合って打開することも出来なかったのかな、と思うと悲しい。

それでも、例えば少なくともグラジュエルでの宝路殺害未遂の時は踏み込むべきだったと思うけど。

これまで、そうやってオラディンがガルザと向き合わなかったことが大きな原因と思わずにいられなくて、そこに果たして踏み込んでくれるのかどうか気になっていただけに、「悪いのは全部皇帝だった」とされてしまうと、若干拍子抜けしてしまったかな。

(ここだけの話、ネットの反応を見るにスタッフさんの想定以上にオラディンの対応が疑問視されてガルザに同情が集まったために、オラディンが悪者にならない方向に調整が入った可能性すら考えてしまう・汗)。

 

残酷な真実を突きつけられて、ガルザは自分の生きてきた意味は何1つなかったのか?と愕然とする。自分の意思で力を求めてヨドン軍に加わり、自分の意思で身に付けたと思っていた三日月の兜を叩きつけるのが悲しいよ。

宝路がクリスタリアに行った30年間、オラディンの容姿がほぼ変わらないのを見ても、クリスタリア人たちは地球人より長命に見える。少年時代からそんなにも(少なくとも40年かそれよりもっと)長い間、自分自身の意思と人生を奪われてしまい、自分の力で守りたかった自分の国を滅ぼしてしまったんだから、哀れすぎる。

充瑠は「違うよ!悪いのは全部ヨドンだったんだ!ガルザは、俺たちと一緒に、新しい人生を生み出せばいい!」と励ます。

間違っても傷付いても磨き上げればまた輝けるのがキラメイジャースピリッツだから。

 

用済みだからもう消えろという皇帝に、ガルザは「俺が生きた意味は、今、ここで生み出す!」と向き直り、立ち向かう。これが本来の、英雄になるべきガルザの強い精神性だったのかな、と思う間もなく、その突撃は弾き返されて、逆に皇帝のビームがガルザの体を貫き、大爆発。

皇帝は続いて充瑠も攻撃し、爆発で充瑠は崖の下の暗闇に吸い込まれ、救出に来た不死鳥オラディンも回収に間に合わず、攻撃の激しさに他4人と共にやむなく撤収。

あちこちに炎が残る崖近くの地面に残された遊園地のチケットのカットで、続く。

 

今回、ロードガルザが屈辱的に処刑すると言いながらオラディンの最期を見届けようとしなかったり宝路にトドメを刺さなかったり、というガルザの揺れが目立った。それはメタ的都合もあるんだろう。

けど、個人的には、皇帝を叩き切り乗っ取ったことで強大なパワーを得た代わりに若干皇帝の洗脳が弱まって、これまで偽りの憎しみに抑え込まれていた本来のガルザの意識に引っ張られやすくなったりしたのかもな、と脳内変換した。

充瑠がこれまでガルザの何に対しても、例えばスモッグジョーキーに対しても刺激を受けたことはなかったのに、ロードガルザになって以降は何度もワクワクを抑えきれなくなっていたこも、そんな本来のガルザから発動される煌めきをキャッチした部分もあったのかもと。

 

ただし充瑠が事前情報なくオラディン少年の必殺技を再現したのは、遡れば通常放映版ではカットされたオラディンの予言どおりの魔進を作成したことと重なるけど、なぜそうなるのか、これ以上の説明があるかどうかは気になる。

充瑠はヨドンへイムの崖下に消えたけれど、きっとクランチュラさんに救われると信じているから、出来ればそこまで説明がついて欲しいけれど。

 

そんでガルザさん・・・。4話でマブシーナを騙す為についた2つの嘘を思い出してしまう。

 

・オラディン王は生きている

・ヨドン皇帝に操られ国を滅ぼしてしまった

 

前者は悪意はなくても兄に、後者は皇帝の悪意にあまりにも長期間、騙したつもりがどっちも騙され実は真実だったのは皮肉だな。

前者は結果的に良かったけど、後者はこのままではあんまりなのでガルザさんに救いが欲しい(涙)。

もっとも、体が崩壊して死ぬ前に魂を他所に飛ばす秘術は持っていても元の姿に戻す方法はないと思っていたオラディンを、元の姿に戻す術まで体得していたガルザが、その前段の自分の魂を他所に転送する能力を体得してないなんて、そんな馬鹿な話はないよね?と思う。

きっと最終回に、颯爽とどっかの石に入って戻ってくるよね?

キラメイジャーはそういう、改心した者には優しい世界だよね?と。