キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャー40話感想: ミスリードと時系列で頭の整理が大変な異色回

最初に言っちゃうと、私は時系列ハッキリさせたい方なんで、今回の話はいろいろ頭の中で整理するのが大変(汗)。こういう話の味わい方としては不正解なんだろうと思うけど、性分なもので。

 

充瑠は自分が書いた絵をアップロード。私は絵を描かないので仕組みはよく分からないけどピクシブみたいなものかな?

他の人の作品もいっぱいアップされてる中、充瑠はカロリーというハンドルネームの人が書いた絵の上手さに驚き、なぜそんなに上手く書けるのかとコメントすると、「教えてあげる」と即レス(汗)。ドラマの都合もあるとは言えそのスピードと無警戒なフレンドリーさに驚いた。

 

ヨドンへイムではクランチュラがイリュージョンのパワーを研究し、この石を使えば人間を邪面獣に変えられる(闇エナジーを貯めて地球に送り込まなくても侵略可能)と告げる。

人間の心が闇に満たされた瞬間に、今回の邪面師である針金邪面がこの石のパワーを注ぐ、という段取りだと言う。

針金邪面には対象の人間そっくりに擬態する能力があるので、対象の人間を誑かして突き落とそうという狙いか。なお体のどこか1ヶ所だけ針金飛び出してしまうが絆創膏で隠せば大丈夫とのこと。逆に言うと絆創膏していたら怪しんで下さいという思いっきりな前振り。

 

ヨドン反応があり、絵を習いに行って不在の充瑠以外は現場に急行。針金邪面は捕らえた人間たちを並べ、闇の具合を確認するも皆イマイチらしい。やっぱり当初の作戦通りで行こうという台詞が、既に何か作戦の仕込みが始まっていることを暗示していて不穏。

キラメイジャーがベチャットを一掃すると、針金邪面は早速擬態能力で青に化け、まんまと騙された緑と銀に本物が攻撃を受けてしまい、今回も受難の時雨が不憫(笑)。今回は全体的にトーンが重めの中、戦隊恒例偽物回要素でコミカルさを付加している感じかな。

 

その頃充瑠は、実は年下の少年、というか子供だったカロリー君と合流。絵は友達に教わったんだと、オタク全開部屋に暮らす大人、八太さんを一緒に訪問し紹介する。この八太さんが、見た目も雰囲気も話し方も微妙に怪しげで不気味。この時点では。

でも充瑠は和やかに一緒にゲームしたりとすぐに打ち解けて、<絵が上手でアニメにも詳しくゲームも上手いなんて天才>と、いつもの煌めきセンサーをフル稼働。仔犬の瞳で本心からあんな褒め方されたら、そりゃあ八太さんも満更じゃないよな。

 

そこに瀬奈から連絡が入って中座し屋外で話していると、通りすがりのカップルの話から、八太が男性の中学の同級生で、何年も家に引きこもっていることを知る。

カップルの男性は20代前半~半ばって感じだから、八太さんもそのくらい?中学の時に始まったのかは分からないけどもう10年くらい引きこもってるのかな?

 

偽物疑惑で困っているからと言われ、部屋に戻りそろそろお暇をと言いかけた充瑠の目に映る八太さんの見せ方がこれまた不穏な感じ。特に指に意味ありげに巻かれた黒いテープが、冒頭の針金を隠す絆創膏を連想させて、いかにも怪し気(汗)。

八太さんは、カロリー君の勧めで自作の漫画を少年誌の新人賞に応募しており、「入賞したらこれからもずっと友達でいてくれるかな?」とカロリー君に尋ねる。

嬉しそうに頷くカロリー君への八太の怪しげな視線(下手すると事案ではないかと・汗)に重ねて、クランチュラさんの高笑いとガルザの「純粋であればあるほど無防備だ。無防備であればあるほど傷ついた時闇に落ちやすい」

という台詞。

針金邪面の「当初の作戦」とはこの時点では、純粋なカロリー君の心を八太さん(針金邪面)が陥れようとしているんじゃ?と、いかにも思わせぶりな、というかもう、どうぞ怪しんで下さいと言わんばかりだよこれ(汗)。

 

針金邪面を取り逃がした他メンバーは、基地に戻っても「偽物が紛れているんじゃ?」と疑心暗鬼。さっき犠牲になったことで唯一本物だと保証された時雨がドヤ顔(笑)で「やれ!」と命じると、瀬奈とマブシーナが宝路をくすぐり偽物でないかの確認作業。

さらに小夜がさっき食べたビスケットの枚数を過小報告し、実は数えていたヘリコに嘘とバラされ次のくすぐりの餌食に。ヘリコはどんだけ小夜をガン見しているのか(笑)?

充瑠が博多南さんと合流して一緒に戻って来たら、もともと基地にもいたから博多南さんが2人になってしまったけど、こちらは超久し振りの代役ん。

紛らわしくミスリードを誘ってきているけど、こういう時に序盤の設定を棚卸ししてくるのはわりと嫌いじゃないかも。意外と使われなかったなあ、代役ん。

博多南さんはサボって好きな漫画家のサイン会に行っていたんだけど、地球に30年ぶりに戻って半年かそこらの宝路の食いつきが凄いなと思ったら、30年前に宝路に差し入れた漫画の作者だった。細かく拾ってくるな。

 

その頃、八太さんは応募した少年誌からの落選通知をネットで受け取っていた。

通知と一緒になぜか一般からの匿名レビューもしこたま付いていて、心ない罵倒コメントで埋め尽くされている。審査に一般読者からの投票システムが採用されてるのかもしれないけど、こんな通知システムが実在するんだとしたら恐ろしいな(汗)。マイナーな懸賞サイトとかならあるかもだけど、メジャーな少年誌でこんなのあり?とか疑問だしビビる。

八太さんはその罵詈雑言に大ショックで、もしかしたら何年かぶりに家を飛び出し、打ちのめされているところにカロリー君登場。

八太さんが自分を嘆きながら黒いテープを外すとその下は針金ではなく、漫画を頑張って描きまくったために出来たペンだこ。

「この程度の奴が偉そうなこと言ってゴメン。」「全部無茶苦茶壊してやりたい気分だ」

と八太さんの心が闇に満ちたところに

「この世界は君には残酷過ぎる。いこう。僕と一緒に。もっと純粋なまま生きられる世界に」

とカロリー君が手を差し伸べ、八太さんが握るとカロリー君の体から針金が伸びて一瞬天使の羽を描き、更に八太さんにぐるぐる巻き付いて包み込むと、同時に闇が発生。

カロリー君は針金邪面に姿を変えるとイリュージョンを取り出し、八太さんは邪面獣に変貌。

さんざん八太さんを思わせぶりに怪しく演出していたのはミスリードを誘うためで、実はカロリー君の方が針金邪面だった。

その展開をまるっきり予想していなかった訳じゃないんだけど、このあたりから私の中で時系列が混乱してしまって大変だった(汗)。けど、整理は後にしてずはまこのまま流れを追いたい(笑)。

 

駆け付けたキラメイジンとドリラー。頭にペンやアニメのディスクやゲーム機など、八太宅にあったあれこれが生えているのを見てに嫌な閃きが生じた充瑠が、ザビューンを呼びサーチさせると体内に八太を発見。

体が邪面獣に形を変えて膨張巨大化するんではなく、八太さんから生まれた闇と八太さんに巻き付いた針金邪面の針金が化学反応を起こし、八太さんを核にした巨大な繭玉を作る要領で邪面獣が出来上がった、という感じかな?

人間を攻撃する訳にはいかず、頭上で操っている邪面師だけを攻撃しようとすると、八太さんにはカロリー君が攻撃されていると錯覚して庇い、傷付いてしまう。

「カロリー君との、あの時間だけが、生きていて楽しかったことの全部なんだ。本当に楽しかった。だから、何があっても守る!」

引きこもりというには割と友達も友達が連れて来る初対面の少年もウェルカムなんだな、ってのがちょっと意外だったけど、同年代ではないずっと年下の子供だったから、ストレスを感じず安心してちょっと優位に立てて尊敬してもらえる友達でいられた部分もあったのかな。その時間だけが生きていて楽しかった全て、と言われてしまうと、いろいろ生き辛い人のようでキツい。

 

それを「愚かな奴だ。だがコイツはいい」と嘲笑いながら利用する針金邪面は、これまでの邪面師と違って愛嬌皆無のゲスキャラなのも、キラメイジャーのこれまでの作風とは異質な感じ。

人が心の闇から怪物に変わってしまうのも、どちらかというと戦隊よりは、仮面ライダーWドーパントとかウルトラシリーズにありそうなビターテイストかな。

「どうしてこんなことを!俺は八太さんの絵を見て、本当に感動したんだ。純粋でキラキラしてて宝石みたいな才能だって。もっと、ずっと書いてて欲しかったのに!」

充瑠の叫びが暴れる八太さんの姿に重なって、夕陽でオレンジに染まった戦闘が切ない。

ドリラーが腹に穴をあけ、ダストキューイングで吸い出そうとする。邪面獣と一体化していないからこの切り離し方法が取れるのは救い。

吸い出された八太の目には、自分の周りにマンガやアニメ、フィギュア、それからカロリー君との楽しかった日々の幻が映る。

「これは・・・全部僕の大事な・・・一度、別れてしまったら、もう2度と戻れない気がするんだ。たとえまた会えたとしても、きっとその時はもう、今の僕たちとは違う。だから、ずっとこのまま、ずっと一緒にいよう」

実際には醜悪な邪面獣にさせられて暴れているんだけど、八太さんにはキラキラしたエフェクトのかかった美しい世界に見えているのがキツい。それを失うまいと八太さんはカロリー君に手を伸ばすけど容赦なく引き離されて、現実の空中に放り出されたところを、スカイメイジがキャッチ。

核の抜かれた邪面獣をザビューンソニックブラッシュが撃破。

 

逃げた針金邪面は、追ってきた充瑠にカロリー君の声で「充瑠君、僕だよ。また一緒に絵を書こう?ね?」と情に訴えてるつもり。

でもこれ、姿もカロリー君の幼気な子供に変わるならともかく、針金邪面の姿のままじゃ逆に、なぜ八太さんがあんなことになったのか具体的な方法はわからなくても充瑠にだいたい悟らせて、怒りの火にガソリン注ぐだけなんだけど(汗)。

珍しく針金邪面に正面を向かず俯いたマスクの横顔が震えていて、怒りが伝わってくる伊藤さんの演技が良い。「人の純粋な心を利用して・・・許さない!」

ゴーアローで強化し弓を構えたところにヨドンナが現れ、ゆっくりと針金邪面に歩みより庇うと見せかけ石を回収すると、「役立たずに用はない」と見捨ててしまう(笑)。残された針金邪面は、充瑠がアローを使った時の雨あられな矢を受けて怒りのオーバーキル。

 

この回は思わせぶりなミスリードがあちこちに散りばめられていて、どっちかというと1~2時間もののミステリーの手法が使われてるって感じかな。脚本が相棒とか書いている徳永さんだし。

ただ、個人的には30分の販促番組でドラマ部分がそれより短いこの枠では、ミスリードに尺使うよりその逆の伏線回収に使われる方が好みかも。

 

青桃に見守られて泣きじゃくる八太さんに、充瑠は昼間貰ったペンの御礼を言い、代わりに自分のクレヨンペンを握らせる。キラメイジャーには珍しい、かなりビターな戦いの終わり。

 

後日、赤黄緑で八太宅を見舞いに訪れると、家のあった場所は更地になっていた。しかも雑草が生えている(汗)。引っ越したのかと話しながらの戻り道で充瑠が見たのは、八太さんが応募していた少年誌の表紙広告。八太の画風にそっくりな期待の大型新人による特別読み切り漫画を紹介している。

「似てるだけじゃね?」という為朝に、絶対に八太さんだと言い返して喜ぶ充瑠。

それを見て為朝はさっき「今回のことで変われるかも」と言った自分への、充瑠の「別に変わらなくたって良いじゃん」という言葉を思い出す。

「確かに、変わらなくていいのかもな。どんなものであれ自分の中の純粋な煌めきを大事にし続ければ」「いつか、誰かにとっての煌めきになる」

と、今回からに異色な作風ではあっても最後は全肯定のキラメイジャーらしい終わり方で続く。

 

家の建っていた場所が更地になり、そこに遠くからしっかり目視出来る雑草が生えるまでの時間を考えると、八太さんが邪面獣にされてから見舞いに行くまでには実は何ヶ月かという時間が経っているのかな?でもそんなに前の出来事を「今回のこと」と言うか、とか少年誌の号数の若さを思うと、メタ的に雑草の生えていない更地を用意出来なかっただけなのか。

だけど、罵詈雑言レビューと一緒に落選通知を送り付けた新人の作品を、ああやって雑誌に掲載するのに必要な月日は経っているんだよな。落選した作品をそのまま載せたのか、編集部が八太さんに再チャレンジさせて出来た作品を載せたのかで時間のかかり方は違うかもだけど。

もっと言うと、そもそも編集部が、そんなに時期を置かずに読み切り漫画を掲載させるような期待の新人に、本当にあんな酷い落選通知をしたのかな?って疑問も沸く。

本当は当選していたけどイリュージョンの力で落選をでっち上げられたのでは?なんて考えたりもしたり。でも針金邪面がイリュージョンを使ったのは八太さんを邪面獣にする時だけなんだとするとそれも違うかな。

 

というかそもそも今回は最初に言ったとおり、時系列を整理しようとすると大変なんだよな。

 

今回の針金邪面の作戦がスタートしたのは、ヨドンナがイリュージョンを入手した後。→瀬奈の年賀タオル配布後だから今年1月に入ってから。→カロリー君の仕込みはその後で、まだ1ヶ月もたっていない、下手するとここ数日くらいの出来事。

針金邪面は人間をコピー出来る。オリジナルの人間にはなれないなら、カロリー君の姿をした少年は別にいる。→無関係の少年の姿を借りて1ヶ月弱でアカウントまで立ち上げ絵を1から習得したとか考えにくい。→カロリー君という少年絵師は実在していて、作戦以前から絵を描いている。

針金邪面はカロリー君の姿で八太さんとの関係をいちから築いたのか?それとも八太さんとカロリー君との関係を利用しようと途中から入れ替わったのか。八太さんとの関係はそんな短時間で築けるか。

充瑠にカロリー君の声で話しかけた。→カロリー君と充瑠の交流を知っていたのなら充瑠と会っていたカロリー君は、実は針金邪面。

でも充瑠がカロリー君と接触したのが針金邪面と他5人との戦闘中なら、迎えに来たカロリー君は本物だったことになる。→ただし1/5針金邪面または針金邪面が撤退してすぐカロリー君に化けて充瑠の元に駆けつけた可能性も。

すり替わったカロリー君の安否も気になるところ。キラメイジャーの作風的には生きていそう(そうあってほしい)だけど、その場合カロリー君は自分の知らない所で八太さんに、彼を騙し怪物にした化け物だと誤解され、ある日訪ねたら連絡もなく引っ越されて家が更地になっていたのかも。そう考えるとこっちも可哀想。

カロリー君にとってだって八太さんと一緒に過ごした時間もかけがえのない大事なものだったのかもしれないのに、ある日突然理由も分からないままそれをそっくり奪われて、八太さんはとっとと漫画家デビューし、もはや自分との思い出は黒歴史になってるんだとしたら、不憫。

「たとえまた会えたとしても、きっとその時はもう、今の僕たちとは違う」というのは本当にありそうで切ないけど、それでも再会して欲しいかな。

何がどこまで真実だったのかすっきりわからないままの事柄が多い回。スタッフさん側としてはそれも込みで味わって欲しい回なのかもしれないけど。

 

充瑠が「変わらなくたって良い」って言ったのは全肯定のキラメイジャーらしくていいけど、変わらなくていいのは充瑠が輝いてると思う作品を八太さんが描くのに必要な心のありようであって、それ以外の行動範囲や行動パターン、チャレンジする気持ちを変えた結果チャンスを掴んで夢を叶えるのはやっぱり嬉しいんだよな、当たり前だけど。

充瑠自身だってキラメイジャーに選んで貰って自分のアウトプット方法が変わったことをあんなに感謝しているんだし。

それに実際にあんな体験したらこれまでと同じではいられないよ。引きこもった時間が長くてそれまでのいろんな経験値が低ければ尚更。

何年も引きこもりだった所に、ずっと年下の友達が出来て懸賞に挑戦し、ネットの罵詈雑言に曝され怪獣化してヒーローに助けられる。これって物凄い経験でそれ以前の自分とは決定的に何かが変わるには充分だと思う。

針金邪面のした事は許せないけど、為朝の言うように結果的に家から外に出るきっかけにもなり、その後傷ついた自分を強く磨き上げて外に向かわせる荒療治になったのかもしれず、良識の範囲内なサポートでは適わない結果を生み出した面もあるのは皮肉だなと思う。