キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 37話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

ゴーカイジャーの大いなる力とは?

冒頭、マッハルコンからこれを聞かれた時には意表を突かれた。

海賊たちもそうだと思うけど、大いなる力は、34のスーパー戦隊から貰うものであって、ゴーカイジャーにも備わっているかなんて、考えもしていなかった。何ならマッハルコンの台詞聞いた後でも今回のエピソードでそれが判明するとまでは思ってなかった記憶。

 

■グレートワルズ

「邪魔な海賊を排除し一刻も早く地球を征服せよ」と皇帝が息子である殿下に贈ったザンギャック最強の決戦機。息子の姿に似せた最強の決戦機に息子の名前を付けるとか、中々の親バカっぷり(笑)。

地球侵略は一向に進まず、援軍に行かせた親衛隊長や様子見に行った大科学者まで失った。序盤で海賊に殲滅された部隊の情報を殿下が外聞が悪いともみ消す描写があったから、皇帝がこの時点で現状をどこまで正確に把握していたかは疑問。

だけど次期皇帝となる息子が海賊ごときに手こずっているなどという不名誉な状態は早く払拭し、なんとしても地球侵略の功績を挙げさせたかったんだろうな。

 

■不器用なダマラス

グレートワルズに皆が感嘆の声を挙げる中で、「確かに、ザンギャック最強のグレートワルズを使えば、誰でも地球侵略出来るのでは」と、戦力分析としては正確だけど殿下のコンプレックスを直撃する発言をしてしまうダマラス(笑)。

ダマラスは軍人としての能力は優秀なんだけど無骨で率直で上司に媚びた物言いが出来ない。その態度が殿下の不興を買い、活躍の場を与えられず本領を発揮出来ていない。現時点で地球に降りていない幹部はダマラスだけ。

後にわかるけど、殿下がダマラスを信頼して重用していたら、せめて一度でも地球に出撃させていたら、海賊は早々に壊滅して地球征服はとっとと完了していた。この2人のすれ違いはザンギャックには大きな不幸で、でも海賊にとっては幸運の1つだった。

 

■殿下の孤独

意気上がる殿下は自らグレートワルズで出撃すると宣言し、制止するダマラスにこれまでのわだかまりを爆発させる。

地球遠征前のこと。皇帝から地球侵略を殿下に任せることを告げられたダマラスが「殿下には荷が重いのでは?」と疑問を呈していたのを殿下が陰から聞いていた。更に皇帝も「地球にはもうスーパー戦隊はいないしお前も補佐に付けるから余裕だろ?」みたいな、ダマラスの言葉自体は肯定するかのような言い方で、殿下のプライドは傷つく。

殿下は自分が本当は重臣たちから無能の七光りと思われていることを承知していた。本当に信頼出来るのは、自分に忠実であるようプログラミングされたバリゾーグだけ。

殿下が自力で作り上げた信頼関係はどこにもないのが虚しいけど、だからこそバリゾーグの存在にすがって心底大事にしているのが哀れを誘うな。

この回のプロットは荒川さんが作ったけど、この盗み聞きのシーンは下山さんか拘って入れたとのこと。

最初は「こんなに過去を書いちゃいけない」と言われたらしいけど、結果的には殿下の孤独と悲哀が強化されて、一気にキャラの奥行きが感じられて良かったな。

前回のババッチードに対するコミカルな反応も可愛くて楽しくて好きなんだけど、それとの落差が余計に、近づいている破滅の予感を強めて、この時点で切なくなる。

そんでダマラスは遠慮なく耳の痛いことも言うけれど、所々で真摯な忠誠心も感じさせるだけに、2人のすれ違いがやるせない。

 

■守るということ

鎧に「いつも地球を守ってくれている」と言われてマベは渋い顔。謙遜ではなく心の底から「守ってねえし、守れてもいねえ」と思っている。マベにとって「守る」とは?

それを受けた、展望台での鎧とジョーの会話が好き。

マベのいた赤き海賊団はザンギャックに連戦連勝だったけど、ただ1度の敗北で壊滅し、アカレッドもマベを守って(マベ目線では)命を落とした。

ルカやハカセ、アイムの星も、ザンギャックに負けた。ジョーもザンギャックから逃げ、シド先輩を奪われたという意味では負けているも同じ。

局地戦で一時的にザンギャックに勝ったとしても、圧倒的に物量で勝るザンギャックに最終的に勝ったものはこの宇宙にいない。それがわかっているからマベは気安く「守る」なんて言えない。

普段のアバウトでイケイケで無茶苦茶な言動とは裏腹に、こういう所では凄く慎重で現実認識がシビア。責任感の強い人なんだよな、マベ。ゴーカイジャーはこういう厳しい世界観も誠実さを感じさせて、個人的にはこれも魅力の1つ。

 

■それぞれの歴史

たぶんあの世界の宇宙の歴史ではこれまでも、無数の赤き海賊団のような反乱者や、前回のゴーオンジャーのような他人の苦難を助けようとした優しく強いヒーローが現れては押し潰され続けてきたのかもな、と改めて思わされる。その結果「ザンギャックに逆らったからには逃げ続けるか死ぬか」という絶対的な共通認識が張り巡らされたんだろう。

でも、鎧はその話を聞いた上で「だとしても、俺は守ってみせます、絶対に!」と言い切る。ザンギャックが大多数を支配する宇宙にあっても、地球だけは30年以上にも渡りスーパー戦隊が数々の脅威から守り続けてきた。鎧はそんな戦いの歴史に育まれている地球人代表、という対比が鮮やか。

 

■ジョーVSバリゾーグ

そこに砲撃を喰らい、海賊たちは迎え撃つため地上に降り立つ。

ライブマン回で「シドの魂を救う」というバリゾーグともう一度向き合う意味を見出したジョーが、いよいよ1対1で対決。テンション上がった。

いつもの廃工場で互いに剣技をぶつけ合う、いつにも増して激しい立ち回り。吹っ飛ばされたジョーがおがくず?の山に突っ込んで粉塵が画面に溢れたりと、絵面がいちいち迫力があって見応えがある。

例のジョーのテーマ曲と化してるBGMがハイテンポverで流れて、2人同時にシドの必殺技をぶつけ合うのが熱い。

 

■海賊VSドゴーミン

スゴーミンを赤くした感じだけど強さは段違い。並の行動隊長より遥かに強い。

対抗策として以前バスコから奪った番外戦士を一気に使う。

ロボ戦ではゴーカイジャーが負けて終わるためもあり、ここでクライマックス前編に相応しい豪華さと活躍を補完している。個人的にルカ扮するズバーンの「ズンズン」はくどいけど可愛くて好き(笑)。

そんで鎧が黒騎士で戦うのは、ギンガマン回でのヒュウガとのやりとりを思い出して熱い。

 

アカレッドのように

ジョーとバリゾーグの対決に割って入った殿下が早速グレートワルズ発進。圧倒的な強さで、マッハルコンも豪獣ゴーカイオーもことごとく歯が立たない。

必殺ビームを繰り出され絶対絶命のピンチの中、マベの脳裏に浮かぶのは自分を守って炎の中に消えたアカレッドの姿。

マベは他のメンバーの反対を押し切り、強引に皆を脱出させ、自分は船長として1人残る。

アカレッドが自分を守ってくれたように、今度は自分が仲間たちを守るというマベの決断は、当時、マベにしては弱気で諦めが早いように見えてちょっと意外だったような、でも本当に追い詰められた時の仲間思いのマベらしいような、と、見ていて整理が付かなかった記憶。

直後に豪獣ゴーカイオーは吹っ飛ばれてガレオンの姿で地面に叩きつけられて、後編に続く。

当時はこのピンチをどう打開するのか楽しみ半分、でも予告を見るとやっぱり殿下退場の覚悟しなきゃかな・・・と寂しさ半分と、複雑な気持ちだった。