キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 33話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■亮再び

ダイレンジャーからリュウレンジャー天火星・亮が登場。劇場版199ヒーローに続いての出演はチーフに続いて2人目。

これまでも40代レジェンドの方々の素面アクションのキレには何度も驚いてきたけど、今回亮を演じる和田さんのアクションはもう動きの1つ1つが「速っ!」て、機械かとビビるレベル。

私はダイレンジャーは未見だけど、放送当時はネットのあちこちで、変身不能になった時の素面名乗りのキレが半端なかったという伝説を目にしていた。この回でその完全再現を見せて貰ったという認識でいいのかな。

199ヒーローのパンフレットで和田さんが「生身で戦うのかと期待していたら違って少し拍子抜け(笑)」と仰っていたけどその分も大暴れしていただいたのではと思う。

 

■埋め合わせ?

ちなみに199ヒーローにはたくさんのゲストレジェンドが登場するんだけど、その中でデンジブルー青梅大五郎、リュウレンジャー天火星・亮、デカピンクウメコの3人は他より出番が多く、パンフレットでの紹介もその3人は別枠だった。

3人ともかなり動ける方たちなので、もしかしたら製作側も当初は、彼らに「変身出来なくなってもヒーローとして戦うレジェンドたちの代表」として存分に活躍して貰う予定だったのかもしれない。

それが、途中でVSゴセイ色をより強く打ち出す方向に変更された(当時のプロモーションや告知にそんな印象を受けた)ためにその機会がなくなり、別の形で出番は多くしたものの、まだ若くて本編でデカ回をがっつりやった菊池さん以外の正にレジェンド的なお二人には埋め合わせ的な意味合いもあって、大葉さんはVSギャバン、和田さんは今回で思い切り魅せて貰うことになったのでは?、という説を個人的に推したい。

 

■鎧全快

31話でバスコにぐぎっとされ32話では吊っていた腕が完治したと、全力でガレオン居住区の床掃除をする鎧。

どうせ戦闘から外すならと思い切って骨折か?ってレベルの負傷をアピール、戦闘の代わりにドラマでは独自の立ち位置で存在感を出し、全快早々にメイン回。メリハリの付いた扱いで、大事にされてるよな、幸せな追加戦士だな、としみじみ思う。

 

■殿下のストレス

海賊たちに地球征服を延々と邪魔されてきたストレスが積もり積もって、食欲がない。まあ殿下のことだから明日になればケロッとしているかもという雰囲気は漂わせてるし、殿下のキャラもあってコミカルで可愛らしく描かれているんだけど。

ただしさりげないけど、最初は歯牙にもかけていなかった海賊たちの存在が、殿下の精神を相当に追い詰めて余裕を奪っている、っていう深刻な事態の描写、物語の小さなマイルストーンでもあるんだよな。後から見返すとそう思う。

 

■変身出来なくなって

復帰早々の戦闘で調子に乗り過ぎたのか、鎧は地球上の食料を食べ尽くそうとする行動隊長ザキュラにゴーカイセルラーを飲み込まれてしまった。取り返さない限り2度と変身出来ないわけで、まあ無理もないけどかなり落ち込んでしまう。

そんで偶然レジェンドの亮に出会い、例によって感激しつつ自己紹介するも、現状を嘆く。

「ゴーカイシルバーに変身できなかったらもう、ヒーローでもなんでもないじゃないですか。それが悲しくって」

ここ、初めて見た時には違和感あった。18話ではゴーカイセルラーをマベに取り上げられて変身出来なくなってもザンギャックに襲われた工事現場の人たちを救うために飛び込んで行ってたのに、なんかあの頃より退化してない?と。

ぶっちゃけ、今回の話を作るためのキャラブレ?なんて心配しちゃったりもしたけど、後半でその18話のシーンやゴーカイセルラーを貰うきっかけになった女の子をトラックから救うシーンの回想が入って、「忘れていたけどちゃんと思い出した」っていう展開だったんだとホッとした。

マベがずっと鎧の様子に物言いたげだったのも、「変身出来なくてもがむしゃらに頑張ってた鎧を気に入って仲間にしてもいいと思ったのに、今の鎧は違うじゃねーか・・・」というのが不満だったんだなと辻褄合ったし。

 

鎧は、20話で尊敬するレジェンドのヒュウガを突き飛ばしてまで自分がゴーカイシルバーであることを決意した。鎧の戦隊ファンから戦隊ヒーローへの確かな成長のマイルストーン的な重要エピソード。

だけど反面、実はそれだけインパクトの強い経験だった故に鎧にとっては、ヒーローとして戦うこととゴーカイシルバーになることを同一視させてしまう側面もあったのかな?なんて今は思う。

 

■苛立った背景

「何をイライラしてる?変身できないのがそんなに辛いのか?」

「ええ、辛いですよ、死ぬほど。呑気に餃子なんか作っているあなたと違って!」

鎧は、現在の亮がヒーローではなく中華料理屋として世界一の餃子を目指していることに落胆して苛立ち、珍しく嫌みっぽい言い方をする。これにもちょっと違和感あった。「今の自分が出来ることを見つけ精一杯取り組んでいる」レジェンドへのキツい言い方が鎧らしくないと思ったし、28話では凱以外のジェットマンメンバーの現在に理解を示していた風だったのに、と。

ただし考えてみると、鎧がこれまで実際に出会ったレジェンドは

 

ヒュウガ→地球を守りたいからゴーカイセルラーを渡せ

チーフ→危険なプレシャス回収は継続

マツリ→現役救急救命士

ハリケン3人→レンジャーキーを返せ

幸人→何してるかは不明だけど力の更なる使い方を教えに来てくれた

星野隊長→命掛けでバスコと対決

 

と、戦う力を取り戻そうとしたり、変身出来なくてもヒーローやそれに準じた存在であり続けていた。

中でも、がっつり魂をぶつけ合ったと言っていいヒュウガやハリケンジャー、それから直近で命掛けの作戦に挑んだ星野隊長の印象は強烈だったと思う。

それに比べると亮の餃子作りはかなり毛色が違うので、鎧がついあんな風な態度をとってしまうのもわからなくはないかな?と思い直した。

あと、変身装備を奪われたことで今の自分とレジェンドたちが重なって見え、特にもう一度変身する力を欲したヒュウガやハリケンジャーたちへの共感が当時より増して、そうではない亮への苛立ちが増してしまったのかもしれない、とも思ってみたり。

 

■変身出来なくても

商店会のバザー会場がザキュラに襲われ、鎧は変身出来ない状況にしばらく迷ったものの、やっぱり人々を守るために飛び込んでいく。

「忘れてるんじゃないのか? 一番大切なこと」とさっき鎧に問いかけた亮はその姿を見て満足げに笑い、自分も戦いに乗り込む。

「転身できなくなった俺は、世界を救うことはできないかもしれない。――だが、目の前の敵を見逃すほど、俺は歳は取っちゃいないぜ」からの素面名乗りが滅茶苦茶格好いい。

そんでそれはそのまま、同じく変身出来なくなった今の鎧にとってこれ以上ないお手本でもある。

というか鎧って一時的に頭で下手にぐるぐるネガティブに考えていても、いざそういう場面になれば根っこに染みついたヒーロー気質が発動しちゃうタイプだと思うと、ダメ押しに近かったかも。

「思い出しました、一番大切なこと。俺がヒーローになりたかったのは、皆を守りたかったからです。変身できるとかできないとかそんなの関係ない!」

正直言って、放送当時は上で書いたように「忘れていた」という部分が鎧の当初からのキャラの根っこすぎるように思えてもう一つ乗れなかったけど、見返した今の方が自分の中でいろんなことが納得出来て綺麗に繋がり、グッときたのは嬉しい。

その後の、これまためっちゃ動ける池田さん演じる鎧と和田さんの素面アクションの共演は今回最大の見所で、回し蹴りだのダブルライダーキックだのいちいち惚れ惚れする。

 

なお、今回逃げ惑っている商店会の皆さんはスーツアクターさんが演じているので実際はかなり強いんだよな。その中に、27話に出てきた「新堀宝石」の新堀さんがいたりして(笑)。

 

■石橋さんスポット参戦

今回の脚本は、ダイレンジャー未参加の石橋大助さん。

石橋さんは「荒川さんも井上さんもサブ参加されて書けるはずだけど忙しいとのことでお鉢が」と仰っていて、流れは宇都宮Pが用意されていたとのこと。

その宇都宮Pによるとこの回は、ホンのストックがなくなったので「頼むから助けてください」という感じだったみたい。

 

上で書いたように私が当初、違和感やキャラブレを感じたのも正直言って石橋さんがこの回のみのスポット参戦だったから余計にそう感じてしまったのかな、と思うと申し訳ない気持ち。

ゴーカイジャーは後から見返した方が好きになる回が幾つかあるけど、今回もその1つだった。