キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 28話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

井上敏樹さん起用

ジェットマン回を執筆したのは井上敏樹さん。

東映公式曰く「迂闊に手を出すと火傷する」からと、カーレンジャーに続いて本編のメインライターメインライターを起用↓。

 

https://www.toei.co.jp/tv/go-kai/story/1196570_1843.html

 

↑の宇都宮Pと荒川さんとの、本編最終回で衝撃的な結末を迎えたブラックコンドルをレジェンド大戦に出す出さないについての激熱なやりとりを見る限り、荒川さんはまず書かない。

また荒川さんの反応を見る限り、他のライターさんが下手に手を出せば恐らく凱のその後に触れても触れなくても炎上リスク、と想像出来てしまう。

そんな状況では、本編のメインライターさんを呼ばなければ、って判断するのは無理もないかなと。

 

ちなみに私はゴーカイジャー東映公式の「みどころ」の文章が、時に楽しくお茶目で、時に余韻に溢れていて毎週楽しみだった。今回も激論を交わした荒川さんのジェットマン愛への温かい視線が、最後の一文に感じられて好き。

 

■結城凱

冒頭からアダルトなムードのバーで美女とポーカー中の、白い服を着た凱。とても朝の子供番組とは思えない(笑)。アキバレンジャーで酒もタバコも嗜む大人の男と評されていた記憶。

ジェットマンは未見だけど、流石にこの人については「お噂はかねがね」って感じかな。バラエティ番組でスーパー戦隊特集やると、高確率でこの人の衝撃のラストが取り沙汰されてきたり、その他いろんな逸話が漏れ聞こえてきたりして、レジェンドの中でも文字通り「伝説の戦士」だったたから。

ただし、いきなりルカをナンパして「女はすべて俺のものだ」とか「俺ぁ納豆と男が大嫌いなんだ」と殴りつけるとか、未見の私にはなかなか刺激が強くて(笑)、そこだけ見ればジョーが「お前、おかしいんじゃないのか?」って言ってしまうのも納得。

でもたぶん見ていた人たちには本編での積み重ねもあって「これぞ凱」なんだろうな、と思ったりする。

本編見ていたらきっと私もはまるんだろうなあ、っていう予感はかなりするので、機会があったら見てみたい。

 

■キアイドー

声はキラメイジャーでオラディン王を演じている杉田智和さん。オラディン王のノリノリで朗々としたカリスマ的なキャラクターとは全く違う、金と戦いで虚しさを埋める、虚無と狂気を抱えた一匹狼の賞金稼ぎを不気味な迫力で演じている。

自分が絶対優位の退屈な戦いを面白くするために自らの胸にぐりぐり傷をつけ、嬉々としてマベに迫るのは、底響きする声も相まって確かにかなり怖かった。

 

■マベの恐怖

マベが最初にキアイドーに遭遇したのがいつかははっきりしないけど、武器の形状からすると、アカレッドに拾われる前だろうか?少年の面影が残っていた当時のマベがあんな目に合ったら、確かにトラウマになってもおかしくはないかな。

その後、いろんな経験を重ねて成長したと思っても、最初に刷り込まれた恐怖に不意打ちされたら、当時に引き戻されてああなるのは、わかる気がする。

 

■ダマラス

キアイドーは殿下を始めとするザンギャック幹部に対しても不遜で挑発的な態度をとる。

ここでキアイドーが「お前なら楽しませてくれるかもな」と実力を見てとったのが、すっと静かに進み出ただけのダマラス。

正直、レジェンドやバスコにも尺を使う関係で割を喰いがちなザンギャックの中でも、一番出番が制限されてるのがダマラスだと思うんだけど、その実力をこういう形でフューチャーしてくれるのは嬉しい。

 

■故人だった

ナビィのお告げによりジェットマンを捜していたら、突然目の前に現れた凱に「今のレッドはこんなものか」とあしらわれ、ジョーに続いてモバイレーツを奪われてしまうマベ。

悔しさで夜中に剣をふるっていたらまた凱が現れてボロクソに叱咤され、その背中を追ってマベが辿り着いたのは、結城凱の墓。

本編最終回の後、凱はやはり亡くなっていた。

凱の最終回後の生死については「「明日のジョー」のラストのジョーの生死みたいにぼかされていて、人気作品だからきっと当時から色々推察考察されてたんだろうけど、それを20年越しにメインライター自ら決着をつけた。これは、確かに井上さん以外が書くことは出来なかったと思う。思い切ったな。

私が当時リアルタイムで見ていて、今回これを見たらどんな感慨に襲われたろう、と思いを馳せてみたりする。

 

■<死者>のアクション

ジェットマンだった他の仲間の今の暮らしを守るために、死んでもなお戦い続ける凱。

演じる若松さんは、黒いシャツに黒い細身のパンツを纏ったスレンダーな体型でのアクションがキレキレ。ゴーカイジャー当時45歳とは思えない、長い足を高く蹴り上げるシルエットの綺麗さが衝撃的だった。

更にハリケンに続いてブラックコンドルに変身。レンジャーキーを返して貰わなくても殉職戦士特権で変身可能だったなそう言えば。アバレキラーという前例が効いてる。

キアイドーに挑むその不屈の姿が、恐怖に苛まれていたマベの心にも届いた。

 

■ジョーの視線

今回、台詞はないもののジョーがマベを気づかう姿が節々に見られる。

中澤監督曰く、井上さんの脚本はあまりゴーカイジャーに触れていなかったので、ジョーのマベへの視線などを現場で足して、ゴーカイジャーの話に近づけたとのこと。

27話のスカートまくりの件といい、中澤監督の演出による付加価値やバランス感覚はさすがだなと思う。

繰り返しになるけど、この回を最後にVSギャバンに行ってしまい、本編に戻って来なかったのはやっぱり残念。

ただVSギャバンは、製作発表された時にネットでは、狂気の沙汰とかネタだろとかトンデモ企画と言う人も多かったので、それをあのクオリティに仕上げるには相当な労力と時間が必要だったんだろうな、というのは想像が付くんだけど。

 

■主題歌インストなし再び

恐怖に打ち勝ったマベを認めて凱がモバイレーツを返し、海賊たちのリベンジマッチ開始。

ここでジェットマンへのチェンジは主題歌インストなし。

中澤監督ゲキレンジャーに続いて2回目。ギンガマン回では主題歌インストを使っていたので、ゲキレンジャー回の後に統一したのかと勘違いしていた(汗)。

代わりに使われたBGMは、ゴーカイジャー後半戦のドラマチックな場面に、これよりスローテンポで使われることが多かった曲。たぶん使われたのはこれが初めてじゃないかと思う。

今回は主題歌よりこちらを使った方が良いって判断だったのかな?主題歌は主題歌で燃えるけど、これはこれで良い曲。

うっかりすると数々の名場面を思い出してうるっとしかけてしまうくらいには好き。

 

■神様だった

ラストはまた、冒頭の美女とポーカーをしている凱。服は真っ白に戻っている。

ロイヤルストレートフラッシュでまた勝って、「あんた神様のくせに弱すぎだぜ」という台詞で今回の仕掛けの種明かし。

 

・ ここは天国で、美女は神様

・ 凱は「勝てばどんな願いもかなえる」という約束で神様とポーカーの勝負をし、勝った

・ 凱の願いは「この世界にはないもっと美味い酒を飲みに行かせてくれ」ということ

・「美味い酒」=「地上の酒」を飲みに、という口実で、一時的にこの世に舞い戻った

・本当の目的は他のジェットマンの今の暮らしを守り、「今のレッド」に喝を入れるため

・ 死者であるため宇宙人のマベたちやザンギャックには見えたけど、地球人の鎧には見えなかった

 

ということみたい。舞台装置がなんとも洒落ていて、粋なカモフラージュたな。

 

■if : 鎧にも見えていたら

最初から最後まで鎧にだけは凱の姿が見えずじまいだった。1人だけレジェンドと交流し損ねた鎧の無念は察するに余りある(涙)。

でも、もし見えていたらどうなっていたか、と想像すると・・・・

 

「あーーーーー!あなたは!ジェットマンブラックコンドル、結城凱さんじゃないですかあああ!初めまして!ゴーカイジルバ―の伊狩凱です!おれも「ガイ」なんですう、あはは・・・ブラックコンドルさんと同じ名前なんて光栄です!あの、よかったらここにサインお願いします!」

 

みたいな感じで、凱にとって大嫌いだという「男」が熱狂的にまとわりついて大音量でまくし立て、サインを求めてくる絵が思い浮かんでしまった(汗)。

凱がそれに対してどんな反応を示すだろうかと考えると、双方にとって不幸この上ない展開になっていたのではと(怖)。

それに、「地球人には殉職戦士の姿は見えない」という位置づけにしたことで、「1話のレジェンド対戦で殉職戦士たちも戦っていたけれど、地球人である仲間の戦士には見えなかった」みたいな感じに、上手い落としどころになったんでは?とも思ったりする。

 

■なぜ「がい」だったのか

それにしても、なんで追加戦士の名前をわざわざ過去作の敵幹部やレジェンドの中でもそんな特別なキャラと被る「がい」という名前にしたのかな?というのは個人的に気になっている。

レジェンド対戦に他の殉職戦士は参加させてもブラックコンドルだけは駄目だと主張した荒川さんなら、「がい」という響きにも思う所があったのでは?なんて気もするんだけど。

キャラの名前を誰がどうやって決める仕組みなのかは知らないけど、「まさか出したりしないですよね?」という荒川さんの予防線だったりして、とか邪推しすぎかな(汗)。