キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 22話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■愛が重い

鎧がスクラップブックで手作りしたスーパー戦隊大百科。全5巻という超大作(汗)。・・・好きな戦隊のページとか見てみたい。というかプレバンで出せばたぶん売れたと思う(真顔)。

「こないだの戦いの時みたいに皆さんが間違えないように」って前回一人だけシュリケンジャーだったことをやっぱり根に持ってる(笑)。

スーパー戦隊愛が強くそれを海賊たちとも共有したい気持ちも強くて、その結晶がこれ。

鎧の凄さは労を厭わず相手に拒否されることを恐れずちょっと拒否されてもめげずに、自分の思いを忠実に行動に移すところかな。「諦めなければ必ず何かに繫がるはずなんだ」はホント伊達じゃないんだとしみじみ。

 

更に、総じてリアクションの薄いジョーの買い出しに付いていき、「もっと地球のことを知って、好きになって下さいよ」と訴える。地球への愛も強くそれを海賊たちとも共有したい気持ちもやっぱり強い。

まあ、この暑苦しさは、正直キャラとして積極的に好きになるタイプでもないんだけど、ただ最初にくどいほど印象づけていくことが後々彼のキャラ描写やその成長にも物語にも効いていったのは確かかな。個人的に振り返って「やっぱりここまでは要らなかった、過剰だった」という印象はなかったので、1年トータルでの匙加減じたいは上手だったんだなと改めて思う。

 

■荒川キッズの系譜

1年前に引っ越した時に親友と交わした「神蔵山で流星群を一緒に見る」という約束を果たすために東京から自転車で半日かけて来た少年、将太。

途中立ち寄った神社でザンギャックと遭遇してしまい襲われてジョーたちに助けられる。更に目的地の山にザンギャックの作戦の鍵となる鉱石があったことから再び襲われるんだけど、約束を諦めない。怪我をしても命の危険があっても友情のためなら突き進む。

最近見たアバレンジャー2話にもそんな子がいたなあ。ルパパト12話の魔法の腕輪の少年も。荒川さん、友達のために無茶をする子を描くの好きそう。

で、そんな荒川キッズの願いをしばしば、私の見た範囲では特に青の戦士が助けてる。

ラストで鎧に

スーパー戦隊って、皆の命だけじゃなくて、夢も守る人たちです。だから、ジョーさんはスーパー戦隊のブルーです」

と言わせているけど荒川さんには、傍から見ればちっぽけだし必ずしも正しくないかもだけど少年本人には凄く大事な約束や願いや夢まで守ってこそのスーパー戦隊なんだ、と定期的に打ち出して行きたい思いがあって、それを投影しやすいのが無愛想クールブルー(三条さん、ジョー、透真)なのかな、と思ったりする。

 

■ジョー

将太の事情を知って、気持ちはわかるけど怪我もしてるし安全第一と引き返すよう説得しようとする鎧。

でも「約束」という言葉に反応したジョーは「お前バカだろ」と怪我の手当てをして「行け」と言い、「ああいうバカは嫌いじゃない。どっかの誰かとそっくりだ」とマベを思い浮かべてる。

マベがアカレッドと交わした「宇宙最大の宝を必ず見つける」という途方もない約束やそのためにしてきた数々の無茶(自分が救われたことも含めて)と重ねたのか、それとも自分のシド先輩への思いとも重ねたのか。

 

ザンギャックの目的を調べ、将太の行き先がザンギャックの危険な作戦の実行場所らしいと知るや血相変えて飛び出していき必死に捜し回り、あわやというところを助け出す。

だけど将太の固い決意と約束の重さを知って、引き返させずにやっぱり行かせるジョー。

無口で無愛想で一見クールでリアクションが薄いけど、実は気持ちが温かく、他者の抱える大事な人への思いを自分のそれに重ねて理解し、手を貸そうとする義侠心も人一倍強い。

「子供が大好き力持ち!」って、力持ちかどうかはイマイチわかりにくいけど意外と素直な本音だったのかもしれないとちょっと思った。

将太がこれから遭遇するかもしれない危険も「ザンギャックは俺たちが倒せばいいだろ」が格好いいな。

ただ私はビビりだしそんなに自信がないので、どっちかというと鎧の心配に同調して「万一を考えて大人しく諦めててくれ」と思う方だけど(汗)。

 

■「雑魚さんたち」との戦い

「出ましたね、雑魚さんたち」

「ま、いっか」に引き続きアイムの鬼畜台詞(笑)。おっとりした丁寧口調で言われると余計にインパクトがあって笑った。

今回は山中での海賊たちの生身アクションが多い。やっぱり鎧の立ち回りが図抜けてるけど、他5人も頑張ってるな。

特にジョーの左手を後ろに回した立ち回りは力強さと安定感が増してきた感じで、変身後とのシンクロが進んで来ていてちゃんと「強い剣士」に見えてくる。

 

■巨大な小惑星

行動隊長スターグルが神社から持ち去った霊石「童石」と、その対になる神蔵山にある「親石」とを結合させると巨大なエネルギーが発生する。そのエネルギーを取り込んだスターグルの能力(スター=星+グル=来る?)で巨大な小惑星を呼び寄せ地球に激突させて制圧するというのが今回の作戦。

マベの「でけえのか小せえのかどっちだ?」に心から頷いた(笑)。

エネルギーを取り込み自身もパワーアップしたスターグルに苦戦するも、ゴセイジャーダイレンジャーオーレンジャーと立て続けの多段変身で形勢逆転。

ハカセが大百科にあったオーレンジャーの大技、「超力ダイナマイトアタック」を提案し、早速スーパー戦隊大百科効果が現れてて細かい。鎧も作った甲斐があって良かったな。

なおダイレンジャーは台本にはなく、レジェンド回ではなかったのがちょっと物足りなかった竹本監督が増やしたもので、鎧役の池田さんは念願のキバレンジャーになれて凄く喜んでいたとのこと。

 

■背中を押してくれたヒーロー

それでも撃破されない頑丈なスターグルを殿下がインサーンの仕事を奪って巨大化。

目の前にそんな物が現れてさすがに心折れかけた将太を、ジョーがゴーカイオーの中から熱く厳しく力強く鼓舞。ジョーが誰かをこんな風に励ますのが新鮮。もう完全に少年のヒーローだよなあ。

ルパパト12話で透真が助けた少年から「背中を押してくれた人」と言われていたけど、将太にとってのジョーもそんな存在。

 

スターグルじたいはシンケンゴーカイオーが烈火大斬刀でサクッと真っ二つにし、接近中の小惑星豪獣神を放り投げてドリルで撃破し、将太は無事親友と頂上で再会し流星群を一緒に見る約束を果たせた。「星、多すぎ」と喜んでたその流星群には、鎧が破壊した小惑星の欠片が混じっていたのかどうか。

 

■地球人との触れ合い

鎧とジョーのコンビ回としては正直そんなに劇的な変化やドラマはなくて、ぶっちゃけ鎧が買い出しについていかなくても話としては成立しそう。

だけど、ヒーローたちが人々の命を守るのが当然だった地球の歴史の中で育ち自身も人の命を守るのが最優先の鎧と、ザンギャックに支配され命の保証などない宇宙を誰かとの約束や思いを支えにして生き抜いてきた海賊たちとの違いが、ちょっと見えた気もする。

また、ゴーカイジャーはここまで毎回ドラマのレベルは高いけど、レジェンドとの交流に比べて守る価値を見つけるべき一般人との交流がまだ少なめだったので、そこをフォローするのに地球人代表の鎧を絡めたかった、という面もあったのかも。

レジェンドもバスコも新装備もない単発エピソード回だけど、必要で貴重な、地球人と海賊の触れ合いの回。

荒川さんは、「全体の中では地味な印象だけど、本当はこういう形で地球人との触れ合う話をたくさんやりたかった」みたいな意味のことを仰ってた。でも本筋、レジェンド回に加え、VSギャバンも担当されてる中で厳しく、その部分は代わりに香村さんが担われたんだろなって思う。