キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 21話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■竹本監督

劇場版199ヒーローを終えた竹本監督が参戦。戦隊知識の蓄積やギミック、ロボの見せ方が図抜けてる方という印象で、劇場版も199人の戦士だけじゃなく全戦隊のロボも出演させることを重要視した宇都宮Pから「竹本にしか出来ない」と任されたとのこと。

なおゴーカイジャーは本編パイロット→中澤監督、劇場版→竹本監督でスタートし、本編最終回→竹本監督、劇場版→中澤監督と役割を入れ替えて終えてる。宇都宮Pは「ゴーカイジャーという作品に火を付けてくれたのは199だと思っている」と仰ってるし、ある意味ゴーカイジャーのもう一人のメイン監督かもしれない。

 

■イライラマベ

マベがいつになく焦っていて、ナビィに占いを無理強いしていておっかない。前回でバスコの持つラッパにレジェンドから大いなる力を奪う機能があると知って、先を越されてしまうのではと焦っている。占いの無い日が続くうちに不安が膨れあがったのかもな。

仲間たちも気持ちはわかるけど、ナビィが可哀想で見ていられずルカが嗜め、アイムがふんわりお茶を勧める。

 

■チーフ登場

ボウケンジャーからボウケンレッド明石暁、通称チーフが劇場版に続いて登場。まあこの人基本的に態度デカい(笑)。他人様の船に断りなく侵入しといてアイムに「スマンが俺にも一つくれないか?」とお茶を所望し「俺にしてみれば、この船に侵入するなど朝飯前だ」と豪語。

うん、書いてるのは本編未参加の下山さんだけど、確かにこんな人だったと思う(笑)。

レンジャーキーを取り戻しに来たのかと聞かれると、例によって鎧からねだられたサインをサラサラこなしながら「それはおまえ達が宇宙を冒険して集めたものだろう?他の戦隊は知らないが、俺たちボウケンジャーは手を出さない」

各戦隊が各々の正義やキャラクターで海賊に対し好意的だったり懐疑的だったりする中で、いかにもボウケンジャーらしい独特なスタンスに笑ってしまった。まあ「貴方達さんざん(早いモンがちじゃなくて)強いもん勝ちって強奪とか普通にやってましたよね?」とは思ったけれど(笑)。

 

ゴーカイジャーの先輩

ボウケンジャースーパー戦隊史上初めて?の正義を標榜しない宝探し戦隊。だからゴーカイジャーと共通点も多くて親和性が高い。

「ある意味、ボウケンジャー戦隊シリーズとして成立したからこそ、その枠を広げてくれたからこそ、ゴーカイジャーも制作出来たのかもしれません」

って東映公式は言ってる。

ゴーカイ「たった1つ自分だけの宝物誰も探してる」

ボウケンジャー「君も出会うだろう、ただ1つだけの宝が誰にも眠っているんだ」

とOPの歌詞もシンクロしてるし。

私はDVDでの一気見だけど、個人的にはかなり好きな戦隊で、ボウケンシルバー高丘映士の登場から加入までを描いた17~20話と、メインライターもサブライターもベクトルが好き放題突き抜けてる23~28話は大好き。

特に後者の振り幅の大きさは、個人的には後の宇都宮戦隊のエピソード毎の温度差を彷彿とさせる所があって、サブPとして影響受けた部分もあったのでは?と思ってる。

 

■チーフ登場の意味

劇場版に出演して大いなる力を渡したレジェンド本人が、本編にも改めて登場したのは嬉しかった。チーフ登場までは、

・劇場版で大いなる力を渡した戦隊はお役御免で本編には出て来ないのでは(話が作れないのでは)?

・劇場版に登場したレジェンドは本編にはもう出て来ないのでは(デカレン、シンケンと、本編でレジェンドが登場済みの戦隊は本編とは違うメンバーが出演しているし)?

っていう予想も当時あったけど両方とも覆されたわけだから。

まあ劇場版で大いなる力を渡した戦隊の中に比較的最近でおもちゃの売上が良かったゴーオンジャーがあったから、その大いなる力を製品化しないのも考えにくくはあったけれど。

 

■一枚上手

チーフは死者を蘇らせる力を持つプレシャス「黄泉の心臓」の回収を手伝えと要請。悪いがそんな暇はないとにべもなく断るマベに

「そうか。海賊だというからこの程度の事は朝飯前と思ったが・・・自信が無いなら仕方がない」

「なに?」

「違うのか(涼しい顔でチラリ)?」

チーフ、生意気な年下の若者を煽って転がすのが得意なのは相変わらずでニマニマしてしまった(笑)。ふてぶてしい印象のマベもチーフにかかるとまだそんな「若者」なんだな。バスコにマベちゃん扱いされる前だったらもっとインパクトあったかもしれない。

そんで渡りに船と思ってか、気色ばんだマベとの間に笑顔で割って入り、参加を促すルカが素敵。

 

■忍者違い

インサーンも黄泉の心臓を狙って海賊たちと鉢合わせし、チーフ、マベ、ルカが先を急ぎ、青緑桃銀が足止め役。

「忍者で行きましょう」で鎧はシュリケンジャー、他3人はカクレンジャーとお約束の忍者違い(笑)。鎧にしてみれば、忍者の戦隊は当時2つだけど自分と同じ追加戦士がいるのはハリケンジャーだから、当然そっちが選ばれるはずという先入観があったけど、ジョーは「忍者だろ?」とお構いなし。海賊と鎧を隔てる壁はまだまだ厚いな。

 

■ルカ姐さん

とっとと終わらせたくて先を急ごうとしたマベはチーフにトラップから助けられ、注意を促すチーフもその側からルカに助けられる。この、ビシッと決めたつもりで時々抜けてるのがなんともチーフ(笑)。ルカの目の速さが活かされたのがちょっと嬉しい。その後はチーフの差し出した手を軽くはね除けて自力で崖を這い上がると「私こんなの余裕だから女だからってお構いなく」とスキップ。小気味よくて格好良い。

ルカは今回、「秘宝だなんてなんかそそらない?」とか自分のキャラと結びつけて自然に振る舞いつつ、終始マベをフォローし明るいムード作りに貢献していて凄く魅力的。酸いも甘いも噛み分けた感じの頼りになる姐さんぶりに惚れ惚れ。

 

リュウオーン

チーフ相手に誰かネガティブ幹部を蘇らせるならやっぱりリュウオーンなんだろうな。

レジェンドが戦った敵が出てくるのはゲキレンジャー回以来だけど向こうはVSボウケンジャーのゲスト怪人で、本編の幹部が出てくるのは初めて。プレシャス回収のミッションもあって、カーレンジャーとは違った意味でなんだか、ボウケンジャーの世界にゴーカイジャーがやって来たような錯覚を覚える。

 

■シルバーだったら

ここまでは全戦隊レッドが出てはいたし、チーフの出演が妥当だったと思う。けど、お気に入りなこともあって、もしボウケンシルバー高丘映士だったら、蘇える敵はクエスターガイだったのかな?なんてちょっと思った。ただその場合後輩シルバーの名前も「ガイ」なんでややこしいかったかもな?と思いつつ、そのややこしさに悪態つく映士もちょっと見て見たかった気もする(汗)。

 

冒険者の心

チーフと一緒にトラップや仕掛けを攻略し、「ちょっとした冒険だな」とかチーフ語録をインプットされていくうちに、アカレッドとの冒険を思い出し、だんだん気持ちが乗ってきたマベ。

だけど、黄泉の心臓は一足先にリュウオーンの体に取り込まれた上に洞窟内に閉じ込められて

「しかしプレシャスは奪われた上に、ここに足止めじゃ、おまえの言う冒険ってのも意味ねぇな」

と愚痴ってみる。

だがしかし、チーフの本領発揮はここからだった!

「おまえ達は今まで数々の冒険をしてきたんだろう?その冒険は宝以外に大事な何かをもたらしてきた筈だ。おまえ達自身にな」

冒険者は目の前に困難が立ちはだかった時こそ心が奮い立つ。冒険をする喜びこそかけがえのない宝なんだ。おまえもそうじゃないのか?」

終盤のマベの言葉を思い出すとまさに正解で、マベは宇宙最大の宝を探す行為、過程にこそ価値を見出していた。だからチーフの言葉には共感するしかないし、そしたらバスコのラッパに焦ってぶれてた自分を取り戻すしかないんだよね。

あ、ただしマベとチーフの宝探しに違いがあるとすれば、マベは「仲間と一緒に」がほぼ絶対条件で、チーフの場合は時に仲間を置いてきぼりにして1人で突っ走りしかもそれを堂々と正当化して仲間から腹パン喰らうところかな(汗)。

 

■海賊の流儀

すっかりいつもの調子を取り戻したマベ。リュウオーンに取り込まれた黄泉の心臓は「もはや破壊するしかない」と言うチーフに「海賊の流儀を見せてやる」と豪語。

洞窟を脱出してリュウオーンに追いつき「吾に勝つことが如何に困難であるか教えてやる必要があるようだな」と言われると

「目の前に困難が立ちはだかった時こそ、心は奮い立つらしいぜ!」と返すマベは、もはやすっかりチーフに毒されている(笑)。でもこのスタンスも、元々海賊たちとは親和性が高いんだよな。

「アタック!」とまたも懐かしいフレーズが飛び出して、ゴーカイスクランブルも効かない強敵リュウオーンにはこれだとボウケンジャースタートアップ。

正直あのOPはそんなに燃えるタイプでもないんだけど、イントロ聞くと懐かしくてこみ上げるものがある。本編を1年かけて見てたわけでもないくせに何故だろな?

個人の武器で連続攻撃→赤がマジックハンドで動きを封じる→5人がミキサーで足を固定。

流れるようなギミック使いはさすが竹本監督。

「わりぃな。俺たちはただの冒険者じゃない。海賊だ。欲しいものはこの手で必ず掴み取る!」

出た!マベの「掴み取る!」。

バスコに調子狂わされいつもの自分を見失っていたマベが、冒険者チーフにリハビリして貰って冒険そのものを楽しむ心を取り戻すだけでなく、そこからステップジャンプして「海賊の流儀」を誇示するのはカタルシス満載で、テンション上がった。

そんで文字通りリュウオーンの体から黄泉の心臓を掴み取り引きずり出して、チーフに投げる。チーフの「グッジョブだ!」いただきました(感慨)。

 

■実は弟属性

黄泉の心臓を抜き取られて1度は死者に戻ったかに見えたリュウオーンは、体内に残る再生エネルギーの暴走で巨大化してしまった。

苦戦するゴーカイオーの操舵室でマベは、打開の切り札に劇場版で貰ってはいたものの使ったことのなかったボウケンジャーの大いなる力を選ぶ。

「いけるかな?」とハカセの心配に、「ちょっとした冒険ってやつだ」とまたもチーフ語録を口にして、影響されすぎだろマベ(笑)。

まあ全部見終わった後では、どうもマベ、根は弟属性というか兄貴分的存在にぐいぐい来られるのに弱いんだな、とも思う。バスコにも兄貴的存在として慕っていたのを裏切られて傷付いたんだろうし。

 

アカレッドの依頼?

巨大リュウオーンをダイボウケンで倒し、すっかり元通りになったマベが冒頭のナビィへの横暴を謝れと責められてる頃、ゴーカイガレオンを見送るチーフは「これでいいんだろ? アカレッド」と呟く。チーフはボウケンジャーVSスーパー戦隊アカレッドと面識があった。

この台詞も、アカレッドの正体を知ってるか否かで受け止め方に差があるのかもしれない。私は初めて聞いた時テンション上がった。アカレッドはやっぱり生存していて今もマベを見守っており、最近の状況を憂慮してチーフに対処を依頼したのか!と思ったから。。

なおメインライターの荒川さんは当時、何かのインタビューで、この台詞を聞いて驚き焦ったと語っていた記憶。後々、自分が拾わないといけなくなるのか?大丈夫なの?みたいな感じで。それも、アカレッドが死んだと認識していないから本編に再登場させる可能性を考えてのことでは?と思ったりする。

一方、未見の人の場合は<今は亡き>アカレッドが<生前>に自分のやろうとしていたことを託した若者だから気に掛けていた、と見えるのかもしれないなと。

 

■レジェンドの扱いの変化

レジェンドの扱いは、カーレンジャーを境にかなりレジェンド要素が強めになっていった印象。

もともと俳優さんたちも当初から本作に注目していたのが散見されていたけれど、震災で「自分もこの状況で何か出来ることは」と火がついたのは大きかったんだろうな。ギンガマンの赤黒兄弟の共演の経緯とか。

また宇都宮Pの「火をつけてくれたのは199」という言葉を見るとタイミング的にその撮影も大きく影響したのではと思う。

そんでその状況にガソリンをぶっかけたのがカーレンジャー回で、あれで「ここまでやっていいのなら」とタガが外れた感はあるかな(笑)。マジレンジャーなんかも順番が遅ければもっと出番は多かったかもしれないな、と思ったりする。