キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャー31話感想: 超変化球で超どストレートなハートフル販促回

冒頭で「歯応えのない邪面師だった」と倒したことを示して、またも邪面師省略回。ネアンデルタールジン邪面と同パターンで、等身大戦と巨大戦の敵が別個体だから出来るキラメイジャーの強みだな。

他4人は仕事に戻り、2人だけ基地に戻ってきた充瑠と宝路は、そのタイミングでの邪面獣出現にうんざりしてる。

邪面師と邪面獣はセットで出てくること多いけど例外もあったりで、タイムラグがあるといつまで待機すべきか正解がないから仕方ないんだよな。

「じゃあオラディン王呼んじゃう?」という博多南さんの軽口にファイヤーたちが「気軽に王様の手を煩わすんじゃねえ!」と口々に反発して、じゃあよほどピンチの時だけ呼ぶことにする、とルール化。

今回の展開を見ても、キラメイジンとドリラーの出番は死守したいんだなとひしひし伝わってくる。

考えてみるとキラメイジャーは最終ロボと初期ロボとの合体要素がないので、例年よりも余計に露出確保を考慮しなければならない部分なのかも。

 

ただしザビューンやエキスプレスはオラディンとの親睦会で不在と言われると、「君たちはお留守番なの?」と格差を感じて悲哀が滲む(笑)。まあ全魔進が出払うのはまずいから分割開催したって解釈出来るけど、ザビューンが他より王夫妻に近い感じがするからついつい。

あと、今は滅んだクリスタリアの序列を、身を寄せている面もある地球人に強要するのは若干印象がよろしくないので、王様が気軽にアタマルドを離れられない他の理由がやっぱり欲しいかな。王妃のケースを思えばむしろ理由がある方が自然だと思うけど。

 

今回の邪面獣は、双頭に搭載したスマホ画面から光線を当てて対象を拡大または縮小するピンチイン・アウトダガメス。

そのビームを浴びてキラメイジンとドリラーがおもちゃサイズに縮んでしまった。巨大な猫や空き缶でサイズ感を示し、基地との通信もこちらからは出来ないと、必要情報をさくっと散りばめてすぐ今回のゲストの母子登場に繋げるのがテンポ良いな。

 

母子家庭で母親が働いている間、小学校低学年らしい龍生はお留守番に夕食の買い物もこなしている。忙しい母親を思いやって良い子でいるけど本当は何か言いたげで、なのに「良い子だから助かるわ」とそれに気付かず話を聞かない母親が短い時間で要領良く描かれて荒川さん匠の技。

 

母親を見送って1人になった龍生は、草むらに散らばる魔進たちを見つけて、誰かが忘れたのかなと躊躇したかと思ったら次の瞬間、豪快にエコバッグに放り込んで持ち去る(笑)。

まあ直後に同じ場所をヨドンナがガサ入れしてたから、彼女に回収されずに済んで結果的に助かったんだけど。

 

ちなみにクランチュラさんは自分の作戦をヨドンナがねじ曲げたことにおかんむり。「東京ミニチュア化作戦」ていかにもクランチュラさんの遊び心というか美学が詰まってる感じだしなんか可愛いさもある。

だけど、キラメイジンとドリラーの縮小だけでエネルギー使い果たして暫く戦闘不能になるんじゃ完遂に何年かかるかわからないから、キラメイジャーのロボを戦闘不能にして捕らえるヨドンナの作戦の方が手っ取り早いのは確かなんだな。実際龍生がいなかったらヤバかったわけで。

 

家に帰った龍生がエコバッグから魔進たちをぶちまけると、食品のパック(たぶん鶏肉150g)が一緒に出てくるのが、あれからちゃんと買い物したんだなと分かって細かい。暫くパックを放置したままで遊び出すから「はよ冷蔵庫しまえ!」ってヒヤヒヤしたけど、そんだけワクワクしてたんだろな。

おもちゃのふりしてやり過ごそうとしていた魔進たちは「科学特捜スーパー警備隊」とどっちかというとウルトラマン世界にいそうな名前を付けられてガシガシ豪快に遊び倒される。龍生のイマジネーションでペットボトルやらメガホンやら家にあるものを街に、掃除機を怪獣に見立てて遊ぶ様がなんかトイストーリーみたい。魔進たちは受難だけど、生き生きと遊ぶ様子に、充瑠は母親の前で良い子していた時にはなかったキラキラを見る。

そのうちに「え?形が変わる?」とすらすらとキラメイジンへの合体の手順にたどり着くのが販促にもほどがあるだろ(笑)。

普段と違い、誰かの手で合体させられることに戸惑う魔進たち。マッハは相変わらずヤバい(汗)。ショベ爺の「ワシは簡単じゃな」はほっこりする。そしてスカイ組が要らない子にならなくてちょっとほっとした(笑)。

でも夢中で遊んだ後に、「お母さんが帰ってくる前に片付けなきゃ」と現実に帰るのがなんか切ない。

 

あんなに散らかしてたのを片付け終わってたぶん疲れて眠り込む龍生。今のうちに逃げだそうと抜き足差し足のキラメイジンとドリラーがホント可愛いな。

でも充瑠はこのまま帰りたくないと、なんと龍生を強引に起こして「龍生君が良い子だから命が宿ったんだ」「俺と、お友達になってくれない?」と話しかける。

最初はびっくりしていた龍生がおずおず受け入れると

「さっき道でお母さんと話していた時の君の笑顔はキラキラしていなかった・・・どうして?」

と心の内を聞き出そうとする。

「本当はお留守番淋しから嫌なんだ」と本音を漏らした龍生。働いている母親を気遣って一生懸命嘘の笑顔を見せていた。

「良い子だね、君は。でも、そのままじゃ君はキラキラ出来なくなる。君にとって大切なことを守りたい時には、我慢しなくてもいいんだよ」と言う充瑠。

 

ダガメスがエネルギー回復して復活。ヨドンナも現れて、連絡が取れなくなった充瑠たちを捜索していた為朝たちはタガメスに男子、ヨドンナに女子と二手に分かれて対応。

なんかヨドンナVS瀬奈小夜は、ヨドンナがうんざりしてさっさと撤退したために、いかにも等身大戦のノルマこなした感じで終わってしまって、ロボに尺回したいのかなと余計な詮索してしまった。

女子2人は前回もマネキン化で戦闘不能だったしその前も本人は戦っていないから、そろそろちゃんと活躍が見たいかな。

 

充瑠たちは無線への発信は出来なくても受信は可能。だからダガメス出現と、アローを充瑠が持ち出しているためにオラディンも呼び出せず戦えるロボがいないことを知って、龍生に「もう行かなきゃ。地球がピンチなんだ!」と別れを告げる。

でもそこに母親が職場で貰ったケーキを持って帰ってきた。職場が近いから出来る(おそらくそういう職場を選んでいる)んだろうけど、やっぱり息子に申し訳なくて何かあれば埋め合わせしたいとは思ってるんだろな、と感じさせる。

でもそこに、見るからに高価そうなおもちゃ(二つで定価は1万円くらい?)が並んでいるのを見た母親が血相を変えるのが辛い。

これは母親にとっては「我が子がまさか盗みを?」って疑うのも無理はないというか、むしろ個人的には辛くても疑わなくちゃならない場面だと思う。子供への負い目があるから余計に辛かったろうけど、都合良く解釈して放置したりしなかったこの母親は真っ当だなと思った。

実際、忘れ物かもしれないものを勝手に持ってきてしまったわけで、外国ならともかく日本では褒められたもんじゃない。親に泥棒?と疑われる子供も辛いけれど。

 

母親はおもちゃを渡せと言うけど、龍生はロボを単なるおもちゃじゃなくて「友達」で「地球がピンチなんだから行かせなきゃ」と思ってるから拒んで家を飛び出す。

母親はたぶんそれを、単におもちゃを取り上げられたくないから、下手するとやましいことがあるから逃げた、と思って追いかける。この状況で「地球がピンチ」なんて言っても信じて貰えない。

だから充瑠はお母さんの口から否定的な言葉が飛び出してしまう前に敢えてお母さんの前で龍生を褒め、つまりお母さんの前でおもちゃが喋って動いて走り出すのを見せて、後に残る宝路にフォローを頼んだ。ちゃんと龍生が嘘つきと言われないよう考えてあげてのことなんだな。

 

基地に戻ってきたミニチュアキラメイジンからアリンコみたいな充瑠が砂粒みたいなアローを持ち出して、大きく出来ないか聞く。虫眼鏡で見たりとか絵的に可愛くて楽しい。

博多南さんはタガメスの光線を映像から分析して、ブルーダイヤなら元に戻せると神サポート能力を見せる。

毎度ながらどんだけ優秀なのよ博多南さん(汗)。

そんでやっぱり速い。ソッコーで装置を用意して、ソッコーでアローが元通りに。

 

戦えるロボもなく、2人だけで邪面獣に挑まなければいけない為朝と時雨。この2人だけの掛け合いってあまりなかったから新鮮。

そう言えば、荒川戦隊(5人)ってデカレンジャーゴーカイジャーも赤以外の初期男子2人のダブルメイン回ってなかったな。青が赤とがっつり絡むことが多くて緑は女子とコンビ組んでるイメージが強い。

2人で充瑠がいなかった頃を思い出すけどしみじみしてる場合じゃなく「やっぱ無理」。今回は時雨が顔芸も込みで軽妙。

そこにマブシーナから召喚されたオラディンとハコブーが駆け付けて(親睦会で一緒だったザビューンとエキスプレスは?と思ってはいけないんだろな・汗)、時雨と為朝がそれぞれ乗り込み、グレイトフル・フェニックスに合体。

縮小ビーム当てられたらどうなるかな?と思ったけどあっさり避けたりして、瞬く間にタガメスを真っ二つ。

 

基地ではキラメイジンの姿がいつの間にか消えてた。龍生の元に駆け付けたんだけど、これは別の意味でも正解だよな。

博多南さんたちは小さいままのつもりで捜したりしていたけど、あのまま残っていたら、怪人を倒せば攻撃効果が消える戦隊ルールが発動して、元のサイズに戻ってしまってココナッツベースは崩落していたはず(汗)。

 

母子の方はいざとなれば実年齢アラフィフの宝路がきちんと説明して理解して貰い、更に

「お母さんにもっと、何か言いたいことがあるんじゃないのか?」と龍生を促す頼れる大人の男性っぷりを見せる。

「お母さん、僕の話ちゃんと聞いて?僕、本当は1人でお留守番するの淋しい」

「本当は、お仕事に行く前にお母さんに、ぎゅ~っとして欲しい。そしたら我慢出来るから」

 

自分の気持ちを伝えたところでお母さんが働きに出ないといけない状況は変わらない。

だけど充瑠に背中を押されて気持ちを伝えることで、龍生はその状況をただ言われるまま受け入れるだけではなく、かといって全拒絶するのでもなく、出来るだけお母さんに負担がかからず実行可能で、自分の気持ちもちょっとだけ癒してもらえる方法をあの小さな頭で考え出して提案出来る子になった。

それは龍生がちょっとだけ大人になったってことでもあるんだけど、母親に「ぎゅ~っとして貰う」ことがまだ大事な年齢なのに早すぎるのかもしれないその成長が、健気で愛おしく少し痛々しくもある。

でも、息子にこれまで無理させ過ぎていたことを理解し、今も自分のために我慢出来る=妥協点を差し出してして貰っていることを身に染みた母親もこれからはきっとちょっと違うはず。

そんな前よりもっと気持ちが通い合った母子がぎゅっと抱き合うのを、元のサイズに戻った「友達」が夕日に照らされて見ているのがなんともハートフルで素敵だな。

 

あと、ヨドンナに見つかってたらと思うと龍生は地球とヒーローを守った事にもなるんだけど、我が子が自分の知らない高価そうな玩具持ってるのを見た時の親の疑いは真っ当だし、実際忘れ物かもなのに持ってきてしまったのは褒められた行動ではないと思う。

だから、劇中では龍生のお陰で助かった事にスポットをあてず、誰も知らないままで、決して肯定しないバランス感覚が、いろいろ配慮してるんだな、と好感持てる。

 

新ロボ登場後はどうしてもそちらの販促が中心になって初期ロボの出番は制限されたりかませにされたりで、今回も初期ロボ2体はやられて、敵を倒す活躍は新ロボってのは定石どおり。

だけど1号ロボと追加戦士ロボは敵を倒さない代わりにおもちゃそのもののとして、変形や合体の仕方まで魔進声付きで懇切丁寧に解説。

おまけにおもちゃが子供に「友達になってよ」と語りかけるロマンがあってその子の抱える問題を解決する後押しまでするという、強さ格好良さとは違う形での、かなり良い販促だったんじゃないかな。これなら新ロボの販促とも無理なく両立出来るのが凄い。

正直、先日のバンダイナムコ決算で戦隊はかなり厳しい結果で、もう出来ることは何でもやってくれ!頑張って!と思ってたところだった。

そこにこの、超変化球ながら超どストレートでもある販促回でストーリー内容もあったかくて凄く良くて、こんな出来がキープ出来るんならもうミニチュア回を毎年恒例にしちゃってもいいんでは?と思ったりする。