キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 7話8話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

<7話>

■香村純子さん

香村さんが宇都宮戦隊にサブライターとして初登板。

その後宇都宮Pから仮面ライダーウィザードと戦隊2本で重用されるんだけど、それだけの信頼を得るのも納得の大活躍がここから始まる。

個人的には今作とアキバレンジャーの印象から、メイン荒川さんサブ香村さん多め、の組み合わせは最強だと思う。

 

■虎の子

ナビィの予言に従って「虎の子」を探すんだけど、どいつもこいつもかなりズレていて、海賊たちはスーパー戦隊の知識ゼロな上に、地球での細かい常識もあやふやなんだってのをテンポ良く見せてくれて楽しい。

動物園の虎の檻に堂々と侵入しても誘拐犯まがいの目で見られても警察に捕まらないのは地味に5話が効いてるかも。

「<虎の子>ではなく<トラ猫>の聞き間違いでは?」と全員で大真面目にトラ猫をおびき寄せようとするポンコツぶりがもう可愛くて仕方ない。

 

マベ「トラ猫だ(どや顔)」

ナビィ「トラ猫?」

マベ「トラ猫だろ?」

ナビィ「虎の子って言ったでしょ?それは?」

マベ「トラ猫」

ナビィ「探すのは?」

マベ「虎の子」

ナビィ「へっ、バッカじゃないの?」→トラ猫舐めの刑

ごめん、全文書き下ろしたくなるくらいこのやり取りが好き(笑)。

 

■ジョーの弱点

洋服屋で押しの強いおばちゃんにつかまり、断りきれずに押し付けられるまま買わされ、アニマル柄の上着やスカーフに身をくるみ魂の抜けた目で座り込んでるジョー(笑)。

これまでシリアス色が強く崩れたところもなく、いまいちギャグに弄り辛いかな?と思っていたら、サブライターがこう崩してくるかと驚いた。

 

■パチャカマック13世

ゲキレンジャーVSボウケンジャーに登場した敵の子孫。ゴーカイジャーが全てのスーパー戦隊の本編だけでなく、全てのVSシリーズとも地続きなのか?ってことを、この時点では正体を伏せられてるけどバレバレなアカレッドに続いて示唆していると思う。

磁石拳によって海賊たちの武器を武器を奪い、為す術なく叩きのめされた新参組の緑桃と対応して撃退できた古参組の赤青黄の差を浮き彫りにしたことで今回の物語が動く。

 

■アイム

荒川さん曰く「お姫様だけどお嬢様じゃない」。

出来ないことを出来ないままにしない、克服しようとする人。

「古参組より戦えないのは仕方ない」と現状維持でよしとしていたハカセとは違い、ジャンに弟子入りを志願し、拳法を習得しようとした。

荒川さんがアイム役について小池さんに「演技の参考なら皇室アルバムを見てくれ」とアドバイスした(かも?)というエピソードが好き。吹雪だろうがなんだろうが手を振っていられる人達だと。

当初は2人ともヘタレる予定を香村さんが変えたとのこと。ジョーの「珍しいな。いつも自分を律しているアイムが」という台詞からも、香村さんが荒川さんの意図するアイムのキャラの核をきっちり抑えていたってことかなと思う。さすが兄妹弟子。

 

■ジャン

変身能力を失った現在は、子供達に拳法を教えている。

本編最終回から3年、マスターと呼ばれるようになった彼は、ニキニキといったいわゆるジャン語はそのままだけど、すっかり先輩戦士の風格と落ち着きで、成長してて欲しさとあの当時のままでいて欲しい部分の混じり具合が絶妙。

 

幼少期の不幸で数奇な運命を辿り虎に育てられたから「虎の子」。

「知らなかったの?」

そんな生い立ちなんてこの世界じゃ一般常識だよ、と言わんばかりに弟子の少年が、自分の師匠であるスーパー戦隊の戦士を誇らしげに語るあの世界が好き。

 

ゲキレンジャーの思い出

ゲキレンジャー は大人になってから初めて、凄く久しぶりに見た戦隊。私のニチアサ人生はここから始まったんだな。

初めて見た回は37話で女子メンバーの見合いの席に乱入した野郎共に混じって、半裸で虎柄のパンツ?一丁のターザンみたいな男が「けっこんけっこん」とかネコみたいに連呼してて、何か見てはいけない物を見た気がして「え・・っと何が起こっているんだ?」「これが今の戦隊なのか?」とかなり戸惑った思い出。

でもだんだんその男の事情がわかり尻上がりに面白くなってラスト前の理央メレの結末の美しさには全然違う意味で「これが今の戦隊なのか」と。

今思えば中澤監督演出に痺れたのはあれが最初だったんだな。

 

■暮らしの中に修行あり

ゲキレンジャーのテーマ。このエッセンスを

・ダーツで遊んでいるだけに見えて実は超重量のブレスレットを付けて鍛えていたマベ

・動体視力を鍛えるために日課として寝る前に流れ星を10個見つけていたルカ

という形で、「彼等は何もしていなくても最初から強い」と思い込んでいたハカセに突きつける流れが鮮やかすぎて。

ゲキレンジャー本編だと、ライバルの理央メレの修行が苛烈な分、暮らしの中での修行は地味で楽に見えて割を食っちゃった部分もあったのかも。

だけど、ゴーカイジャーでは臨獣拳が出て来ないこともあって余計にすっきりと

「修行なんて本当はどこでも出来るんだ、高みを目指し、学び、変わろうとする気持ち、それさえあればな」

っていう激獣拳のエッセンスを凝縮してわかりやすく見せてくれた感じ。この再構築が鮮やか過ぎて、普通ならレジェンドの本編を見てからゲキレンジャーを見るのが良いんだけど、もしかしたら先にゴーカイジャーを見た方が却って良さがわかりやすいのか?、なんて考えたりしたことがある(汗)。

 

■成長枠

赤青黄がアウトロー的格好良さを担当して最初からある程度完成されたキャラ、桃が「今技術的に出来ていないだけ」で心構えについては完成してるとも言える中で、他より年下というわけでもなさそうだけど小心者のヘタレポジションな分、わかりやすい成長ドラマを担当している人。

素質の問題だから自分は現状維持でよし→頑張るアイムに劣等感→皆実は日々鍛錬してたショック→置いていかれたくないからやっぱり頑張る

の変化の流れが凄く等身大で格好つけてない分、早々と共感と親しみやすさを獲得した感じ。

あと、あたりが柔らかいのでこの時期の海賊の中ではレジェンドと終始穏便に接することが出来るキャラでもある。そのせいか早くもレジェンドとの接触2戦隊目。

しかも接したのが魁とジャンという、どっちもレジェンド全体見渡した中でも屈指の成長枠レッドだからなおさら、成長が始まったばかりのハカセと組ませることでそんな彼等の本編後の成長ぶりをより際立たせるような効果もあったのかなと。

 

■主題歌インストルメントの扱い

ゲキレンジャーへのゴーカイチェンジでは主題歌インストルメントが流れていない。

この回の監督はパイロットの中澤監督だったから、たぶんこの時点ではそこまでルール化されてなくて試行錯誤中だったんじゃないかなと思う。でも、マジレンデカレンがどちらも主題歌のインストルメントを使って盛り上がっていただけに残念がる人や批判も当時結構見かけた記憶。

中澤監督はゲキレンジャーが初メインだったし軽視したとも考えにくいと思うけど、それぞれにファンの思い入れが強い過去作品を大量に扱っていく難しさを感じた。

 

■商品化しない大いなる力

今回初めて、商品展開しない大いなる力が登場した。そういうレジェンド回は今後もあるだろうからどうするのか?とちょっと心配してたらCGでゲキビーストがゴーカイオーから飛び出した。商品展開しないからこの回だけなのは仕方ないけど思った以上にしっかり出てきたので「あ、こういうのでいいじゃん」と安心した記憶。

 

<訂正>

■主題歌インストルメントの扱い  

の最後の行に

なおこれ以降のレジェンド回は全部主題歌インストが流れたので、今回をきっかけに統一されたのかも。

という記載をしておりましたが、ジェットマン回でもインストなしでしたので削除してお詫びいたします。

 

<8話>

■省エネ?

劇場版199ヒーローの撮影と重なっていたので、なるべくセット撮影で済ませられるような話にしたとのこと。そこから敵が潜入することになったわけだけど、予告を見た段階ではこんなハチャメチャで楽しい話になるとは想像もしてなかった。荒川さん×中澤監督@ギャグモードフルスロットルは、ゴセイジャー23話「燃えろゴセイジャー」以来かな。

 

■海賊たちの過去

海賊に連敗続きのザンギャックのギガントホースでは、未だ海賊を軽視するワルズ・ギルに隠れてダマラスとインサーンが海賊の動きを探ろうとしていた。という流れの中で、海賊たちの過去がチラ見せされる。

 

マーベラス→ザンギャックに対する最大の反逆者、赤き海賊団の生き残り

ジョー→元ザンギャックの特殊部隊の一員

アイム→ザンギャックが滅ぼしたファミーユ星の王女

ルカ→ことごとくザンギャックに楯突く女盗賊

ハカセ→こいつはまあいいだろう

 

1人だけ滅茶苦茶低い懸賞金額が書かれたハカセの手配書をポイ捨て(涙)の直後に、間髪を入れずハカセの「(大根の葉っぱを)捨てないで!」が来るテンポが最高(笑)。

捨てられがちな大根の葉っぱにも実は栄養があるように、取るに足らないと軽んじられるものにも・・・というこれがまさかまさか後々の伏線になるとは(汗)。

あとゴーミンを引き連れて堂々と闊歩する眼帯姿のジョーは、12話を見た後で見直すとあれはいったい・・・?となる(笑)。

 

■スニークブラザーズ

今回の特命に選ばれた兄弟。といっても兄がちっちゃなイガイガのついた球状で、弟の方がそのイガイガを大きくしたやつを肩にくっつけた人型という変則仕様。

海賊に気付かれないように潜入する→小型

海賊との戦闘要員→等身大

っていう2つの要素を満たす必要があったんだろうけど、何をどう発想するとこれになるのか(笑)。

声優の千葉繁さんと檜山修之さんが最初から最後まで好き放題突っ走っていて、もう煩いのなんの(笑)。

スニークブラザーズは当時大人気で中澤監督もお気に入りだったのか、後に劇場版ゴーカイジャーVSギャバンマクー空間で弟を妹に変えて黄緑の前に再登場した。

 

■ゴーミン

兄を敵の基地に潜入という危険な任務に送り出す弟の辛い心境に貰い泣き。弟が兄を遠投でガレオンに投げ入れようとして失敗し続けると暇を持て余してだらける。やっと成功すると拍手。

戦闘員にコミカルな動きをさせるのは他の監督もしてると思うけど、中澤監督はわりと踏み込んで時々、人間臭いというか「か、可愛いじゃねーか(汗)」と思える愛嬌をつけてきて(トッキュウジャーなんかも)、倒されるのが可哀想になってくる時がある(笑)。

 

■海賊たちの日常

ガレオンを主な舞台にしたことで、いつも以上に海賊たちの日常が描かれる。誰も彼も遠慮なく言いたい放題やりたい放題の日常がいかにも自由な感じで凄く楽しそう。ただ生活面の要はハカセで、彼がいなかったらタガが外れて収拾つかないんだろうな、ってのは後に衝撃的な映像で証明されたけどこの時点でもある程度予想がつく(汗)。

 

■ジョーの筋トレ

ジョーはたいてい、ガレオンの居住区では黙々と筋トレをしている。口数もキャラの崩しも少ないけれど、その割に日常シーンで存在感が沈まないのはこれのお陰なんだろうな。

普段から鍛錬を欠かさない描写を積み重ねることで、4話の凄まじい特訓も厭わないストイックな剣士という設定を補強しつつ、今回の腕立て伏せみたいにコミカルにも振れる上手いキャラ付けだなと思う。

 

■隠れんぼ

エルダーが忍び込んだタイミングでナビィが行方不明になり、海賊総出で家捜しが始まってエルダー大ピンチ(笑)。隠れ場所に迫られて間一髪切り抜けたり、お饅頭の箱の中に隠れたらルカにつまみ食いされそうになったり、その受難ぶりがいちいちスリルとサスペンスとコントのハイブリッドで、千葉さんの芸達者ぶりを堪能出来た(笑)。

あとエルダーのむぎゅって顔が可愛い。ナビィの定位置にすぽんと収まっている姿も可愛い。

 

■ナビィの電池

なぜナビィがいなくなったのか、海賊たちの間で責任の押し付け合いが泥沼化(笑)。優しくおっとりして気高いはずのアイムでさえも都合が悪くなると自分への矛先をハカセに向けて逸らし、意外と小狡いことが判明(笑)。こんな暮らしの中で海賊たちに揉まれてお姫様も着々と海賊化している。

そこからナビィの電池が切れたのでは?という話になって

「俺は電池なんか取り替えたことねえぞ」

「ナビは電池で動いていたのか」

とか微妙にお馬鹿なやりとりがわいわいと大真面目に行われていてじわじわくる。

だけど、まさかこれも壮大な伏線だったとは当時は思いもよらなかった(汗)。

 

■ナビィ

アロハ麦わら帽子可愛い。鳥型ロボだろうからぬいぐるみは無理だろうけど何か商品化されてたら買ってたかな。

みんなの大騒ぎも知らずに女子高生にチヤホヤされていい気になってたからお仕置きされてそのまま占いに突入。こういう時のナビィへの雑な扱いも結構容赦なくてツボ(笑)。

「空飛ぶ島で運命の出会い」

それを聞いて海賊だけじゃなくエルダーまで「んなもんあるか!」と怒り出して潜入がバレた(笑)。

 

■口封じ

ちょうど野球ボール大のエルダーを、無言のまま黙ってバットを持ち出したジョーが腰の入ったフルスイングでかっ飛ばす(演じる山田さんは父親が元プロ野球選手でご自身も野球経験者)。

そしてエルダーが飛んで行った先でヤンガーと再会した所にわざわざカチコミに行く海賊ども(笑)。

ゴーカイジャーはいわゆる正義の味方ではないので、ザンギャックとわざわざ戦うには正義以外の理由をいちいち作る。

買い出しを邪魔された、庇われて怪我させた借りを返す、報酬のため、トラ猫を逃がされた、など。

ただそれらは結果的にザンギャックからの被害を食い止めることにも繋がっていたんだけど、今回はザンギャック、破壊活動一切してないからね?

海賊たちの船に忍び込んで盗み聞きしただけだからね?

それを

「聞かれたからにはただで返すわけにはいかねえな」

とかもう完全に悪巧みを知られた犯罪者集団みたいな台詞(笑)。

正義を標榜しないアウトロー戦隊ならではの表現を結構踏み込んで使えるのは、たぶんボウケンジャーという先達があったのも大きいんだろうなと思う。

 

■ファイナルウェーブサーベルバージョン

キャプテンとして堂々とそびえ立つマベを真ん中に

・軍隊で本格的に鍛錬を積んだ手練れの剣士らしく腰を落とした構えのジョー

・自己流で戦闘技術を身に付けた勝ち気な女盗賊っぽく剣をぐるぐる回すルカ

おちゃらけてるのか大真面目なのか構えがどう見てもバッティングフォームのハカセ

・自分を律するお姫様らしくすっと背筋を伸ばし剣を両手で捧げ持つような立ち姿が美しいアイム

 

それぞれの過去をある程度知った後だと余計に、ファイナルウェーブサーベルverの、出自もキャラも個性バラバラな、寄せ集め感満載の5人それぞれの構えが本当に好き。

 

■ダマラスの決意

「奴等の目的がわかった。これ以上好きにはさせん」

ダマラスがこう決意したことで、物語がこの後、タイムラグを経て大きく動いていくことになる。だけど全てが終わってみると、ダマラスの決意は結果的に彼自身の破滅に繋がってしまったのかもしれないと思うと皮肉だな。