キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャー26話感想: キラフルゴーアローで体に優しいパワーアップ

戦闘は前回の屋上から一気に地下駐車場にというのはいつもの場面移動だけど、ゾンビベチャットによる大苦戦は継続中。

ヨドンナはその間に、爆弾邪面のストライクへの拘り=クランチュラが持たせた美学を全否定して、鞭の一振りで5体に分裂させ、闇エナジーを集めさせるべく各地に散らせる。

今回もひたすら陰から見てるだけのガルザさんは「邪面師を完全に手懐けた!」と驚いてたけど、どんどん立場をなくしているクランチュラさんが心配。

キラメイジャーはそれを止められないどころかゾンビベチャットに変身解除させられあわやトドメ。というところでゾンビベチャットに異変。無理な強化の副作用で体がヘドロ?になって崩れてしまう(汗)。こんもり盛り上がったその上にペランとベチャットのマスクが残って塚みたいになったのが並んでいるのがエグい。

ヨドンナはこうなることを知っていてベチャットを使い捨てた。

 

一方、エネルギアを取り込んだモンストーンも苦しみ出し、体組織が崩壊して棒立ちに。

そこを「儘になる日もならぬ日も人生はワンツーパンチ」突いて撃破し石を取り返す宝路。荒川さんだと昭和語録が炸裂しまくり。

 

ヨドンナはキラメイジャーにはもう為す術ないと判断し、それ以上の攻撃はせずに引き返そうとする。

「トドメ刺しとかねぇと、後悔するぞ」

と為朝が立ち上がって啖呵切ったのは心が折れてないってことだし格好いいんだけど、じゃあとヨドンナの気が変わって息の根を止めに来たら、為朝1人だけじゃなく全滅では?とヒヤヒヤした(汗)。

でも過去にシビア過ぎるくらいの戦況判断を見せてきた為朝がこの状況でも

「とんでもない大逆転勝利を見せつけてやるよ!」

と言えるのは単なるハッタリではなく

「俺たちには、頼りになるリーダーがいる」

と、仲間たち、その中でも充瑠のひらめキングを物凄く信頼してるからなんだよな。為朝はたぶん根拠のない自信は持たない人で、そんな彼にとっても充瑠のこれまでは十分根拠になるんだろう。

 

だけど基地に戻ると皆、魔進たちがキラメンタルを感じとれないくらい自信喪失もしてる。

そんな中でも立ち上がって備えようとする時雨は、マブシーナへの余命1週間宣告の時も見るに、普段はあまり前に出ないけど皆が辛い時ほどやせ我慢して一番辛い役目を引き受けようとする人なのかもしれない。

 

そこへ宝路が取り返したエネルギアをひっさげて戻ってきた。

この石の力を使えば逆転出来るかも?という希望が沸いたところに充瑠が大反対。

「あのベチャットみたいになりたいの?」

充瑠はモンストーンの顛末を見てるわけじゃない。でもそう言えばフリーザー邪面の時もあわやなピンチを強化ドリンクの副作用で助かっているから、充瑠の中では無理な強化=身の破滅なのかも。で、あの回は荒川さんじゃなく三条さんの脚本だったことを思うと、無理な強化に対する否定的な見方はキラメイジャー全編を貫いてるのかもな。

 

それでも地球や人々が守れるなら、という年上たちを充瑠は強硬に拒否。

「俺は地球の平和もみんなの未来もどっちも守りたいんだ!」

と、充瑠が飛び出した直後にヨドン反応。皆は充瑠を追いかけるより街を守りに行くことを優先する。

充瑠を他の仲間が追いかけて来ない理由付けと同時に、街がヨドンに襲われているのに充瑠が戦闘に参加しない理由付けが何とか可能なギリギリのタイミングで、キャラや物語への配慮の仕方はパズルみたいだなと思った(汗)。

 

なんとなくだけど、既に世の中に出て認められ人並み以上の賞賛を受けてきた4人には、それがない充瑠よりも社会への帰属意識や還元意識が強く、社会あってこその自分という気持ちが、たとえ自分を犠牲にしてもと思わせた一因でもあったのでは?なんて思ったりして。

結論を先に言ってしまうと今回は物語の選ぶ正解は充瑠。

キラメイジャーは赤が他4人より年下で1人だけ世の中に認められていない。けれど、却ってその事が独自の視点を持たせ、しばしば「主人公のレッドが正しい」という戦隊パターンにある程度の説得力を持たせているような気もする。

もっともオラディンの精神干渉疑いは継続中だけど(笑)。

 

一方ガルザさんはヨドンへイムでクランチュラさんからヨドンナの情報を得ていた。

「あの女は何かを隠している。

もしかしたらわれわれにとっても危険な存在かもしれない」

わざわざこんなことを言わせるのはきっとその読みが正しいんだろなと思うけど、皇帝が手元に置いて重用するような存在のどこに秘密があって何がそんなに危険なんだろう?

 

基地を飛び出した充瑠は例の神社に来ていた。弱った時に来てしまう場所。

ヌシカンさんは事情を聞いて以前出会った宇宙人の話を聞かせる。

宇宙人はやっぱりオラディンだった。不死鳥伝説を気に入ってヌシカンさんに弓の勝負を挑む。引き分けになったら「じゃあ1度に2枚的を射抜いたら私の勝ちな」と突然のマイルールを押し付けて、実は相当な負けず嫌いだろ(笑)。

でも2枚射貫くために力いっぱい引き絞り過ぎて弓が壊れてしまう。ならばと弓に過度の負荷をかけるのではなく矢に回転を加えて見事射貫くにも成功。

「限界は超えないためにある。それがわかってよかった」

とオラディンは言っていた。

 

その話を聞いた充瑠は自分の思いが正しいと後押しされたような気持ちになったのかな?

例のキラキラエフェクトと共にひらめキング。

 

5体バラバラに散った爆弾邪面に対処するために充瑠以外の5人もバラバラに応戦してるけど、やっぱり苦戦。そもそも複数人で怪人に立ち向かうのが戦隊だしなあ。

「無理。絶体絶命だ」と言われると「無理じゃない!」が発動するはずの小夜から「もしもの時は充瑠くんによろしく」という超弱気伝言を託される絶望的な事態にマブシーナは号泣し、大量に流れ落ちる涙がブルーダイヤに変わる。

 

そこに飛び込んできた充瑠は、自分のひらめキングにちょうど良いとダイヤをかき集め、スケッチブックに書いた新兵器に実体化。

そこにダイヤが散らばっていた意味(マブシーナは泣いていた)を一切気に留めないのは非常事態なだけじゃなく、だいぶ対人関係がこなれてきてもやっぱり、スイッチ入ると全方位呼び捨てなどかなり無神経モードになってしまうのは相変わらずなんだな(笑)。

 

キラメイジャーの妨害虚しく爆弾邪面は特殊爆弾を5つとも完成させてヨドンナの待つ例のパワースポットに集合。追いかけてきたキラメイジャーはもうヘロヘロ。

為朝が恋心込みの好意からヨドンナに教えた「笑う」という感情表現を、彼の心を逆撫でどころか剣山でこすり上げるような形で繰り返し実践してくるのがキツいな。

そこに充瑠がさっき実体化した新兵器キラフルゴーアローを携えて合流。

パワーアップと身の安全を両立させるために充瑠が付加した条件は効力が100秒以内という時間制限。

イメージしたものを実体化出来るだけでなく、その性能を「制限時間100秒ね」と指定出来るってなんか凄くチートなイマジネーションだな(笑)。でもそれで理由付け出来てしまうのは便利な設定。

 

「限界は超えないためにある」

という言葉は公のために個人の私を犠牲にしないことを最初から打ち出しているキラメイジャーには凄く合っている台詞だと思う。

けど、それ以上に凄く新鮮で心に刺さったのは、今の世の中がどこもかしこも一杯一杯で、医療現場などこれ以上の無理が出来ない人がたくさんいたり、迂闊に限界を超えようとして壊れた個人をフォロー出来る余力もなくなっている、っていうことをじわじわ実感し続けてるせいもあるのかなと思った。

「限界は超える為にある」と言った前作とどちらが正しいとかは単純に比べられなくて、この1年でそれだけ大きく世の中の何かあり方みたいなのが変わってしまったってことなのかなと思ったりしてしまう。

 

宝路がゾンビベチャットを食い止めている間に、アローを使って初期メンバー5人が強化体に。

これで塚田戦隊は全て初期メンバー全員が強化体になった。戦隊シリーズとしてはゴセイジャー以来かな?

ただしアローは1つしかないので、5人が爆弾ファイブを1人倒しては次々に違うメンバーにアローをパスしていく。時雨が使うと一本の矢が木々をなぎ倒していく見せ方がパワフル。瀬奈は走るスピードも増した?矢を射る精度までは上がらなかったけど「でもそんなの関係ねえ!」と連射しまくり撃破(笑)。充瑠が使うとたくさんの矢が一斉に降り注ぐ。

トリは射撃の名手為朝ってところでヨドンナの妨害も入って時間切れだけど絶対瀬奈のせいもあるだろ(笑)。

作戦失敗で1人取り逃がし爆破される(汗)、と思いきや余裕の為朝。

逃げた爆弾邪面の前には宝路が「ワンダー通せんぼ」(汗)。

初登場回のダンプの時も凄かったけど、この開脚ホント凄い。感覚がちょうど良い木立を探しまくったらしいけど(笑)。

宝路は強化してないけど、「さよなら三角また来てシルバー」と昭和語録をまきちらしながら爆弾邪面を1人で普通に撃破。

 

パワーアップに時間制限があると聞いた時に、時間内にアローを5人全員に回しきれない可能性を考慮し、宝路がその場合のフォローに回るという人員配置になったのかな?そんで個人的にはそれを計算したのは、たぶん戦力分析とリスク管理が得意な為朝で、だから余裕かましてたんでは?と思ったりする。

 

パワーアップは初期メンバーの5人だけど、宝路には巨大戦担当と時間稼ぎと時間切れ後のフォローという見せ場を振り、為朝が仕留め損なったのはヨドンナの妨害と時間切れという理由付けと、それらは想定内という余裕ある姿を見せる目配りが細やかだなと思った。

特に宝路については、強化前の5人があれだけ苦戦したゾンビべチャットも1人で対処出来たんだとしたら、強化で初期5人の戦闘力は彼を凌駕したんじゃなく、彼と並んだと考えていいのかな?個人的に初登場補正で初期メンバーを圧倒した追加戦士の弱体化は見ていて悲しいものがあるので、同格になるという見せ方は好み。

 

「見たか、これが仲間だ。お前の企みは潰えた。お前が笑うことはもうない」

勝ち誇る為朝の言葉に屈辱で打ち震えるヨドンナが撤退すると、待ち構えていたガルザさんがヨドンナの戦いぶりを褒め「俺と組まないか?」と持ちかける。

彼女の部下を使い捨てる感覚や邪面師を従わせる手腕は、強い者優秀な者が好きなガルザには好ましく思える部分もあるのは本当なんだろう。でもガルザさんのこれまでを見れば利用する気満々て感じで裏切る未来しか見えない。

 

そんなガルザを「失敗した僕に皮肉?」「認めてくれるんだ」「楽しくなりそう」と凄くあっさり承諾する様子がやけに無防備。ミッションに失敗してプライドが傷ついている所をまんまと持ち上げられて、他意なく素直に受け入れてしまったようなチョロさ危うさも感じてしまう。

一方で、敵のチームワークに敗れたことで下らないと否定していた「仲間」に興味を持った結果なんだとしたら、どこまでも為朝の本意ではない形だったとしても、ヨドンナは彼に育てられているのかもとも思う。

 

基地ではパワーアップと勝利をケーキでお祝い。

柿原さんとアオハルしてるとしか思えない充瑠から失恋をドンマイされて、「お前に言われたくないわ!」と為朝はやけ食いしてたけど、そんな捻れた形ででもヨドンナとの因縁は続いて欲しいな、と思った。

なお「お可哀想に」が凄く心がこもってなく響くぞマッハ(笑)。

 

為朝のキャラソン。えーと、キャラソンてレベルじゃないだろ(汗)。どうも為朝の格好良さに対する私のキャパはかなり小さいようで、今日は本編で既にオーバー気味だったこともあって、なんかもう流れている間中落ち着かなかった(笑)。

 

最後に、キラメイジャーのサブタイトルは映画の題名が元ネタで、今回の「アローな武器にしてくれ」は「スローなブギにしてくれ」が元ネタなはずだけど、「うわ、かっけえ」と思わずにいられなかった。映画は見てないけど。

以前東映撮影所が舞台としか思えないドラマのタイトル「スローな武士にしてくれ」も「内容にも合ってて考えた人頭良いな」と思ったけど、今回もそれに匹敵すると思う。