キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャー11話感想: 無限ループは苦難、恐怖、時々救い

予告でループ物だと知った時に、荒川さんだとジュウオウジャーの9話を思い出して、

「必要最低限の撮影で尺を稼げるからこんな時期の撮影再開1発目のエピソードとして最適だよな~、ここのスタッフさんはエピソードやネタの引き出しがめちゃくちゃ多いからそれを駆使して乗り切ろうとしてるし、それだけじゃなくミルクボーイとか最新のネタも積極的に取り入れようとしてるの凄いな~」

なんて勝手にメタ事情を推察した気になって感心していたら、日笠氏のツイートで、撮影はコロナ休止前に9割方終わっていたことを知った(汗)。ごめんなさい。

で、実際に見てみたら完全一致している部分の方が少なくて、所々変えつつ変わらない部分は変わらないように撮影していて却って滅茶苦茶大変そうでびっくりした。手が込んでるな(汗)。

 

eスポーツの試合で得意キャラを封印して見事に勝った為朝は、対戦相手の洋二郎から恨みを買い、いきなり前髪をむしり取られる。

むしった髪を「呪」と書かれた瓶に仕舞う仕草が無駄に芝居がかっておどろおどろしかったもんで、その後から戦闘まで同じ時間を繰り返していると認識した為朝は、てっきり彼が自分にループの呪いをかけたのかと誤解・・・するんだ(汗)。

瀬奈も「真木埜の呪い?」って言ってたけど、あの世界の人は、人間にあんなハッキリした呪いの能力があるとあっさり信じられるのかな。

まああの世界の現実として異星人が攻めてきて自分たち自身も不思議な力でそれに対抗しているんだから、あり得るあり得ないの境界線が薄そうではあるけれど。

いや実際には呪いの効力はなくても、あの前髪入り呪い瓶を蕎麦屋を継いだ後も自分の部屋に置いて、目に入るたびに「我の引退試合を汚した男・・・!」と恨んでたかもと思うと怖いわ(汗)。そんなことにならなくて良かった。為朝だけでなく洋二郎自身のためにも。

 

ループは今回の敵、リセットボタン邪面の力だった。

ドラマで初めて戦った時に「手捌き~」とピンクの名乗りを知ってたから、この時点でもう何度かループしてたことになる。

この時点で「弱っ」と言われてたってことは最初はどんだけ弱かったんだろう。負けを重ねるたびに相手に慣れて対策を練り強くなっていくタイプだそうで。

たまたまコケてぶつかってきた邪面師のリセットボタンを推してしまったことで、為朝も一人だけこのループを共有実感するハメになり、彼の受難が始まった。キラメイジャー全体にとっては幸運だったけど。

 

永遠に終わらないかもと思うと精神的にキツいし、だんだん強くなる相手がいつか自分たちを上回るかもしれないと思うと怖いよなあ。しかもそれを体感しているのは自分だけという孤独。そりゃあ苛立って声を荒げたくもなる。

 

そんな為朝の様子を怪しんだ充瑠がここでひらめキング。

このひらめキングの時にインサートされる白くキラキラな効果音付きのカットは何だろう?

単に充瑠の中から湧き起こる自由なイマジネーションの閃きを象徴的に視覚化したものなのか、それともクリスタリア特にオラディンの精神と何か繋がりがあるのか。

というのも、「本気になっても解決出来ない」と悩んでいる為朝に「嘘だ!本気でやったって言える?」

といきなり大声で否定してかかるのが唐突過ぎて。

サブライターさんだし、「本気」っていう今回のキーワードに直結させるためにちょっと過程をすっ飛ばしちゃったのかな?とも思った。

だけど、2話の蔵出し映像によれば実体化した魔進達の姿はオラディンが予言した通りだったことから、何かが彼を閃きの形で<正解>に誘導してない?なんて頭をよぎったりする。

正直なところ、エピソード0の充瑠と、2話以降次々に自身のひらめきでピンチを乗り越え人身掌握していく姿とのギャップが大きくて、今までのひらめきのどこまでが充瑠自身の実力なんだろうと疑う部分はあるんだよね。

覚醒前の充瑠の自己肯定感の低さはちょっとジュウオウジャーの操を連想したりもするので、香村さんと荒川さんの違いはあるけどみっちゃんの辿った更生の長い道のりを思うと(汗)。

 

充瑠の言葉が刺さり、「自分は本当に本気だったか?」と反省した為朝は、ゲーム会場に戻って洋二郎に謝り、再戦を申し込んで自分の最強キャラ=本気で圧勝し、洋二郎とも和解する。

そしてその対戦を通してリセットボタン邪面の攻略方法を見つける。

それは相手が何も学べない程の瞬殺を何度でも延々繰り返して相手の心を折ること(汗)。

凄いな・・・。

もしかして、友達とのゲームで圧倒的な実力差のまま手加減なく瞬殺しまくって上達できないまま心を折り

「もうゲームなんかやらない・・・」

とゲームから離れさせてしまった苦い経験が何度かあったりしたのかもと思った。

プロになってからは敢えて大戦相手をそうやって心理的に追い込む事もあったのかな。

そう考えると本気の為朝怖い。

一応邪面師だって、繰り返すたびに盾持ったりベチャットで囲ませたり鎧着たりして毎回対策とってるのに、毎回必ずその上を行って瞬殺してるんだから。

 

それにあの、何度やられても諦めず向かってくるのび太ジャイアンが根負けしたドラえもんのエピソードを思い出すと、命がかかっている戦いで毎回勝ってるとはいえ、邪面師より先に為朝の心が折れる危険もあった。それに打ち勝った彼のメンタルもかなりのもんだと思う。プロゲーマーの為朝だから凌げたのかもと思うと実はかなりヤバい敵だったんだな。

 

あと、何も知らなくてもショベ爺がずっと付き合って毎回違う掛け声で応援してくれたのは、たぶんショベ爺自身が思う何倍も励ましになったろうな。

為朝がショベ爺と一緒に戦ったのは戦力戦術以外にそういう精神的な理由もあったのかも。

 

洋二郎に対しては、最初だけは基地からゲーム会場に戻って再戦したけど、その後の繰り返しの中では、たぶん髪の毛をむしられる前に先回りして謝り、そのまま再戦を持ちかけて、会場から直接邪面師のところに行ってたんだろう。

基地に戻っていないから瀬奈の財布探しや誕生日クイズの場面には遭遇しておらず、だからヘリコは「Happy birthday」と言われて驚いたってことか。

 

洋二郎への対応は繰り返すことでより改善させることも出来たろうから、今度リセットされたらああしようと考えられることも、この無限ループを戦い抜く支えにもなったろうなと思う。

 

為朝にとって一番リセットしたいのは子供の頃の爺ちゃんとの場面だけど、それはもう二度とやり直せない。

洋二郎の引退試合も後で知ればそういう後悔になりかねなかった。

やり直せることは彼にとってはどこか救いでもあったのかもね。

そういう意味でもリセットボタン邪面には相手が悪かったかもしれない。

だから為朝がトドメを刺さなかったのは、相手が完全に戦意喪失したからだけでなくどこかで無限ループに感謝していたからかもと、ちょっと思った。

 

戦意喪失した邪面師にトドメを刺さなかった為朝は戦士としてはまだまだ未熟なんだろうか?

ただ、これ言うのは何度目かだけど、キラメイジャーは充瑠以外、圧倒的な才能と努力で一芸に秀でてその分野のスターとして輝いてるけど、戦士としても人としても若くて未熟って部分はわりと過去の戦隊よりハッキリ描いてる部分があって、そこがスターだけど等身大感や成長のドラマがあって却って新鮮で好きなんだよな。

そんでキラメイジャーが闇の保険の仕組みを知ってるのかもわからないけど、邪面師が戦意喪失したまま生きている状態は闇が溜まらないので、ガルザさえいなければ結果的に邪面獣の出現を防げて平和的な解決手段だったかもと思ってしまった(笑)。

 

完全に戦意喪失して「辞める」とヨロヨロ立ち去ろうとするリセットボタン邪面をガルザが斬惨殺した時に、クランチュラさんが「ガルザ酷っ」て言ったということは、クランチュラさんには敵に敗れて勝手に戦線離脱した部下だとしても殺すつもりはなかったんだな。

組織のありようも、他戦隊の敵みたいな「戦闘員はどんなに頑張っても戦闘員のままでは?」と怪人との間に絶望的な壁を感じさせる外見的違いもなくて、頑張れば上にいけるって考えると、ヨドン軍というかクランチュラさんとこは割と優しくて風遠しの良い職場だったのかもな。

ガルザさんが来るまでは、だけど(汗)。

 

ガルザの恐ろしさを見るたびに、そんな化け物が自分に向ける激しい敵意を毅然と受け止めて時には「へへ~ん」とか強気にいなしてる充瑠に、「怖くないのかなこの子?」、と時々思う。

まあニチアサって、ガルザ→充瑠以外にも、バングレイ→大和とかフェニックス→晴人とかみたいに、強くて残忍な敵が異常な憎しみを拗らせて粘着してくるのを皆当然のように受け止めているんだよな。

ヒーローのメンタルとはそういうものかもだけど、以前、職場で行き違いから同僚の一人に物凄い憎しみをぶつけられて肉体的危害は一切なくても逃げたくなったことがある私からすると、みんなタフだよなと思う(汗)。

 

ところで、これで個人回が2巡したわけか。今回含め為朝回は2回ともひたすら格好良いんだけど、時雨の2回のメイン回との方向性のギャップが凄まじいことになってない?(笑)

いや時雨回面白いし格好いい瞬間もあるんだけど、そろそろ彼にも真っ当に格好いいだけの回があってもいいと思うの(笑)。

 

ラストでマブシーナが「あの人」の予感に戦慄して、どう見ても今度の追加戦士のシルエットで続く。

そう言えば、人間とは違う姿のマブシーナを初めて見た時に充瑠がめっちゃ驚いていたけど、マブシーナは博多南さんを初めて見た時、クリスタリア人と全く違うその姿には全然驚いていなくて、人間だとは聞いていたろうし予備知識あったのかなと思ったけど、もしかして人間と同じ姿の宝路を知っていたからなのかな。

次回いよいよ本格登場で楽しみ。