キラメイジャー 「1.2話未公開カット蔵出し いまいちどスタートダッシュSP」感想: 為朝の覚悟、博多南さんの覚悟
1.2話を未公開映像と共に振り返る特別編。
■1話
まずカットされてたのは、冒頭で初出動の召集がかかった黄緑青桃4人と相棒の石達とのやりとり。それぞれの簡単なキャラ紹介と関係性をチラ見せ。
年上組の相棒が、どちらも本業との兼ね合いを心配していたのが印象的だった。やっぱりこの2人は年下組よりがっつり社会人だから抜けた場合の社会的な影響も大きいんだよな。
特に小夜は医者という人の命に関わる仕事だから、メンバーの中でも一番途中で抜け出し辛い立場。
もし初出動がもっと遅く大事な手術と被る夕方だったら、いきなり人命と人命の板挟みで難しい選択を迫られるという綱渡り状態だったわけで、ほんわかしたやりとり見ながらちょっとヒヤッとした。
2話という早めの時期に代役んルールが確立出来て一番助かったのは小夜かも。
ヘリコが幼い口調で「しゅじゅちゅ~」ってたどたどしく言ってるのが可愛い。
為朝はゲームショーのゲストとして観客盛況の中でパフォーマンス中だったのを、わりと豪快にぶっちぎっていた。
やっぱりもうこの時点で自分の中で
キラメイジャー > 本業
っていう優先順位付けを完了してたんだな。
だから2話での、命賭けの戦いより本業を優先することへの厳しい態度に繫がると。
本編見ただけでも、ここまで言うってことはきっとそうなんだろなとは思えたけど、
「今回は戦力ダウン状態で戦わされた側だから厳しく言ったけど、いざ自分が板挟みになったらちゃんと本業犠牲にして戦いに来られるの?」
って疑問が全くないわけじゃなかったから、彼はもう本業を犠牲にする覚悟を決めていた、とハッキリ見せてくれたのは良かった。
ただ同時に、為朝が早々とキラメイジャー優先を決めた理由には、彼の真面目さや現実主義、使命感は勿論として、その他にもしかしたらショベ爺の存在も大きかった可能性も感じた。
「ちゃんとトイレ行ったか?」なんてまるで寝る前の小さな孫を心配する爺ちゃんみたいなことを言ってくるショベローとなら、幼い頃に不幸な終わり方をした「祖父と孫」という関係をもう一度やり直せて癒して貰えるような気が、どこかでしていたんじゃないかな、みたいな。
充瑠がスケッチから実体化させた魔進達を見て博多南さんが、
「5つの魔進・・・王の予言通りだな。なぜ彼はそれをイメージ出来たんだ?」
と呟いた場面もカット。
エピソード0で充瑠がクリスタリアと何らかの方法で交信出来る事が暗示されていたことを補強している。
後にオラディン王と充瑠が響き合う関係だとわかるんだけど、何かそれだけに終わらせない秘密を感じさせる意味深な台詞。
オラディンはなぜ地球人の中に自分と同じ力を持った者がいると予見出来たんだろう?
自分が生まれたクリスタリアでさえ、現実にないものを形に出来るのは、弟のガルザを除けば自分一人しかいなかったのに。
自分と響き合える充瑠の存在を予め感知していたのか。
それとも自分の力を何かの方法で地球人の一人に分け与えていたのか。
まあこのあたりは後々充瑠とオラディンの交信能力に絡めてスポットを当てる機会があるだろうという判断でカットだったのかもだけど。
王の予言って、クリスタリアではなくこの地球で、キラメイストーン達が魔進になると言ったということになるよね?
つまり
・地球上に自分と同じ力を持つ者がいる事
・将来、娘のマブシーナと一緒にキラメイストーン達が地球に来る事
・それは自分が倒されて娘が亡命せざるを得なくなるという事
を全部予見していたし、博多南さんもそれを見越して準備をしていたと。
だから王はヨドン軍襲来の際に、娘にすらすらとこれからすべきことを伝えたし、博多南さんは友人の死を前提としたマブシーナの到着を「待っていた」のか。
壮絶だな。
キラメイストーン達が地球に来なければキラメイチェンジャーなんか開発しても意味はない。
終始ファンキーなおっさんとして振る舞っているけれど、博多南さんにとっては友の死を覚悟しての、悲しみを秘めた開発だったのかもな。
勿論「待っていた」という言葉は友人の死を待っていたという意味ではなく、亡国の姫という不安定な立場になってしまったマブシーナの居場所はちゃんとここにあるんだよと、目覚めた彼女に真っ先に伝えてあげたかった博多南さんの思いやりの言葉だったと思うけど。
なお、ラストに、それまでのハイテンションからクールダウンした充瑠が
「ああ~、俺、調子こいて呼び捨てにしたりしてごめんなさ~~い!」
と狼狽える場面も撮影されていたけどカットだった。
前のめりになるとハイテンションで周りが見えなくり他人の気持ちお構いなしに突っ走っちゃうけど、我に返るとそれなりの常識的な感覚はあるって描写かな。
これがあるとないとではちょっと充瑠の印象は変わる。
エピソード0と1話では人の話を全然聞かなそうでアブナイ人な感じもした充瑠が、2話ではいきなり瀬奈の心に寄り添う解決策を出して人心掌握してるのは若干違和感もあったけど、このシーンが挟まればそれは緩和されてたかも。
で、これまでは我に返った時には周りに誰もいなくなっていて、こういう所をあまり他人に見て貰えず理解してくれる人もあまりいなかったのかもな~と、エピソード0の柿原さんを思い出した。
■2話
本編では戦いの後に「終わった~!」と喜ぶシーンでぶつ切りのように終わっていたけれど、実はその後に瀬奈が充瑠に
「これからは、普段もタメ口でいいよ。<瀬奈>って呼び捨てで」
と言った場面が続いていた。
これがあったから、充瑠は瀬奈の呼び方に関しては、
1話: 呼び捨て→2話: さん付け→3話以降: 呼び捨て
と目まぐるしく変遷したわけね。
で、そんな充瑠と瀬奈の青春シーンの空気を破るかのようにの後に為朝が
「腹減らね?あ、イメージで特上寿司出せよ」
と言って充瑠が慌てて拒否するコミカルなシーン、更にそんな3人を見ながらマブシーナと博多南さんが充瑠をやっぱりリーダーに相応しいと総括するという、いかにもエンディングっぽい和やかなシーンがカットされていた。
「本当に、不思議な力ですね、充瑠さんの力って」
というマブシーナに博多南さんが言った
「気持ち、じゃないかな?代役んを生み出す事が出来たのは、ただイメージしただけじゃなくて、瀬奈ちゃんのことを思う気持ちが、プラスされたから」
って台詞が好き。ベタだけど他人の為にって気持ちがあるかないかが、同じく魔進を作れるガルザとの違い、更にはキラメンタルと邪メンタルとの違いのような気もして。
他人のホットドッグを真ん中食い出来る無神経さを持つ博多南さんの別の面、大人な洞察力や保護者的な温かさも垣間見える台詞だったから、個人的にはこれは本編で見たかった。
けど、全体的に司令官の博多南さんの台詞は削られやすいみたいだから仕方ないのな。
最後に、新たな戦士の変身後の姿もちょっとだけ登場して期待を持たせてる。
そうか、もう6月。本当ならそろそろ追加戦士の季節。玩具の発売スケジュールとの調整もあるからニチアサは単に休止するだけではすまされなくて大変だな。