キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャーエピソード0(TV放映版)感想: 博多南さんは自他の境界線が緩め?

新型コロナの影響で撮影がストップし、撮影済みエピソードのストックが尽きてきたということで、2月に「スーパー戦隊MOVIEパーティー」としてリュウソウジャーVSルパパトと同時上映された、「魔進戦隊キラメイジャー エピソード0」を一部加工してテレビ放映。

劇場版は見てるけど忘れていることも結構あったりするので、改めてざっくり感想を。

 

「美しい宝石の国、クリスタリア。平和で幸せで、全てがキラキラ輝いていました。そう、この時までは。」

冒頭のマブシーナの語り。

今見ると、これはあくまでオラディン王の娘という立ち位置からの視点で、この国を支えるために自分を犠牲にすることに疑問を持たないオラディンの、手足として働かされていたガルザには違う物が見えていたかもしれないな、と今は思う。

 

クリスタリア襲撃場面。

「美しい物は忌々しい」 というクランチュラさん。

本編を見た感じだと、美しさとか雅さみたいなものを理解しつつも「だからこそ、反吐が出る」と、体質が受付けないみたいだった。アレルギーの酷い奴みたいなものかな?

興味や魅力を感じるのにそれを受け入れ味わうことが出来ないから、それをヨゴレで塗り替えたり、享受している民にそれを模した仮面を被せて襲わせて復讐してるのかな?とちょっと思った。

 

オラディンは「英雄」と呼ばれるだけあって普通に強いし結構なパワー。雑魚敵は瞬殺だしクランチュラさんのことも追い詰める。てかクランチュラさんたぶん弱い(汗)。

あわやというところでオラディンを一撃で吹っ飛ばし、風前の灯火だったクランチュラさんの命を救ったのはガルザ。

あー、ここ見ていたのにすっかり忘れてた(笑・汗)。

本編でガルザさんに対しかなり寛大な印象のクランチュラさんだけど、うん、これはクランチュラさん、ちょっとやそっとのしくじりではガルザさんを責められなくなったかも?

まあ仲の悪い幹部同士だと、「遅いぞ、何をぐずぐず」とかそんなの当然のフォローだろ扱いで流されたりもするんだけど、クランチュラさんて兄弟は仲良しが当然とか、割と育ちの良さそうな素直な価値観持ってたりするから、このあたりも真っ当に恩義を感じてたんだったりして。

 

ガルザに斬られて倒れたオラディンに大勢の雑魚兵が寄ってたかって・・・のシーンは何度見てもキツいな。

戦士やサポートキャラの親が非業の死を遂げるのはままあるけど、その中でもかなりの酷たらしさ。

亡骸の足を持って引き摺られていったりと、正直、高潔な人柄も窺える英雄の最期としては、尊厳を踏みにじられ過ぎてる気がしてかなり辛い。

やっぱり実は生きてました路線で行ってくれないかなと思うレベル。

 

立ち去るガルザに例の副交感神経みたいな所から出る音がハッキリ聞こえたけど、これは山口監督のツイッターによると、

 

<他の変更点は、ガルザの笑い声キラキラ音を追加、>

 

とのことで、今回のTV放送の為に新たに追加したらしい。

道理で映画では一切印象になかったわけだ。もっとも、あってもそこまで印象には残らなかっただろうけど。

 

姫はキラメイストーン達と地球に亡命。

映画にあった、地面に突き刺さった白いキラメイストーン(中に姫)を博多南さんの部下が発見するシーンはカット。

 

博多南さんは姫を歓迎し、父を失ったばかりの彼女を労り、ヨドン軍に対抗するためキラメイチェンジャーを開発したことを示し、超ポジティブに王の敵討ちを呼びかける。

なんか訳わかんないけどファンキーなふざけたオッサンのふりして滅茶苦茶凄い人だ(汗)。

「我が財団」て博多南さんの財団なのかな?ルパパトのルパン家かそれ以上の超金持ち?

それはありとしても、どうやってあんな凄い物を開発したのかな?

本編を見ても謎の多い人。

オラディンから情報だけでなくクリスタリアの力に関連した技術力や物資を予め提供された可能性もありそう。

マブシーナが亡命出来るんだから、オラディンの方から地球を訪れるのは可能なんだよな。

遊びにきた時に一晩中泣ける漫画を読ませてブルーダイヤを大量取得とか?。

交流場面の回想を見てみたい。

 

励まされてもマブシーナは中々前向きになることは出来ない。まあ無理もないよね。体感として1日も経ってないかもしれないし。

マブシーナはこのエピソード0の中で何度か嗚咽してるように見えるけど、涙=ブルーダイヤは出てこない。

まあメタなことを言うと、いきなりそれんな場面を見せたらドラマが吹っ飛んじゃうからってのはあるだろうけど。

物語的には、ネガティブな気持ちからの涙だとブルーダイヤは出て来ないのか、亡命中の白いキラメイストーンの中で涙が枯れ果てるほど泣いてしまったか、かな?

 

でもその後はテンポ良く、それぞれのキラメイストーンと共鳴するキラメンタルの持ち主探し。

といっても、映画にはあった直接対話してのスカウトシーンはカット。

でも瀬奈の「風になれた!」は残してくれた。あの言い方は何回聞いても好き。

 

俊足の戦士=瀬奈

「いかがです?素晴らしいキラメンタルですよ、あの方」

「足が速いだけで大丈夫でしょうか?」

 

一流の剣士=時雨

「見ましたあ?凄すぎてヤバいですよ、あの剣捌き」

「でも・・・お芝居・・ですよね?」

「ああ?」

 

射撃の名手=為朝

「お見事!あやつ、ワシのハートも見事に打ち抜きおった!」

「でも・・・あれも、ゲーム・・ですよね?」

「それの何が悪いんじゃ?」

 

凄腕のお医者様=小夜

「ふうわあ、キョワイくって凄くって、最高にキラキラ~!」

「素敵な宝石ね~エモいかも」

「受け入れがお早い・・!」

「見る目もばっちりで、スキスキ~」

 

発見したそれぞれの候補者達に前のめりの石たちに対して、マブシーナは終始懐疑的。

まあ、緑青黄への疑問は無理もないとは思う。

マブシーナにとって父オラディンは絶対的な存在だったろうし、その父が滅ぼされた相手に足の早さや実戦ではない殺陣とゲームで見せた技で太刀打ち出来るとは思えないよな。

交渉場面はカットされたけど、「受け入れがお早い」小夜と、彼女とそんな大差なくあっさりキラメイジャーになることを受け入れた瀬奈、時雨、為朝がカラットの椰子の木みたいな基地に集合したのを見ても、まだ頼りなくて不安な姫。

 

そこにヨドン軍来襲の警報。

 

真木埜に対してもそうだったけど、時雨はいつもさっと女性を庇う。後ろのマブシーナの位置を確認して庇う一連の動きが格好いい。

 

博多南さんが後ろからバッサリやられて(そんなに致命傷には見えなかったけど・笑)、父の死に続くショックで崩れ落ちるマブシーナ。でも

「諦めんな!俺たちがいるだろ!」

「やりもしないで、逃げちゃダメよ!」

「選ばれたからには、全力で突っ走るから!」

「こんな奴ら、全員返り討ちだ」

「その為に、俺たちを選んだんだろ」

と、司令官的ポジションの人が倒れるのを見ても、超前向きにこの場での戦闘と、この先も続くだろう恐ろしい戦いを受け入れてマブシーナを励ます4人。

やっぱりこの人達のメンタリティは常人とはちょっと違うな。

少なくとも私ならビビるもん。まあ、あまりの展開にアドレナリン出でまくっちゃったらわからんけど。

「みんな、変身とやら、いっちょやってやろうぜ」

やっぱり為朝、既にこういう時にさらっとリーダーっぽい。

 

変身すると改めて頭キラキラ。

華麗に戦う彼らにそれぞれの相棒石達の賞賛が被さって華やかさの相乗効果を上げてる感じ。

キラメイジャーは褒められると伸びるタイプです!(by咲也)

劇場版でも思ったけど、瀬奈のスピードを強調するエフェクトが効果的で、見ていて爽快感がある。そしてマッハの瀬奈お嬢様へのゾッコンぶりもひときわ目立つ(笑)。

小夜の雑魚兵を尻下に敷いてのお仕置きモードは、前話のイケメンぶりを見た後だと納得しかない(笑)。

 

剣:緑青

銃:桃黄

と分かれてるのは、ゴーカイジャーの武器交換と重なるけど、こちらも同じ武器でも戦闘スタイルがきっちり違うのが楽しい。

初陣にして雑魚敵を蹴散らしまくる4人を見て、マブシーナの希望も蘇ってきた。

 

実はこの来襲、VRによるバーチャル映像。静電気によって触感も再現出来る。でも地球にまだ来ていない雑魚兵の姿だけでなく悪臭も再現出来るのか(汗)。

何事もなかったように起き上がって種明かしする博多南さんに

「本気で心配したんですから!」と石の頭突きを食らわすマブシーナ。お淑やかでここまで弱気に見えても自分の頭の硬さが他種族に対して有効な武器になることは認識してるのね(笑)。

「これで前を向けそうだね、姫」

姫を元気付ける為に、というにはちょっと荒っぽすぎるショック療法だったみたい。

「ええ、何があっても決して澱まない、皆さんの魂の煌めきがあれば!」

ここで「澱む」というヨドン軍に通じる言葉と、それに打ち勝てる物として「煌めき」というキラメイジャーに通じる言葉を対にしてきたのが、マブシーナの決意表明かな。

そう言えばガルザやクランチュラの拠点の足元も汚水で澱んでたっけ。

マブシーナが悲しみと絶望、不安から立ち直って、赤の石が自分と響き合う残る一人を捜しに行く所で1話に続く。

 

その残る一人、充瑠はクリスタリアでの出来事を夢に見て会った事のないガルザの顔を描き出し、クリスタリアの何かと交信出来る事を暗示。これはガルザ曰く、「オラディンと響き合っている」ということみたい。

 

クラスメートからは自分の世界に閉じこもった変人扱いで、絵を書いてる最中も周囲を気にせず没頭して奇声を上げまくる姿は、正直ちょっとヤバい奴っぽくて、この時点ではまだあまりお近づきになりたくない感じ(汗)。

それでもあんまり楽しそうだから、最初はからかうつもりで似顔絵を描かせた柿原さんも、ちょっと見直しかけたのに、完成した絵は何ともおどろおどろしい落書きタッチ。

「この部分は柿原さんの凶暴性、この部分はちょっと狡いところかな」

と解説も容赦なさすぎ(汗)。

これはスクールカースト最下位になっても無理はないかな・・・・・。

ただこの頃から、真木埜の恐れを見抜いたような相手の内面を洞察する力はあったんだね。

キラメイジャーとして自己肯定出来るようになった後は、それを仲間のキラメンタルを守って問題解決するポジティブな使い方で活かせるようになった感じかな。

 

あと、博多南さんについて。

前回、時雨のホットドッグを悪びれず豪快に真ん中食い出来る無神経さに、時節柄もあって正直ドン引きしてた。

だけどそれは、対ヨドン軍の矢面に立つのを承知で自分の財産を注ぎこみ私設防衛軍を作れる公共意識の高さ、それから異星人のオラディンと友情を育みその遺児を快く保護出来る包容力と表裏一体な気がする。

自分と他人や人間と人外との境界線の緩い、なんならその手の枠のない人なのかも。

で、自分がそうだからナチュラルに他人もそうなんだと思ってるフシもないかな?

私の財産を他人の為に使っていいからたまには他人の物食べてもいいよね?みたいな?

 

楽しみにしていたホットドックをあんな食われ方した時雨は災難だし、もしかしたら時と場合によっては他人との距離感的に困った人になっちゃうこともあるかもだけど、この人がホットドックつまみ食いしない代わりに

「地球が滅ぼされて困るのは皆同じ。なんで私ばかりが危険と莫大な出費を引き受けなければならないのか」

って揺らぎ出したら、あの世界の地球は終わってた。

 

自国の民や異星人の為に自分を犠牲にすることに疑問を持たなかったオラディンとそこで響き合ったのかもしれないとは思う。