キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャー8話感想: オラディンとガルザの兄弟関係の拗れとかそれを体現したキングエキスプレスの仕様とか

突然現れた白く輝く列車ロボが見えるのは、充瑠とガルザだけ、とここでまたこの2人の因縁を積み重ねてきた。

充瑠がまた気を失うとロボも消えたから、ロボは充瑠が生み出したか意識に紐付いているみたい。

その機を逃さずトドメを刺そうと襲いかかるガルザ。

ここで

時雨の「飛べるか?」に

「それは飛べって意味だよな兄貴」

と返すジェッタの話の早い相棒感がかっこいい。三条さんらしい粋な小気味よさ。

いつもは戦闘中の指示は為朝が出す事が多いけど、今回は時雨が飛べる魔進担当ならではの状況判断で窮地を脱するきっかけになったのが良かった

為朝だとあそこでヒビの入った直接の相棒ではない空組に無理しろとは言いにくそうだし。

 

為朝は役者さんが今のところ演技が一番安定している感じで、この序盤、指示出しだけでなくわりと為朝が展開の中心に配置されがちなのも、場面を安定させる狙いもあるのかな?と思ったりするけど、今回みたいにネタ以外にも徐々に時雨ならではの頼もしさや存在感を確立していってほしいな。

 

充瑠が戦闘中に倒れたことで、一斉に更なる特訓で鍛え直さねばという思考に傾くセレブ4人が怖い。

耐えられなくなったファイヤーから「お前らのせいだろ!」「充瑠はお前らに振り回されてへとへとだったんだ!」と聞かされるまでその可能性に一切思い当たらなかった4人て、つまりは

4時間ぶっ続けでのランニング→剣道→合気道→射撃込みの戦闘訓練

に休憩が必要っていう認識がゼロな人達なんだね(汗)。

充瑠の不幸は、並外れた自己鍛錬で今の地位を築いたセレブ組全員の限界基準が常人を遥か超えた所で揃ってしまい、疑問の生まれる余地がなかったことかな。

年下組が暴走したら年上組がブレーキをかけるといった役割分担もなく、むしろ逆にやせ我慢が美学の時雨、医師だけど「無理じゃない!」と限界突破が信条の小夜、で年上組の方がタチが悪かったような(汗)。

前回あわや全滅の危機だったから余計に4人の危機感をあの番組が煽ってしまったかも。

充瑠も充瑠でつい最近まで自己評価最低だったし、セレブ4人に異を唱えてくれる存在もあの時点ではいなかったので、イマイチ自分の限界点に自信がなく強く主張することができなかった、みたいな要素もあるかも(涙)。

 

眠っている充瑠はまたクリスタリアの宮殿の夢を見ていた。というより夢の中でオラディン王と交流する。

「君になら私が遺した夢を託せるかもしれないな」と、充瑠の手をとって一緒に白い魔法石の格納庫の絵を描いて、それが目が醒めた後もスケッチブックに残っていた。

 

充瑠にはぜひマブシーナに夢で見た父オラディンの話をたくさんしてあげて欲しい。

マブシーナが最後に見た父王はあんな無残に殺されて引き摺られていく姿で、それはどんなにトラウマになっていてもおかしくないけど、夢で会った姿はそんなこと微塵も感じさせず、穏やかで大らかでノリが良くて楽しげに笑っていて、充瑠を通して今もマブシーナ達を見守り手を貸してくれているんだと。

 

(ついでにガルザにも、

「夢の中の兄王はお前に裏切られ殺された恨みや憎しみや嘆きなんか1ミリも感じられず穏やかで楽しそうで、一緒に書いてくれた絵がきっかけで出来た白い魔進がお前の渾身の傑作スモークジョーキーを乗っ取って合体したんだよやーい!」

と言ってやって欲しい気持ちはあるけどあれ以上にブチ切れられても怖い。汗)

 

でも「遺した夢」という言葉には、本当はオラディンは生きているかもってセンも残しておいてくれませんかねと、複雑な気持ちになった。

娘の目に映った姿とはいえ、あそこまで高潔な人の最期があんなにも無残なものであって欲しくはないなと。

娘から見たオラディンは、自分の身を省みず、苦しむ民を救いたい、休んでいる暇などない、人を助けるのに理由がいるのかね?な人。

 

一方で、ガルザの気持ちも分かるような気がした。

オラディンはガルザに魔進製作を禁じてたのかと思ってたけど、自身が休む間もなく民のために働いていたのなら、ガルザも休む間もなくその手足として働いて魔進製作やってる時間もなかったかもしれないと。もしそうならマブシーナが叔父の魔進製作能力を知らなくても無理はないかも。

だとすれば、セレブ4人に振り回されて絵を描く時間がとれなかった今回の充瑠みたいな状態がずっと続いていたようなもの。

オラディンは見た感じ自分がそうだからと弟にも強要というより、当然弟もそうするものだと思っていて特に感謝もなく、それ以外の価値観や感情や屈折があることをまるで理解できておらず、弟はこの兄の下にいたら自分は一生魔進作りの時間なんか持てずにいつかすり減って果てると絶望したかもなあ、なんて。

そして兄と自分がこうやって身を削って保たれた平和を当たり前のように享受して、たぶん兄だけを名君と讃えて頼っていたように思えるクリスタリアの民のこともついでに憎くなったから滅ぼしたのかもしれないとも。

 

充瑠はパジャマ姿のまま導かれるように、スケッチブックに描かれた格納庫の前に来て、博多南さんの会社カラットの警備員に咎められ、キラメイジャーだと名乗ってもチェンジャーも着けてないから信じて貰えず追い出されそうになる。

そこにガルザが来て、充瑠は変身も出来ないのに警備員達を真っ先に逃がすのは、いかにもヒーロー気質って感じで良かった。

けど、ついさっき変身装備もなくて関係者と認めず追い出そうとしたパジャマ姿の頼りなさそうな少年に「逃げて!」と言われて素直に自分たちだけ逃げる大人の警備員さん達には、ヒーロー番組のお約束ではあるんだけどちょっとモヤッとする。

 

「逆に聞きたいよ。人を助けるのに理由が要るの?」

という充瑠の言葉にオラディンを重ねて「生理的に存在がムカついて許せない敵」認定するガルザ。

これまでの人生、ろくに人と関わらず認められず変人扱いでスクールカースト最下位レベルに甘んじていても、挫けず恨まず僻まず人それぞれの良いところを認めて、困っている人がいれば無条件で助けようとするのが、オラディンに通じる充瑠の資質ということかな。

なんとなく、人とあまり関われなかったことであまりマイナス感情を拗らせることなく、却って善性が純粋培養された人って感じもしたりして。

 

セレブ4人に謝られてすぐには受け入れず文句言ったのは、そんな素直さと、初めて仲間たちと腹割って気持ちを伝え合う経験が出来たのを楽しんでるような感じもして、見ていて可愛くて微笑ましかった。

 

白いキラメイストーンはここまで一言も発しないまま、姫の脱出の際に彼女を守るカプセルとなって地球に到達し、ヨドン軍の邪悪な念から地球を守り、キラメイジャー達のGPSになって彼らの危機を救い、今回も自分が狙われていながらガルザの攻撃から充瑠とマブシーナを守って魔進に姿を変えた。

王の遺志を粛々と守り実行し続けている無言の騎士という感じがして頼もしい。

スモークジョーキーのキラメイストーンも一言も発しないけど、あちらは色も黒くててっきりガルザのキラメンタルかそれに似た何かと共鳴して魔進になったのかと思ってた。

けど、マブシーナはジョーキーが敵の手に落ちた時のストッパーが白いキラメイストーンという認識だったから、無理やり操られているってことで、だから喋れない?ってことなのかな?

まあメタな事を言えば喋る=キャラクターだから、今後追加戦士も来るのにいたずらに増やせないってのもあるかもだけど。

 

充瑠が「閃いてたキーング」と実行したのは、ガルザが乗ったままスモッグジョーキーを強引にエキスプレスと合体させること(汗)。幻に見た白いロボはこれを先取りしたということみたい。

で、誕生したキングエキスプレスをガルザが乗ったまま楽しそうに操り邪面獣を攻撃する充瑠がなかなか鬼畜(汗)。

その物言いもいちいちガルザの神経逆撫でして、恐らくガルザ史上最大の屈辱を与えてしまった。

 

オラディンはガルザの裏切りを予感していたの?

う~ん、だけどオラディン王の善意に溢れた大らかさ(無神経さと紙一重な感じもする)見てると、オラディン王は悪意なく自然体でガルザをこき使っていて彼の拗くれた感情に気付かなかった気もする。

で、王の残した夢って、もしかして兄弟仲良く互いの魔進を合体させて1体のロボを作ることで、託された充瑠がそれを形にしたのがキングエクスプレス、白が胴体部分(上半身)で、黒が手足(下半身)という悪意なく兄の優位性を形にした鬼畜仕様だったのかもしれないと疑ってみたくなる(汗)。

 

邪面獣打倒に無理やり参加させられた後で強引に合体解除し撤退したガルザは、怒りのために邪悪なパワーが増大し「邪メンタル」に覚醒してしまった。

クランチュラさんが「まさかクリスタリアの者が」みたいなことを言っていたけど、キラメンタルと対になる邪悪な力の源ということかな?

 

今回のガルザ見た感じ、兄弟コンプレックスが彼の中で凄まじく拗れていて(ネットで、殺すほど憎んでたくせに未だに「兄上」と呼ぶという指摘も見かけてなるほどな~と)、兄を殺した後も自分達以外の兄弟の関係が気になって仕方なくて、今回も兄弟で出撃すると知ってちょっかいだしたようにも見える。

弱い兄が威張っていても許せないけど弱い弟は世間的に兄の優位性を正当化してしまうので尚更許せず、仲の悪い兄弟を見かけたら作戦にお構いなくどっちかを殺さないと気が済まなくなってるのかも、なんて怖いことを思ってしまった。

こんな凶暴で作戦にも不実なガルザをよく兄オラディンは抑えつけて駒に出来たなと思う。

オラディンが強かったのか、ガルザが鬱屈が限界に達して歪みきるまではあそこまでではなかったのか。

マブシーナの回想のガルザは、普通の真面目な兄思いの弟に見えなくもないから、兄への拗れた気持ちが積もりに積もって爆発しちゃったのかな?