仮面ライダーゼロワン33話感想: 不破さんの過去の秘密とか唯阿さんの明日はどっちだとか
道具だと思っていた不破さんと彼の頭の中の亡に逆らわれ敗れた天津が2人を腹立たしく邪魔だと言うのは分かりすぎるくらいよく分かるけど、「不破を消せ」とは、具体的にどうやって消すつもりだったんだろう?
これまでのザイア、天津のやり口を見ると、デイブレイクみたいな大事件によって人命に犠牲が生じたことへの罪悪感などはこれっぽっちもなさそうだから、邪魔になった人間を1人2人殺すくらい何でもなさげだから、素直にそういう物騒な意味にとれて困る。
でも「何もなかった元の不破諫に戻してやるんだ」っていう天津の言葉からは殺すまでのニュアンスは感じなかった。
だけどその実現には、不破さんを拘束し、頭から亡を取り出す手術をする必要があるし、今の不破さんはそれを望んでいない。
またしても不破さんへの物凄い人権侵害前提なんだけど。
不破さんの過去はチップによって捏造されたものだった。
あの状況でどうやってヒューマギアの殺戮から逃げ延びたのか不思議だったから、瀕死状態でザイアに回収されチップを埋め込まれた可能性が高いかなと思っていたけど、まるっきり嘘の過去で、暴走したヒューマギアが中学校を襲った事実はなかった、と。
ヒューマギアへの憎しみもザイアに天津に植えつけられたものだった。
そうなると不破さんのキャラをビシっと貫いていた背景がなくなって、急にふわふわしてくる感じ。
もともとは「何もなかった」のなら、ただの穏やかで平凡な一般人だったということ?
鶏と卵みたいにどっちが先かわからないけど、なんでエイムズに入ったのか、なんで頭にチップを埋め込まれる羽目に陥ったのか。
今回その説明がなかったということは今後も改めてそのあたりが描写される期待は薄いのかな。
あの回想ごと嘘だという可能性がちらとも頭をよぎらなかったってわけでもないけど、いざそれは嘘だったとだけ突きつけられてそれに代わるものが提示されないと、なんか拍子抜けで落ち着かない。
それを天津から告げられて「お前は仮面ライダーになるべきじゃなかった!私のせいだ!」と激しく自責する唯阿さん。
唯阿さんはザイアの元で仮面ライダーシステムの開発を担当した。そのシステムは、少なくともバルカンとバルキリーに関しては頭にチップを埋め込む必要がある。そんな仕様にしたのは自分の責任だ、ということかな?本当はヒューマギアを憎む理由もなかったのなら仮面ライダーとして身を削って戦う必要もなかったのに、ってこと?
でも唯阿さんは不破さんの頭の中にチップがあることは知っていたけど、不破さんの過去の記憶が偽りだとは知らなかった。
唯阿さんは、もしかしたら不破さんの頭にチップを埋め込む手術には関わったかもしれないけど、それ以前の不破さんのことは全く知らない、ということか。
自分の過去の記憶は嘘だという事実を天津に突きつけられて、一度はショックで崩れ落ちる不破さん。
中学生の時にクラスメイトを虐殺されて、でもせの事実を社会的にもみ消されて誰も頼りにできず、その怒りと憎しみを限度額に、俺がルールだと自分の意志で人生切り開いて突き進んで来たってのが不破さんのアイデンティティ。
その原点の記憶すら偽りだったことになるから、無理もない。
だけど、ヒューマギアへの憎しみを原動力にして戦っていた時代はと~~~っくに終わっていて、倒す対象はザイアに移っていたから、実はザイアを許せない理由が1つ増えるだけだった(笑)。
不破さんにダメージを与えるにはタイミングが遅すぎたな。
天津のやったことは、唯阿さんの怒りを買ってザイアへの決別を決意させただけ。
長かった(涙)。住民投票からここまでジャッカルレイダーにしか変身してなかったけど、ようやく、物凄く久しぶりにバルキリーに変身して天津に反旗を翻す。最後にバルキリーに変身したのって23話のお見合いの時以来?
戦力差を考えればバルキリーがサウザーに勝てるわけがない。だけどショックから立ち直ったランペイジのサポートもあり、身軽さとスピードを活かして空高く舞い上がりサウザーの攻撃を避けながら撃破。ここの動きはこれまでたまりにたまっていた鬱憤もあって余計に小気味よかった。強さでは適わなくても、バルカンの力強さとは差別化された華やかな戦い方が、改めて格好いい。
そして天津さん何度目かのボロボロ変身解除。
唯阿さんは追いかけて「これが私の」と画面いっぱいのテロップ付きで辞表だとぶん殴る。
天津が登場したばかりの頃は、まだ彼の底が見えないってのもあったんだろうけど、それなりに唯阿さんも心酔してそうな感じだった。
けど、お仕事勝負以降の扱い特に「お前は道具」をあそこまで連呼されてすっかり嫌気がさし、もはや頭のチップで嫌々従わされていただけのおぞましい上司って感じだったのかな。実年齢45歳だと思うと余計に(汗)。
夕日の中を去ってく唯阿さん見てホントせいせいした。
天津はすっかりただの小物悪役に成り下がって、戦力的にもクラスタやランペイジより下で、唯阿さんの技術力もなくなって、この先どう巻き返すんだろう?巻き返せるのかな?それとも天津の上の外資の本社が出てくる?
だけど、せっかくザイアから自分の足で立ち去ることが出来た唯阿さんなのに、滅と迅に「亡を自由にするために手を貸してくれ」と言われてふらふらついていってしまう(汗)。
2人はかつて人間を滅ぼそうとした。予告では滅は相変わらず人間を滅ぼしたいし、迅は少しは破壊前と考えが変わったかもだけど、得体の知れない危険な存在なのは変わらない。
もっと言えば、不破さんの頭から亡=チップを取り出したら変身出来なくなる。それは不破さんのせっかく生まれた「仮面ライダー」という夢を奪うことになるんだけど?
その言葉を聞いて一緒に天津を撃破したはずなのに、何を考えているんだろう?一難去ってまた一難て感じ。
なんで唯阿さんはここまで迷走し続けるんだろうなあ。唯阿さんの明日はどっちだ(泣)?
今回のテニスコーチヒューマギアについては、ちょっとどう受け止めていいか考えがまとまらない。
シンギュラリティに達したヒューマギアの夢が、雇い主の望む事に合致するとは限らない。
そこを描いたのは良いけど、一度機能停止されて、利用者も不要になり不法投棄されたものを勝手に再起動してもう一度利用者に戻す。
再び利用者から拒絶されたら、別の場所、コーチを募集しているところに送り込む。
これが人間なら、夢の実現のため新たな道を探すのは当然の方針転換で、あるべき形なんだと思うけど、一旦要らないと言われたヒューマギアだと、なんとなく<不要物を押し付ける>的なニュアンスを感じて微妙な気持ちになってしまう(汗)。
そこを人間と同じに考えてヒューマギアに寄り添っているのが或人なんだってのはわかるんだけど、ちょっと人間の都合よりヒューマギアの都合を優先しすぎてる気がしてしまって。
あと、テニスコーチに新しい夢を提示するのは良いけど、もうザイアには狙われないの?
ザイアにとって彼は、このエピソードが終わった後も変わらず破壊すべき存在なのでは?不破さんが継続して護衛につくんだろうか?
復活させるヒューマギアが多くなるってことは、それだけザイアから狙われるヒューマギアも増えるってことだけど、それをどう解決するのかには焦点当たるんだろうか?