仮面ライダーゼロワン31話感想: 製造責任とかヒューマギアと夢とかとりとめなく
あまり時間がとれずあれこれ考えがまとまらないのでとりとめなくざっくり。
イズが或人のために立ち上げた新会社は「株式会社飛電製作所」。
あの状況で突貫で立ち上げて株式会社でやっていけるんだ?株主は誰?みたいな部分は突っ込んじゃいけないのかな。
新会社での或人の考える仕事は、ヒューマギアを止められて困っている人を助けること。
早速、以前登場した漫画家が、停止したアシスタントヒューマギアのGペンを復活させてくれと持ち込んでくる。
復活させてもGペンがこれまで通りアシスタントをするかはGペンの意思次第だという或人。
すっかりヒューマギアの自由意思を何よりも優先すべきって考えるようになっちゃってるけどいいの?なんかここモヤる。
営業で売り込む時はあくまで商品として単に役に立つ夢のマシンだとしか言わなかったはずなのに、お金を支払い使い始めて必要不可欠な存在になったら
「人間と同じように扱え、言うことをきかなくても自由意思を尊重しろ」
って何か(元)製造販売側の身勝手な気もして。
或人の姿勢には「営利目的で商品として作り出し人間社会に流通させていた」っていう、客である人間への責任への意識が欠落していてそこがイマイチ共感しづらいんだな。
ヒューマギアを社員と呼ぶようになって「商品」という側面が或人の意識から薄まっているように見えるから余計にそれを感じる。
あと、ヒューマギアの意思を尊重してその自由意思に任せるべきって考え方は、ヒューマギア性善説が根底にあると思う。
だけど、自由意思に任せた結果、チェケラみたいに人間は滅びるべきって結論に達したらどうするの?
破壊するんでしょ?かつて滅亡迅雷に対してそうしたように?
まあそれが「人間ともヒューマギアとも戦ってきた」って差別せずに向き合ってきたってことなのかもだけど。
でも破壊するまでに人間社会が受けた被害への責任は?
或人はこれまで「滅亡迅雷のせい」「人間の悪意のせい」と全部他に責任転嫁して、あまりきちんとそれに向き合ってこなかったように思う。
その結果社会から総スカン喰らって今に至っているわけだけどそれが番組スタッフが意図的にそう描いているのか、必ずしもそうでないのか、ちょっと分からなくなっているのがもどかしい。
一方、或人とはまた少し違った立場でヒューマギアの解放を目指す迅は、Gペンを或人の元から強引に連れ去り、自由意思で生きるよう諭す。
だけどGペンはゼアと繫がれずに困惑するばかり。そのままふらふら街の中を彷徨って、人々から恐れられ、自身もバッテリーの残量不足。
途方にくれてゼアがあるだろう空を見上げるGペンに哀愁漂っている。
なんだろ。イズの時も思ったけど、迅のやろうとしたことは、檻の中が可哀想だからと動物園の中しか知らない熊を「自由に生きて行くんだ」って街中に放ったようなもの?餌の獲り方も知らずに飢えて人間に危険視されて駆除されるだけ、みたいな。
或人が「ヒューマギアだって夢を持っていいんだ」と言ったのも似た問題を抱えているのでは?
たまたま漫画家の、Gペンを一人前に作品が書けるよう育てたいっていう願いが、或人の「ヒューマギアだって夢を持っていいんだ」って主張と合致したけど、それでも今やこの世界にヒューマギアが作品を発表出来る場なんてないだろうに。
覆面作家としてこっそり売り出すの?でもそれで利益を受けるのは結局人間。
そもそもゼアと繫がれなくなってゼアからこれ以上のラーニングが出来なくなったGペンが、どうやって漫画家として必要な想像力創造力を持ち続けていくのかそんなことが可能なのかイメージしづらい。
迅も或人も、それぞれよかれと思う気持ちはわからなくもないしそこが響き合って歩みよれる部分もあるのは面白くなりそうだけど、反面現実に見合わない理想が空回りしてるのが危うくて、特に或人は、作品が今の或人を全肯定するんじゃないといいなと思う。
むしろ人間なのにあからさまに天津に道具扱いされてる唯阿さんが、「道具」というキーワードからヒューマギアと自分をやや重ね始めて、破壊を躊躇い始めている姿の方に共感し始めてる。唯阿さんはどこでこうなっちゃったのかなあ。頭にチップを入れることを受け入れた経緯は、見たいなと思う。
そんな唯阿さんをランペイジ不破さんがこれで3話連続で撃破。
唯阿さんが自分の意思で立ちあがるようになるまで何回でもって言ってたけど、つまりは毎回これをやるってこと?(汗)
だとしたら、戦い毎に唯阿さんの変化が何かしら見えてくるといいな。
あと、
そろそろ別の相手、別の形での戦いも見たい。vs迅とか。
そして天津はここのところ、或人や不破にボロ負けして、捨て台詞を吐いてヨロヨロ立ち去るのがデフォルトになった。
次回もヒューマギアのお仕事復帰的な話になりそうだし、破壊しようとする天津とそれを守ろうとする或人との攻防って感じだろうか。
お仕事5番勝負よりはストレスたまらないだろうし、ホッとしている。
私は以前は、或人にいつか人間だけでなくヒューマギアも守れる仮面ライダーになって欲しいと思っていた。
けど、ヒューマギアと或人の立ち位置が変わって、今や或人はすっかり、人間からヒューマギアを守る仮面ライダーになってるように見える。
ヒューマギアの著作権は飛電という会社ではなく或人個人に帰属し、ヒューマギアを開発製作していたのは人間ではなく博士ヒューマギア。或人が飛電インテリジェンスを辞めた事で、そこで働く人間の社員達は商品であるヒューマギアとどう関わりどんな思いを持っていたのか全く描かれることもないまま、現時点ではヒューマギアとの繋がりを完全に絶たれたも同然になった。
今でたかだかは社長として半年関わった或人だけがヒューマギアの行く末を真剣に案じているようにすら思える。
途中でヒューマギアを社員と呼ぶようになったことからも、少なくとも人間の社員への描写は割かず、ヒューマギアと人間との関わりも或人以外は直接の購買ユーザー等に集約することにしたんだろうか。
それなら文字通りヒューマギアしか「社員」のいない今の形の方が、すっきりと描きやすいのかも知れない。
ところで或人はこれからどうやって会社としてお金を稼いでいくんだろう?
今回で言えば漫画家からお金取るんだろうか?
販売済みのヒューマギアが使用停止になったのは飛電インテリジェンスの都合。
それを別会社になったからと言って、ヒューマギア止められて困っているユーザーにもう一度ヒューマギアを復旧してお金取るってのもなんだかな、だと思うから、いずれはヒューマギアを<社員>として共に何か事業を起こすのかな?