キラメイジャー5話感想: 暴走孫バカ爺と大人な孝行孫だった
冒頭、eスポーツの対戦会場で簡潔でテキパキした指示でチームを統率する為朝。
言葉に曖昧さがなくて、指示を受けた人が迷わないんだろうな。前回「ネアンデルタール」か「ネアンデルタール<人>」かに細かく拘ったのもそういう意識から来てるのかもしれない。
今回は為朝のメイン回。
これまで彼が充瑠とかにがんがんキツいこと言ってる時は、
「いやこういう奴は必要なんだ!損な役回りだけど実は一番全体を見ているんだ!」
みたいに擁護しちゃるぜ的なモチベーションがぐわっと沸いてくるんだけど、全編ストレートに格好良さ全開で、むず痒くてどう反応して良いかちょっと困る。
なんというか、これまでの扱い的に今回もうちょっと、為朝の欠点にももう少しスポットが当たるかと思っていたもんで(苦笑)。
今回の怪人はジョイスティック邪面。もうゲームの達人為朝のために用意された感満載で、万力を用意され番組のほぼ8割挟まれっ放しで大変な目に会った時雨は文句言ってもいいかも(笑)。
で、早速ロックオンされ操られる時雨。
次回メイン回の小夜もだけど、普段大人でリアクションとかが静かめで目立たなくなる恐れがあるタイプだから、こうやって早くからトラブルに巻き込んで崩していく感じかな。
これを打開するために為朝が各メンバーに的確な指示を出し、連携プレーからキラメイショットでバレットをジョイスティックの隙間に打ち込んで動きを止める。
ああいう発想がすぐに出るのはゲーム人ならでは、かな?
子供の時にゲームやりながら食べてたポテチのかけらとかが入り込んで操作出来なくなって困ったりとか、迂闊なチームメンバーが似たようなことやって大迷惑被って激怒した経験とかあったりして。
これを見ていたショベ爺。もともと充瑠の良さや凄さはちゃんと認めつつも、よりリーダーに相応しいのは為朝だと主張していたけどそれが確信に変わり、革命を起こすとか物騒なことを言い出した。
前後して地球でもキラメイストーンが3つ発見されたのだけれど、まだ未熟だから魔進化出来ないと言われていたのに、充瑠をこっそり呼び出して騙し、魔進化させてしまう。
出来上がった3魔進を引き連れて為朝をリーダーとする新戦隊を組むのが狙いだった。
これ、もしかして途中で梯子を外して充瑠が勝手にやったと偽り
「ほ~ら勝手にこんなやっちゃいけない事をする奴はリーダーには相応しくないんじゃあ~」
とか追い落とすつもりなのかと疑ってドキドキしたけど、そんな腹黒な奴なはずがなかった。
良かった疑ってごめんショベ爺。
為朝には小さな頃、祖父にキツく当たったらその夜に倒れて亡くなってしまったという辛い経験があって、だからショベ爺にだけはこれまで他メンバーに言ってきたようなキツいことが言えない。
意外だった。為朝はショベ爺に自分の祖父を重ねていたのかな。
そしてそれを語った相手が瀬奈。前回は冒頭盛大に言い争いをしていたけど、今回は為朝が腹を割って自分の痛みをさらけ出してる。
小夜と時雨の、ちょっとした言葉だけで通じ合えそうな年上コンビも良いけど、こちらのコンビもわりと遠慮なく何でも言い合えて、小うるさいけど面倒見の良い兄ちゃんと天真爛漫な妹みたいで可愛い。
時雨にショベ爺をガツンと叱るよう促されても、為朝は煮え切らない。
正面から叱るのではなく、充瑠がリーダーに相応しい活躍をしたら認めるよう約束させる。
そして、ジョイスティック邪面の能力を逆手に取って、彼を押さえ込んで充瑠を操り、変身もしてないのに超絶アクションで、苦戦するキラメイイエロー(代役ん)を助ける映像を見せ、ショベ爺を騙して充瑠が為朝よりもリーダーに相応しいと納得させる。
エピソード0見た時は、他の石は戦士のどこに惹かれたのかなんとなくわかるというか違和感ないけど、ショベ爺だけは一見やんちゃで生意気なゲーム小僧為朝の何を気に入ったのか分かりづらかった。
で、厳格で小うるさい頑固爺とヤンキー孫の組み合わせで行くのかと思っていたけど、蓋を開けたら暴走孫バカ爺と大人な孝行孫の関係だったのが意外だった。
戦隊の内紛を解決する駒に出来ると見切られてしまったジョイスティック邪面が哀れ(笑)。為朝の芝居に良いように利用された挙げ句にあっさり倒されてしまって、怪人の強さ的にそれで良いのかと思ったけど、その代わりに邪面獣が、動きが変な癖に、妙に強い(汗)。
UFOキャッチャーの腕でビルを釣り上げ投げつけたり(中に人いたら絶対死んでる・・・) キラメイジン自体も持ち上げて投げつけたり。妙にコミカルで大笑いしたけど実は大ピンチ。
そこに、誕生したばかりの赤ちゃん魔進達が駆け付け形成逆転。ショベ爺の暴走は結果オーライで大ピンチを救ったってことかな。
可愛くて見ていて楽しいけど、まだ魔進化しちゃいけないって言われてた理由に今後スポットが当たることはあるんだろうか。
ショベ爺の暴走を詫びるマブシーナに為朝は
「俺の本音を一番分かってくれてた」
とこっそり打ち明ける。他メンバーには内緒だと。
赤石に選ばれたというだけでリーダーになった充瑠より、資質は上だという自負もなりたい気持ちも持ってるけど、チームのためにそれを抑え、自分の本音を代弁してくれるショベ爺を納得させるために「充瑠に助けられる自分」という芝居を打った為朝。
兄であるというだけで王位についたオラディンの駒にされ、兄より優れていると自負する魔進製作を封じられたことを恨み、裏切って兄を殺し祖国を滅亡させたガルザ。
っていう対比を感じた。
もっとも、為朝もリーダーではなくても、言わば参謀として自分の作戦スキルとかは存分に発揮出来てる。
加えて自分の本音を辺り憚らず代弁してくれるショベ爺がいたから「年下の充瑠に助けられる(劣った)自分」みたいな芝居でチームの崩壊を防ぐ事が出来たのかな、なんて思う。
自分が魔進を創れる事を姪すら知らず鬱屈を貯め続けたガルザとは、そこが違うのかな。
でも、為朝の私情が抑えられたままで終わるのか、ショベ爺も交えてもう一波乱あるのかは気になる。
ここまでメンバー達の「キラメキ」を見てきたけど、5人とも単に自分の<好きなこと>を貫くだけでなく、根底に他者への思いやり(瀬奈も先輩のためにも走りたかった)が感じられるのが気持ち良い。小夜はメイン回これからだけど、そもそも仕事が「人助け」だし。
もしかしてそれがあってこそのキラメンタルなのかなあと、自分の才能発揮を一切許されなかったガルザと比べて思ったりした。