仮面ライダーゼロワン28話感想: 「俺がルール」だったはずなのに
不破さんパートがいよいよ動き出したのがワクワクして良かったけど、反面お仕事勝負パートが個人的に過去最高にキツかったんで、そっちは後でさらっと。
先に不破さんパートについて。
今回は不破さんの秘密が明かされて、頭の検査だけしてないとか、時々記憶が飛んでるっぽいのとか、ちょこちょこ怪しまれていた部分が回収された。
・ショットライザーで変身するには人工知能を内蔵したチップを頭に埋め込む必要がある。
・不破さんはその実験体だった。
・その人工知能が滅亡迅雷にハッキングされて時々操られていた。
ってことらしい。
人の頭に勝手にチップ埋め込んで実験体にするなんて、物凄い人権侵害だし、犯罪行為。
なんで天津がのうのうとそれを明かして大手を振って歩いていられるのか。
「野良犬はもうすぐ私達の飼い犬になる」という言葉から察するに、明かしてもザイアの不利になるように動くことはないってこと?
もしかして不破さんが要所要所で不自然なほど<犯罪者>天津を追い詰めきれないのも、チップの影響って考えるべきなのかな?
他にも病院で頭の検査を頑なに拒んだのも、チップを見つけられないように人工知能が誘導していたってこと?
こないだあっさり滅のキーの持ち主を滅と迅にゲロった(涙)のも、人工知能がハッキングされたから?
とか、このあたりは納得出来た。最後のは、むしろほっとした(苦笑)
不破さんの頭にチップが埋め込まれたのは、中学生だったあのデイブレイクの時の可能性が高そう。
あんな大量のヒューマギア達に襲われて、あの後どうやって逃げ延びたのか凄く不思議だったけど、瀕死状態でザイアに回収されて施術されたのかな?
でもそもそも襲われた記憶すら捏造されたのかもしれない。
チップをハッキングされたせいで、無自覚のまま操られ滅の逃走を手助けさせられたんだとすると、記憶だって操作できそうだし。
もしヒューマギアへの憎しみすらチップによって植え付けられていたんだとしたら。
不破さんが「俺がルールだ」と全て自分の意思で決めてきたつもりだった人生が、実は何もかも仮面ライダーバルカンに変身するために誘導されたものだったとしたら、相当にキツいなと思う。
チップは唯阿さんの頭の中にも埋まってることになる。
唯阿さんが全く天津に逆らえないのは、チップが逆らおうとする意思すらねじ曲げられてるのか、それとも逆らったらどうなるか的な恐怖とか脅迫の意味合いがあるのか。
唯阿さんが天津に逆らえない理由がある程度推測出来そうでちょっとだけ安心したけど、そもそもなんで頭にチップ入れることを受け入れたのか、そのあたりは今後描かれるんだろうか。
チェキラに対して仮面ライダーバルキリーではなく、公開討論会を民衆に対する新商品発表の場に変えるマネキンとして、命じられるままレイダーなんかに変身したのも、なんともやるせなくて。
バルカンとバルキリーに変身するのには頭にチップが必要なら
たぶん同じザイア製のサウザーに変身する為に天津もチップ内蔵してるんだろうな。
ベルトなら不要とか言わず、天津もきっちり埋め込んでいて欲しい。でなきゃ、不破さんも唯阿さんも哀れな気がする。
でもゼロワンは?
人間側で唯一ザイアが関わらないライダーシステムだけど、プログライズキーを使って変身するのは同じ。
前にも考えたことあるけど、もしチップとか何らかのデバイスが必要で或人にも内蔵されてるとするなら、埋め込まれたのは赤ちゃんの時かな。
両親が恐らく同時に事故死した時、まだ赤ん坊の或人がどこにいたのか気になってるけど、もしかして一緒に事故に会ったのでは?と。
息子(娘?)夫婦を失った是之助が、忘れ形見で瀕死状態の或人だけでもと、秘かにチップを埋め込んで助けたとしたら?
その結果、ゼロワンに変身可能な唯一の人間になったから、遺言で社長&ゼロワン装着者に指名したのかな?とか妄想してみたりする。
滅亡迅雷サイド。
天津に倒されかけた不破さんを滅が「アークの意思で」助けた。
迅がまず「解放」したいのも、たぶん不破さん。
とすると、アークは不破さんを<亡>として滅亡迅雷に取り込みたいのかな?。
自分が滅の逃亡に加担する映像を見せられ混乱して逃げ出す不破さんを見送る迅の目には、敵意とか嘲笑とか企みみたいなものは感じられなくて、本心から仲間になりたそうにも悲しそうにも見える。
なんだか雷を思い出した。無自覚のまま情報漏洩させられていた雷と、無自覚のまま滅の逃走を手助けさせられていた不破さんは同じ立場だったのかもね。
そして迅はハッキングされて暴走した雷を「雷兄ちゃん」と呼んで慕ってたっけ。解放した不破さんとも親しくしたそうな感じだったけど、来週どうなるのか、こちらは楽しみ。
(ここから辛口)
お仕事5番勝負のラストは、デイブレイクタウン再開発計画について住民投票で是非を決めるための演説対決。
まず或人がなぜ今改めて、未だ滅亡迅雷が跋扈するデイブレイクタウンを再開発したいのか、が分からない。
これだけヒューマギアの危険性が世に知られた後に、いくらセキュリティが改善されているからといって、しかもヒューマギアは法律で政治家になれないのに、なぜいきなり「自治」をさせようとするのか。
政府も絡んだ凄く大がかりなプロジェクトなのに、これまで劇中何も描かれてなかったところから急に降って沸いたような感じで、個人的に置いてきぼり喰らってる。
その事について政府の人と話し合う或人の映像はこれまでになく「社長」っぽくて結構良かったから、なおさら彼がこの計画にかける思いや、政府担当者とのやりとり、それからせっかく副社長ともお互いの理想やビジョンを交えていろいろ話し合ったであろう場面をもっとちゃんと見たかった。
でも、こんな大事なプロジェクトの是非を決める住民投票に向けた演説の人選から、選んだチェキラがマギアになってしまうまでの流れが、ごめん、ついていけない。
なぜ演説対決が畑違いのラッパーなのか。生け花対決では一輪サクヨは生け花のプロではなかったけど花を扱うプロで生け花はラーニングで対応出来た。でも今回はかけ離れ過ぎていて。
そんで、いくら人間どもの醜いやり口を突きつけられたからと言っても、目もモジュールも青い=ハッキングされてない状態で「人間は滅ぶべき」と宣言し、自発的にゼツメライザーを装着してしまったら、個人的にはもう致命的にアウトなんだよ・・・・(汗)。
私が住民でも断固NOと投票する。
ちょっと悪意を向けられたら操られなくても人間全部を滅ぼすと宣言して暴走してしまうヒューマギアに「自治」なんてさせられる訳がないよ。
この勝負の結末がどこに向かう5か分からないけど、或人が勝っても負けても、この先ヒューマギアを好意的に見られる自信がないし、いくら或人が「チェキラは悪くない!」と言っても虚しく思えてしまう。
滅びるべき人間の中には或人だっているのに、チェキラは或人も滅ぶべきだと「自分の意思で」思ったの?
杉原監督、ひょっとして、もしかして、目とモジュールの色を赤く変えるの忘れてない?
むしろそう思いたい(涙)。