キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパト: 「東映特撮ファンクラブ(TTFC)会員が選ぶ東映特撮ファン大賞2019」 受賞おめでとう、だけど・・・(超ネガ)

東映特撮ファンクラブ(TTFC)会員が選ぶ東映特撮ファン大賞2019」

に「ルパパト」42話のルパンレッドとパトレン1号共闘シーンが選ばれたとのことで、今回はこのニュースのことについて。なおリリースはこちら↓

 

http://www.toei.co.jp/release/mobile/1215865_973.html

 

本当は今回は、公式発表されたリュウソウジャーVSルパパトについて書くつもりだったけど、この報を聞いた時に、一度は抑えていたつもりの感情がどうしても湧き上がってきてしまったんでこっちを先に片付けないとどうにもならないと思った。

おめでとう的な記事とはほど遠いかなりネガティブな内容なので、苦手な人は読まない方が良いかも。

そういうのは一旦終わりにしたはずだったけど、リュウソウジャーVSの告知も来たりして気持ちが揺さぶられた後だったから、完全決壊して止まらなくなってしまった。ごめんなさい。

 

■共闘シーンを成立させた舞台装置

おめでとうございます。

良かった。

素晴らしい。

 

素直にそう喜んでだけいたい。ファンなんだから。実際に喜んでいる気持ちも間違いなくちゃんとあるんだよ。

だけど。

この記事とダブルレッドのカットを見た時に私にはまだ、2人の足下でノエルが踏み台になっているな~と思えてしまった。

それって詳しくは以前、

 

ルパパト: ダブルレッドの足の下 ~ノエルが人間ではないことの意味~(長文)       

https://kiuix.hatenablog.com/entry/2019/04/13/210155

 

で長々書いているし、これから書くことも重なる部分も結構あるんで申し訳ないけど、改めて。

この展開を陰で身を削ってお膳立てしていたのはノエルだから。

 

まず、ゴーシュに双眼鏡で体を見られたことに狼狽えて、それがきっかけでビークルを奪われ大ピンチになるという失態を犯す。

更にコグレに前線に出ないよう叱責され、奪ったビークルの力で最強の敵となったデストラとの快盗&警察の死に物狂いの共闘をギリギリまで引っ込んで見ているだけに甘んじる。

普通の作劇なら、失態の挽回のために人一倍頑張るし見せ場を貰える展開になると思うけど、あくまでダブルレッドの共闘をガッツリ見せるための舞台装置に徹していた。

 

そうまでして隠した正体は、千年も前に異世界から逃げてきた種族の子孫で今は人間と見分けがつかない、という別に隠さなくてもどうってことないもので、正直拍子抜け。

つまりノエルは隠さなくても良いことを深刻に気にしていたずらに事態を悪化させただけってことになる。

 

人外設定がもっと「そりゃ隠さなきゃいけないよね」っていう説得力あるものだったら、こんな気持ちにはならずに素直に喜べてたのかな。

決して共闘シーンの素晴らしさを否定するつもりはないんだよ。

でもいくらダブルレッドは主人公だからと言っても、その完成度や熱量、全力投球ぶりと、こちらの人外設定のしょぼさとのあまりの落差が悲しい。

公式完全読本で、当初43話44話は東雲悟のことだけの予定だったけど、ラストに向けてノエルのこともやっておいた方が良いだろうということになって急遽ねじ込んだってことを知った後だと余計にね。

 

■人外設定への繰り言

こんなことなら個人的にはノエルの人外設定なんかいらなかったとさえ思う。でもスタッフさんには必要だったんだろうね。

だってノエルの人外設定って、終盤のピンチやトラブルの発生元をノエル1人に集約して、かつ必要に応じてそれを打開するための両戦隊の共闘からノエルを除外するために使い回されたから。

でも反面それ以外の物語上の意味があったとはとても思えない。

だからそのためだけに急遽人外設定にされたのかとすら疑っちゃうよ。

 

それまで「ひょっとしたら人外なのでは?」というような伏線的描写もないし。

18話でアルセーヌ・ルパンがコレクションを改造したと語られた後にデストラが

「(快盗や警察のビークルは)人間が手を加えたものだ」

って言っていて、直後にノエルが改造主として登場したから、アルセーヌもノエルもてっきり人間だと思ってたし、スタッフさんもその頃はそんな想定だったんじゃないの?って気もして。

一番大事なルパンマグナムを自分やノエルが使えないよう改造して隠したの?って違和感もあるし、元木さんも38話時点でもまだ人外だと知らされてないしね。

42話の共闘シーン、もしノエルが人間だったらどう作られたんだろう?って思ったりする。

 

■積もり積もって

それでも本放送見た時には普通に受け入れて見てた。っていうより素晴らしいと思い超感動してた。

その時は「どんな秘密があるんだろう?」ってわくわくしてたし、きっと「そりゃ隠さなきゃいけないよね」って思える説得力のある背景をドラマで見せてくれると、期待してたから。

それは44話で裏切られたけど、それでもまだ希望はあった。最終回までには人外設定も絡めてルパンコレクションを集めた先の願いの結末、私にとっては本筋のドラマを展開してくれると信じてたから。

もっと言えば、ノエルは両戦隊を結びつけようと「一番茨の道を歩いていた」んだから、そのことへの労いがきっと誰かからあるはずと思い込んでいたからだよ。

 

だけどその後も「あれもノエルが悪い、これもノエルのせい」のオンパレードの末に、頼みの綱だったノエルへの労いもないどころか責められ胸倉つかまれて終わり、ビークルに絡んだ活躍は決してドラマにはせず印象付けず超短時間で片付けられ、願いの結末もVS続行endのためにぶん投げられて。

単に42話の共闘シーンの使われ方だけじゃなく、そういう後半特に終盤の扱いに受けたダメージが時間が経つほどに積もり積もってしまった。

で、どうしてなぜノエルばかりとぐるぐる考え自分なりに振り返って分析したりする中で、スタッフさんにとってノエルとは、キャラクターというより作劇上都合上の悪いことのしわ寄せを1人だけに集中させる調整弁であり舞台装置だったのではと。

そう思わずにいられなくなってしまってもう、今ではあの時と同じ気持ちでは視られないんだよ、ごめん。

ノエルのスピンオフが叶わない限りたぶんもう、この気持ちは変わらないのかもしれない。

 

■いつもトロッコの選ぶ先に

こういう時に持ち出すのは適当なのか?って疑問はあるけど、私はノエルのことを考える時に、最近よく聞く「トロッコ問題」を連想する。

 

ブレーキが効かなくなったトロッコが猛スピードで走っていて分岐点に 差し掛かった。真っ直ぐ進んだ先には5人の作業員がいてこのままだと避ける間もなく轢き殺されてしまう。

手前の分岐点で進路を変えれば5人は助かる。でも変えた先には1人の作業員がいて、そちらを轢き殺してしまう。数の多い方を助けるために1人を犠牲にするのは正しいのか。

 

ってやつ。

今の私には、ノエルはいつも大勢を守るために、より優先すべき方を守るために、選ぶ側の痛みはあったとしても、躊躇なく轢き殺される1人に選ばれ続けてたんじゃないの?って思えてしまってならない。

 

・VS続行が主題だから

・両戦隊のバランスが大事だから

・なかなか共闘しない両戦隊が間違ってると思われたくないから

・主人公はダブルレッドだから

・テコ入れでパトレンを強化出来ない物語上の責任を一番負わせやすいのはノエルだから

・パトレンは強化できず活躍が制限されてしまうからせめて好感度は

・共闘にはノエルがいない方がスッキリして思い切り熱く感動的に描けるから

・仲良くさせたデメリットを強調した方が悲恋の切なさが引き立つから

・OPにいなかったから

・VS続行で終わりたいから

ノエルひとりの描写にさえしわ寄せしておけば、他のキャラクター皆が、物語が、番組が助かるって。

 

他にたぶん

・両方に属して両方に変身出来て出番多いし最初に持ってる情報量的にもアドバンテージがあって有利なんだから

・棚ぼたで強化貰ったんだから

ってのもあるのはわかる。

だけどそのために「バランスその他の事情で活躍や貢献には極力スポットを当てず、マイナス面はガッツリアピール」って見せ方を徹底されたと感じるから、属性を盛られすぎるのも実は損な場合もあるんだなって、この番組を通してしみじみ実感したよ。

 

■ご褒美ください

「ダブルレッドの足の下」で私はこう書いた。↓

終盤のピンチ&トラブルメイクの原因という損な役回りをこれほどノエル一人に集約して出来た物語が感動を与え評価され、ギャラクシー賞も受賞したというのなら、そしてVS本編にはノエルの盛り沢山な設定を十分掘り下げる尺もなくバランス的にも無理だったと言うなら、今度はスピンオフという形でノエルにも還元してほしいと思っているんだ。

 

その気持ちは今回のことで、物凄く強くなっている。

だけど一方で、ノエルを踏み台にしたあの場面が本当にここまで高く評価されているんだって突きつけられると複雑な気持ちだ。

ノエルがこれまで書いてきたような形で舞台装置になってることに拘って辛さも感じているのはきっと私含めて少数派なんだろな・・・としか思えないから。正直疎外感もある。

その分、同じか近い気持ちの人もいると知らせて貰えるのは本当、ありがたいことなんだよな。

だけどというかだからというか、こんなおめでたいニュースなのに心苦しいけど自己満足でも蟷螂の斧でも、もう一回声を上げさせてほしい。

今回大賞を取った42話の共闘シーン成立のために損な舞台装置の役割に徹したノエルの功績は大きいと思わせてください。

そして、最終回後の今も、VS続行の舞台装置として、死者を生き返らせたいという平成仮面ライダーのラスボスみたいな願いを叶わないまま持たされ、快盗たちを自分の願いに縛り付け続ける役目を背負う彼に、スピンオフでその願いに決着をつけるというご褒美をください。