ルパパトキュウ感想 (ネタバレあり: ノエルについては辛口)
とりとめなく思いつくままポイントごとの感想を。全体的に面白く楽しかったけど、最後のノエルに関しては辛口入ってるので嫌な人は読まない方がいいかも。
「ルパンレンジャーvsパトレンジャーvsキュウレンジャー」
やっぱりタイトル長い。長すぎる。
人数もルパパト7人+キュウレン12人+みっちゃんで計20人。
人数だけなら恐竜のレジェンド戦隊が集合したキョウリュウゴーバスもあるけど変身前の登場となると最多かな?(199ヒーローは別枠として)
全員一列に並んでる所を撮ろうと思ったらそりゃめっちゃ引きの画になるよね。一人一人が小さくなってて笑った。これを60分足らずで濃淡あれど全員捌いてみせる荒川さんさすが荒川さん。
■時系列
魁利がスーパールパンレッドになった→39話以降
外出時の初美花がジャケットではなくコート、他のメンバーも冬仕様→40話以降
パンフによればノエルが異世界人と知られる前→42話以前
って感じかな。ただしパラレルね。後述するけど絶対絶対パラレル。
■ジェラ太郎
えーとゴーカイ24話で駆け落ちしたジェラシットとタコ焼き屋のおばちゃんとの間に出来てた子供(改めて子供番組とは思えないぶっ飛んだ展開だな)?とか思って戦慄。髪生えてるし体型もジェラシットより人間ぽいし。
ジェラシットはゴーカイ本編の14話と24話(どっちもカーレンジャーの浦沢義雄脚本)に登場して強烈なインパクトを残し、その後VS系のお祭り作品にもちょくちょく出てくる人気怪人になったけど、初登場した時にはまさか彼の息子?が8年後のVSに登場するなんて思いもしなかった(笑)
■恐竜や
恐竜やネタすっごく久しぶりに見た。アバレンジャーの活動拠点のカレー屋さん。アバレが絡まないVSでも荒川さんが脚本書いたマジレンデカレン、ゲキレンボウケン、ゴーオンゲキレンでは必ず出てきたこだわりのネタ。ゴーカイギャバンも荒川脚本だけどさすがにそこでは出せなかったのかな?ゴーカイのカレーといえばサファリだし。
カレー食べながら尻尾を気にするスティンガー達が可愛かった。
■キュウレン
キュウレンは基本苦手な戦隊で特にラッキーが合わなかったんだけど荒川さんのラッキーやキュウレンは好き。途中からはそれを思い出して安心して見てた。
彼等はまともな警察なんてない世界から来て、Vシネは見てないけど、デカレンやギャバンとの交流で「警察ってありがたく貴重なもんだよな」と思ってるから、別の世界の警察のあり方を凄く尊重してくれる。ラッキーの言葉の端々にそれが感じられて気持ち良かった。それを感じ取れて不器用でも誠実に接する圭一郞も良いな。
■妄想女子会
変身前は殆どドラマに関わらなかったラプターがあれ一発でばっちり印象付けられるし女子メンバーの集合可愛いし両シェフの競演も見られて、ホントこういうの荒川さんの趣味と実益が爆発していて上手いなあと思う。良いもん見られました。
■みっちゃん
全員集合のシーンになぜか混じっててびびった。しかも「何でいる?」「誰?」みたいな疑問やツッコミを勢いで振り払い、戦うだけ戦って、野生大解放したらそのまま駆け抜ける。そして何故かラストで体育座りしてる(汗)。
使われ方はかなり賛否両論出てるみたい。
私は許容範囲。というか笑った。感触はGロッソでアドリブしまくってたハイテンションのみっちゃんに似てるかな?
みっちゃんは本編で長くコミュニケーションに問題あったけど、最終回ではジューマンと人間との共生推進の最前線に飛び込んでいってた。そこで揉まれ、「帰ってきた~」ではサイジューマンの恋人も出来て、そんな自分をもっと試そうといろんな所に首を突っ込もうとして振り切ってる最中なのかなと。パンフの國島さんインタビューでも「コミュニケーション能力を高めようとして、セミナーのようなところへ通って、ちょっとヘンなコミュニケーションを学んで」とかご自身でも解釈してて笑った。
みっちゃんはとにかくプラスでもマイナスでも斜め上でも下でもほどほどに収めるという事が出来ない人って印象。本編登場から最終回、「帰ってきた~」までその成長過程を、マイルストーンを地面にぐりぐりめり込ませるような、下手するとジューランド関連の描写に勝る丁寧さで見せられた結果、今はもはや本編中とはかけ離れたキャラになっていたかもしれないとしても、そこだけはぶれない人だと思う。
■快盗と警察
自分達を誘拐した相手にノリノリで協力する快盗に少し違和感あったけど、真の狙いは警察のVSビークルって事で良いのかな?
普段3人の閉じた世界で完結しているから、警察以外の全くの第三者と協力しあう姿が意外というか他のVSより新鮮に感じた。
警察は、魁利達に騙され、コグレとノエルの芝居で装備を差し出す所は、面白かったんだけど流石に気の毒にも思った。コミカルに描かれてはいるけど究極の選択を迫られたんだからなあ。目の前の人命か、今後も確実に襲ってくるギャングラーの殲滅か。装備のない悟のいた時代思い出して、魁利達を助けるためにあの頃に戻ると覚悟したのかと思うとちょっと胸が痛かった。魁利達3人の無事にほっとするところもね。
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■ノエルさん(ここから辛口)
CMの「魁利くん達が誘拐された?」って台詞はなかったけど、コグレさんとノエルの芝居は面白かったし、執事ノエルも貴重。だからこそもどかしい。
快盗が誘拐犯の要求に便乗して警察の装備も巻き上げようとするのはわからんでもない。それに気づいてコグレがノリノリで加担するのはごく自然。
でも
ノエルさんまで本気で圭一郞達から装備を巻き上げようと考えたの?
快盗と警察の両方が必要と考えて共闘させるために日本に来たのに?
装備を奪われて変身出来なくなった警察を快盗と共闘させたいってこと?
時系列的にもあの38話の後に警察から装備巻き上げたいと考えるかな?
私は公開前は、終盤やたらとピンチ&トラブルメイク演出に使われた「超重要設定」のはずのノエルの人外コンプレックスが、異世界人うじゃうじゃのキュウレンチームと接触した時に焦点が当たっても当たらなくてもモヤモヤするかなあって気になってたんだけど、個人的にそんなの吹っ飛ぶくらいのクリティカルヒットになっちゃった。
お祭り作品だから細かいところまではきちんとしなくてもって考えもあるとは思うけど、今の私には凄く大事なポイントになっちゃってるんだよね。ノエルの平和への思い、警察官としてのスタンスってノエルのキャラの核の半分だと思うし、過去の記事↓
ルパパト: ノエルは警察のために何をしたのか
https://kiuix.hatenablog.com/entry/2019/04/06/162842
なんかでも書いて来た通り、私は警察官としてのノエルの見え方に凄くこだわってきたから。
荒川さんがルパパトに参加したのは19話までで20話で登場したノエルを書くのはこれが初めて。やたらと「オーララー」を連発させてたのはそれ以外のキャラを掴みにくかったかもだし、ノエルの「(ビークルを日本支部に送ったのは)痛恨のミステイクだ」を事実だと受け取ってるのかな?って思った。全話見ても見方が分かれてる所だから仕方ない。
だけど宇都宮PもこれにGOサインを出したんだよね。それに凄くがっかりするし、もしや公式見解はそっちなの?と思って血の気が引いた。
でも何度も書いて来たようにノエルは平和も共闘も望んで警察も必要なはずだしグッティの梱包が誰に可能で何のために必要だったかって問題もあるから納得できない。ノエルが送ったのは本心だと思っていると何度でも言う。
モヤモヤする一方で、コグレとのコントは確かに面白かったし快盗の警察チェンジという本編にはなかった見せ場にも繫がった。
悪魔「それが見られなくなっても良いの?ねえ?」
私「ぐぬぬ、卑怯なっ・・・・ええい今回は、今回は見逃しといてやるわっ!パラレル、そうパラレルだからなっ」
みたいな心境。
ちなみにパンフのノエルの紹介には「その目的は自らの恩人であるアルセーヌ・ルパンを復活させることだった。」と書かれていて、平和への思いの事は書かれていない。
まあパンフは文字数の都合で省略されたのかもしれないし、他にも「ギャングラーの残党ドン・アルカゲ」なんて誤植もあるから校閲も怪しい可能性もあるんだけど。
キャラクターブックDUEのインタビューで宇都宮Pは、元木さんに最初の頃に「ノエルは~本気で世界を平和にしようと願っている~と説明しました」って言ってるから、ノエルの基本設定もぶれてないはず。
ただ、もしかしたらルパパトキュウのノエルは、その方が物語上都合が良いからとアルセーヌの復活しか望んでいないパラレル人格にされた可能性もないかなと。上で書いたように時系列的にもおかしいし。もしくは意識される事なくそのあたりがスポッと抜け落ちたとか?
ノエルさんの使われ方ってこういう厄介なとこあるんだよね。物語の面白さの為にキャラが踏み台になってるような所。
だからもうこれはノエルから制作陣への貸しなんだって考えることにした。その貸しはノエルのスピンオフ作って貰う事で払って欲しい。そのくらいは十分貯まってると思う。
その後押しになるなら、文句は言ったけど円盤は買うから(結局またノエルのスピンオフ希望で〆るのかよ)。
<訂正>
文中に
加藤監督もノエルが本音の一端を見せる29話までには本編のローテーションを離れてるから、
という箇所がありましたが、実際は34話が本編最後の担当回でした。
私自身も事実誤認して申し訳ありません。
お詫びして削除します。