キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパト50話感想: 氷が解けて願いが叶ってノエルさんも少し報われて

1年間かけてきた、魁利達3人の願いが遂に叶う回。物語としては1年。魁利達が快盗に費やした時間は2年。

1年で1番寒い冷え冷えとした冬の空気感の中で凍らされる形で消えた大事な人達が、季節は同じ頃でありながら氷が解けるという形で戻ってくる事でなんとなく春の訪れも予感させる、というのは物語のスタート時期と上手くマッチしたなとも思う。

OPの氷漬けにされた魁利達が象徴するように、大事な人達と一緒に魁利達の心も凍り、ザミーゴを倒した直後に、囮となり凍らされ転送された透真初美花が戻ってきた事で、大事な人達も同様に戻ってきたと確信する魁利達の心も解き放たれた。それがあのダイブと野原に転がる姿。

何かこれまで見たどんな戦隊より、時間を積み重ねた他人事でない痛みを伴ってリアリティーを感じさせ、感慨深い。

と同時に春が別れの季節でもある事が、ルパパトという物語との別れが近づいている事をより強く感じさせて切ないよ。終わったらどうしよう私。

 

 ザミーゴを倒したギミックは、氷の銃の解凍機能とトリガーマシンの金庫を閉じる能力。

どちらも唐突さはあり、事前にある程度示されていればと思わなくもないけど私には許容範囲。特に後者は、金庫を明けるダイヤルファイターに対しトリガーマシンに何もないのは2戦隊の初期装備に格差を付けているのではと引っかかっていた事もあって、むしろ納得だし嬉しかった。

閉じる機能は物語の中での使い方も難しく、ノエルはこれを警察には黙っていた事になるけど、仮に教えられてたとしても警察にとっても快盗の邪魔以外に有効な使い方が私には思いつかない。強いて言えばヨッシーだろうか。コレクションを取り出せないようにすれば永久に善人のまま、但し快盗はお手上げ。

また、この機能を仄めかした途端、今の時代だと速攻でザミーゴ攻略の鍵とネット上で特定されてしまって驚き半減だっただろうしね。

 

戦いの前に「あんな約束クシャクシャのポイだよ」と言いつつ、積み上げた3人の絆と信頼を土台に、凍らされ転送されるリスクを承知で2人が金庫施錠を担当し、1人残された魁利が攻撃手段を封じられたザミーゴにトドメをさすという、「たとえ誰かが斃れても遺った奴が願いを叶える」を冷徹な戦術としてきっちり遂行したんだな快盗達。クシャクシャのポイにしたとは言え、2年間徹底的に「約束」として意識に刷り込んで来たからこそ、一時的にしろ自分が仲間がそんな状態になるという恐怖を乗り越えて取れた作戦だったかもしれないと思う。

 

今回のノエルさん

1年見守ってきた魁利達の大願成就は感慨深いんだけど、同時に私の頭の中をそれと同じかそれ以上に占めてしまっているのがこの人の動向。

ザミーゴ封じの策を思いついた時、ノエルさんは最初に喜ぶでもなく興奮するでもなく辛そうに俯いた。警察を助けるための行動が結果的に快盗の指名手配に繫がってしまったばかりなのに、今度は快盗達の願いを叶えるために警察を危険に晒しかねない。いや確実にそうなる。初期装備でドグラニオ様に立ち向かえって事だから。

自分はまた片方を助けるためにもう片方にリスクを負わせるのか、と思ったんだろうか。

それでも、たぶんノエルさんは棒立ちだったルパンカイザーが気になって、グッテイの調節をしながらあの時のコックピットの中の様子を聞き、3人の大事な人がまだ無事だけどヤバくて魁利達が焦ってると知り、同時に自分のせいで指名手配の彼らがこれ以上快盗を続ける困難さを考えて、ここで一気に決着させてあげようと無理を承知で圭一郞に頼んだんだろうね。

だけど助けたいのに何も出来ない悔しさを抱える圭一郞には実は渡りに舟だったと思う。更には不利益を承知で貸してくれた事に快盗が応え、自分達のビークルを警察に渡す、つまり互いのビークルを交換して戦うという共闘の形に繫がった。

ノエルさん本人は後方に転がって見ていたし、心情的には魁利達が心配でそれどころじゃなかったろうけど、たぶんノエルさんがずっと自分が理想的に思う橋渡しが出来た瞬間じゃないかな。

転がってたのは直前にノエルが体を張って、変身解除された圭一郞達3人を庇ったせいで、こいつまたかよとは思ったけど(笑)。

まあ今回はラスボスと初期装備で戦えと頼んだも同然なので守る責任はあると思うのもわかる。物語的にはドグラニオの金庫に入る快盗達を止めさせず切り離す狙いもあったろうし。

 

 圭一郞「バイクとクレーン奪われました」

つ咲「VSチェンジャー奪われました」

警察3人の晴れ晴れした顔。

これ、どこまでノエルさんの思惑通りだったんだろう。

仲良くさせる事で、快盗が正体隠してる時は主に快盗が装備の劣る警察を見殺しに出来ず助ける。

万一快盗の正体が分かったら今度は警察が快盗を見殺しに出来ず陰ながら助ける。

ノエルさん自身ズタボロになりドラマの中でも外でもあれこれ言われながらも一度も諦めなかった共闘の形はここまで来た。

 

そう、快盗が正体を隠した状態で警察と仲良くなる事のメリットは実は一方的に助けて貰える警察側に大きく、快盗にはむしろリスクもあったんだよね。30話で戦えなくなった魁利とか。

つかさは異世界に行く前後の透真の言葉でそれを思い出し、仲良くする事で自分達は守られてもいたと悟り、今度は自分達が快盗に出来る精一杯の事をしたのではと思う。

 

 つかさの「言い訳はしない!」って新番組予告の台詞じゃなかったかな?ここに持って来たんだ。

いつ本編に出てくるんだろうと思ってそのうち忘れてたけど、去年の今頃どんなストーリーだろ?どんなキャラだろってワクワクしてたの思い出して懐かしい。

今聞くと凛々しく潔いけどつかさ「先輩」にしては可愛過ぎる感じもし、1年でキャラも育って行ったんだろうな、と少し思った。

 

警察を守るためにノエルが自分の命を差しだす

ノエルを救うために快盗が正体を晒し指名手配

快盗を助けるために警察が装備を奪われる失態を演じ、初期装備でドグラニオに挑む

 

綺麗な連鎖だけど警察がちと軽いかなと思ってたら、「快盗を救うために警察とノエルでドグラニオを倒す」という超ヘビーメインディッシュが来てちょっとビビるけど燃える。

 

ノエルさんの性格的には、自分のせいで魁利達だけが指名手配というのは凄く心苦しいはず。だけど、今自首すると快盗のためにこれ以上警察の立場で貢献することも、更にはギャングラー退治に加わることも出来なくなりかねない。だから、自分だけはおめおめと正体を隠し、どんな面でも下げて全てが終わるまで国際警察に図々しく居座ると決め、最近緩んできていた仮面を被り直したのが前回。

そして次回最終回ではその警察と一緒に、ドグラニオと戦う。「あんたは世界の平和も守るんだろ?」と魁利についてくるなと留められて。

そりゃ、あれだけ他人優先を繰り返されると「これは俺ら側じゃないわ」と思うかもね。

ノエルは来日前から魁利達に肩入れがやや過ぎる気もして、もともと22話見た時から

 

自分のせいで初美花がと悔やむノエルを見た感じ、まっとうで責任感も強く、コグレが「大事な人を取り戻したい」という弱みにつけ込んで危険な快盗稼業を一般人にやらせていることに心を痛めない奴には見えない。

 

とは思ってたけど、それにしても快盗達にコレクション集めよりザミーゴ優先させる事を全く躊躇わなかったのがね、警察との共闘考えてもマイナスになりかねないのにってのもあって。同情心強すぎなのか、それとも快盗達の事を、志を同じくする大事な仲間であると同時にどこかで最初から、本来守るべき一般市民として実は厳しく一線引いて見ていて、そこを実は快盗達に見透かされていた可能性はないだろうか。

もちろん、大事な人を失った時に

絶対取り戻したいと思ったのが快盗

その死を無駄にせず同様の悲劇を防ぎたいと思ったのが警察

ノエルさんはアルセーヌを失った時にその両方を同時に思ってしまったからどちらかだけでもない道を選んだのかもしれないけれど。

  

 最終回、グッティがなぜ梱包されたのか見せて欲しいな。

絶対ノエルがグッティに言い聞かせてケースに入って貰ったと思うんだけど、最終回でやってくれるかわからないから妄想しておく。

 

「え~おいらこんな窮屈なケースの中でじっとしてるのかノエル?」

「日本に着くまで我慢してくれるかいグッドストライカー?」

「仕方ないなあ」

「日本では快盗だけでなく警察も助けて欲しいんだ」

「何で?コレクション取り戻す快盗の手伝いするんじゃないのか?」

「僕達はコレクションを集めて大事な人を取り戻せたとしても、ギャングラーがいる限りまた同じような事が起こる。大事な人を失う悲劇が。だから倒して平和な未来を作らなきゃいけないんだ。でも、快盗やコグレさんにはVSビークルは手違いで国際警察に渡った事にする。2人だけの秘密だ」

「分かったおいらに任せろ。でもどっちに味方するかはおいらの気分で、グッと来た方に決めるからな?」

「うん、それでいいよ」

 「でもさあギャングラーの中にも強い奴はいるんだろ?アルセーヌがやられたんだぞ」

「そうだね」

「勝てなかったら死んじゃうぞ」

「だから快盗と警察で一緒に力を合わせるんだ

そのために僕も日本に行って快盗にも警察にもなる。僕が仲立ちして二つを繋ぐんだ」

「そんな事出来るのか?」

「出来る出来ないじゃない、やらなければいけないんだ」

「どっちにも仲良くして貰えないんじゃないか?」

「そうだね。でも大事な人も平和も両方なんて本当に欲張りなんだと思う。この上僕も仲良くして欲しいなんて流石に虫が良すぎるよ」

「大丈夫かあ?ノエルは寂しがりなのに」

「君がいるからね」

「おう、おいらはいつだってノエルの味方さ」

「メルシー」

 

 次回

 大事な3人の氷が解けて日常に戻ってきた時

、取り戻すために尽力した3人は同じ日常に戻ってこられるか分からない所にいる。その事に胸が痛むし、仮に戻って来られたとして、物語が終わった後に、以前のような関係で向き合っていけるかわからないのもちょっと気になる。それぞれが大事な人と向き合った時に、快盗の払った犠牲が大き過ぎるように見えて、このままだと一方的な関係でありすぎる気もして。でもそこに触れるかはわからない。触れるにはリスクもあるだろうし。

 

ただ、東映公式に詩穂ちんが漫画の持ち込みみたいなことしてる写真があるのが嬉しい。

夢に手が届きかけてた時に友達を庇って消えたヒーローがちゃんと救われてまた夢に向かって進み始めたのが。

初美花は親友が自分を庇って消えた事だけじゃなく、自分がお祝いしようとあの場所に連れだした事、親友の夢を応援するつもりで潰してしまったこともたぶん悔やんでいたと思うから余計に。もし描かれてるのが自分を救ってくれた快盗達をモデルにしたものなら最高なんだけど。