キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 26話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■良い子組の矜持

ハリケンジャーの主張に激しく異を唱える鎧、と言う緊張状態で終わった前回からの続き。

ハカセが「もういいよ、ありがとう」と譲歩。アイムも「今は私たちが対立している時ではありません」とキーを差し出す。

日頃ウザいくらいにスーパー戦隊愛を押し付けてくる鎧が、その敬愛するレジェンドたちに逆らってまで自分たちのこれまでを代弁してくれたことは、ハカセたちの気持ちを和らげ、冷静にさせてくれた。「ありがとう」に鎧の辛い立場への労いを感じて、好き。

それだけでなく

「ついでにマーベラス達のことをちゃんと見て、どんな奴らか確かめてきてください」

と、きちんと彼らを知ればこの人たちの不信はきっと消えるはずだと自信を覗かせる。これまでのレジェンドとのやりとり、特に最初は対立や不信を見せたガオやシンケン、ゴセイとの交流を積み重ねた経験が効いているな。更に

「いいのか? 逆に返す気がなくなるかもしれないぞ」と言うハリケン組に

「心配要りません。その時は、力尽くで取り戻します」

と、一見おっとりした元王女のアイムが海賊としての矜持を見せつけた。

ここにいるのは海賊らしくない良い子の新参組。だけどやっぱり彼らだって海賊なんだよ、と強く打ち出したこのシーン、大好き。

 

■いじわるクイズ

どう見てもアカレンジャーだけどそう答えても不正解で実はサタサクラの変装、とか「絶対に正解の出ないいじわるクイズ」に苦しめられるマベたち。

ダマラスのあの重々しい口調から「いじわる」という言葉が出ると可愛く思えてじわじわ来る。

不正解だと罰として上から水入りバケツが降下。ルカの頭がスポッとバケツにハマってしまったのは確か偶然だったはず(笑)。10話のゴーミン変装のイメージもあって、ルカにはバケツがよく似合う(違)。

更にクイズはいつもの岩舟山?に場所を変え、火薬を盛大に使って罰もスケールアップ。

 

アウトロー組のヒーロー性

レンジャーキーでハリケンジャーに変身した鷹介たちはボキ空間に入り、忍法地獄耳。クイズにまともに答えようとせずに爆撃を受けるだけの海賊たちに失望し、サタサクラを倒そうと飛び出すがビッ栗を人質に取られ、逆に彼等も捕らわれてしまう。

クイズに正解しサタサクラが「ピンポン」と言えば拘束が解ける。でも正解と連動してビッ栗諸共くす玉が爆発する仕掛けだった。

海賊たちは口では否定したけど、万が一にも正解してビッ栗にされた人たちに被害が及ばないよう、ワザと答えずボロボロになってもなお甘んじて爆撃に耐え続けていたということ。

冒頭では良い子組の3人がアウトロー組不在の中で海賊としての矜持を見せつけ、今度は一見態度の悪いアウトロー組の3人が一般人を守るために体を張るヒーロー性を見せる。このひっくり返しの多重構造が素敵。

 

特に信用出来ないと言っていた3人、口は悪いわ生意気だわ気に入らねえとこばっかりのマベたちの真意を知ったハリケン組。縛られたままマベにゆっくり近寄って頭突きを喰らわし「やるじゃねえか」とニヤリと笑う鷹介が、少年の面影を残した9年前とは見違えるような粋でワイルドな大人の男で格好いい。

 

■元劣等生ならでは?

海賊に対する見方を変えたハリケン組は「よし、俺たちが助けてやる」と、逆にサタサクラにクイズで挑戦。

最初の2問を超簡単な問題で油断を誘うと3問目で見事「ピンポン」と言わせ、拘束を解くと同時にビッ栗を回収して危機を脱出する。

狡いというかなんというか、もと劣等生で不真面目だったりサボったりすることもある彼らだったから考えついた作戦という気がしないでもない。・・・「卓球」って答えてたらどうなっていたか・・・とはちょっと思ってしまったけど(汗)。

 

ただここ、個人的には若干ハリケン組に花持たせすぎたかな、という印象もある。

せっかく3人も出演して貰えたんだから、出来るだけ活躍させたいし良いところを見て欲しい、というのもわかるんだけど、結果的にマベたちはただ見てるだけになっちゃったのが、ちょっと不満。欲を言えば、出来ればここはマベたちも何か協力した形で脱出して欲しかったかな。

 

■VSコラボスペシャルだ

地上では待機する良い子組をいたぶるためザンギャックからバリゾーグとインサーンの幹部2人が送り込まれていた。流石に分が悪く変身解除に追いこまれたハカセたちの元に、信頼を深めた海賊たちとハリケン組が帰還。そんで「今度は9人でやらねえか?」と、海賊からハリケン組に共闘を持ちかける。

2戦隊揃っての名乗りはまんまVSのフォーマット。ゴーカイジャー本編の中にVSハリケンジャーを持ち込んでいる感じで、当時はテンション上がった。劇場版は実質ゴセイジャーとのVSで共闘したけど、本編でもレジェンド本人が変身しての共闘が、それも1戦隊勢揃いの形で実現するとは思っていなかったから。

迎え撃つ敵もハリケンジャー本編の幹部Jrにゴーカイジャーの幹部2人だから、こちらも充分スペシャルで花を添えてる。

 

■なぜハリケンジャーだったのか

これは憶測だけど、ハリケンジャーの大いなる力は新メカ(風雷丸)なのでしっかり要販促だったのと、恐らく3人という人数の少なさ(人数バランスと招集しやすさ)、それからハリケンチームの営業努力の賜物では?と思う。

当時のインタビューによれば、プロデューサーを待ち伏せして出演要請していたとのこと。ハリケンキャストさんたちの企画力営業力は見聞きした感じ図抜けているなと思う。

Wの時はジャスミン木下さんがゲスト起用されたのを知って長澤さんが「同じ塚田チルドレンとして私は?」と塚田Pに迫ったとご自身が語っていたのを読んだ記憶。

また、後に自分達で脚本付き企画書を持ち込み、スタッフ出演者に働きかけて10yearsを実現させたのは有名な話。それがデカレンやゴーオンといった後続を生んでいるんだから、ある意味彼らはスーパー戦隊シリーズの歴史に新たな流れを加えたことになるんだよな。

 

■見応えあるタッグバトル

ルカ、アイム、七海の女子組は、女幹部のインサーンと対決。いかにも女の子らしいパステルカラーの水色黄色桃色の配色が、砂糖菓子みたいに綺麗で可愛らしい。その3色のリズミカルな連携攻撃が見ていて小気味良かった。

ジョーハカセと吼太は武器交換。海賊の武器だと喜ぶ吼太が可愛い。そんで交換しそびれて葉の茂った木の枝を武器替わりにするハカセは平常運転。ハカセが吼太抱きついた状態で一緒にターザンとか、コミカルで楽しい。

今回メンバー個々の絡みはそんなに濃くなかったけど、吼太とハカセは気質やポジション的に重なる部分も感じて、共感しあえたり、なんなら愚痴を共有出来たりもする組み合わせなんじゃないかなと思ったりする。

 

マベと鷹介のダブルレッドのアクションは特に凄かったな。

鷹介が空駆けでサタサクラに連続キックをかまし、マベも地上で障害物を飛び越えながら併走して斬りつけるとか、滅茶苦茶格好良くて何度もリピった。

そんでこういう時にどうしても余る鎧は「覚悟!覚悟!覚悟しろよ」とかハリケンの主題歌の一節を叫びながら戦い、1人で強引にコラボ感を出していて、ホント便利だ鎧(笑)。

 

■ジョーVSバリゾーグ再びならず

ジョーがバリゾーグに向かって行く時に、特別なリアクションがなかったことはちょっと残念だった。

コラボ色を優先して特にフォーカスしなかっただけなのかもだけど、脚本がメインライターの荒川さんでもあったので、ジョーの中ではバリゾーグ(シド先輩)のことはもう、12話で吹っ切れちゃったのかな?とか、細かいところだけど気になっていた。まだこの時は。

 

■伝説の後継者

倒したサタサクラが巨大化し、それに立ち向かおうとする海賊たちに向けて鷹介がかけた言葉。

もとは自分たちハリケンジャーを指す言葉だったと思うけど、彼らからその志を受け継ぎ地球を守る者として海賊たちを認め、彼らなりの言葉でそれを表現したってことかな。

これを以て海賊たちは完全にハリケン組の信頼を得て大いなる力を託され、その力を具現化した風雷丸は晴れて頼れる新装備としてゴーカイジャーの仲間入りをした。そしてゴーカイオーと合体してハリケンゴーカイオー推参。

「海賊と忍者ひとつとなりて」は、本編でのハリケンジャーの旋風神とゴウライジャーの轟雷神それから風雷丸が轟雷旋風神に合体する時の「風と雷ひとつとなりて」のアレンジだよね。

最初は不信のあったゴーカイジャーハリケンジャーが心をひとつにしたことを、本編で最初は対立していたハリケンジャーとゴウライジャーが後に心を通わせたことと重ね合わせていて、洒落た言い換えだなと思う。

 

猫耳アイム

サタサクラを倒し、戦いが終わってハリケン組はゴーカイガレオンに招かれる。

和やかなムードの中、ジョーとルカが忍法地獄耳を教わっていると、「私も挑戦してみました・・・な~んてね?」とアイムが猫耳(笑)。そりゃ可愛いに決まってる。あざとい(笑)。

ルカが狡いと抗議し、七海も「お姉さんもそれは反則だと思うな~(つんつん)」と、同意しつつも可愛いは正義。

なお、これを見た稲田徹さんが、すかさずツイートで「アイムがあ~・・・」とか悶絶してたのを覚えている(笑)。稲田さんのアイム関連ツイートにはあの当時ホント楽しませて頂いた。

 

■兄貴に弱い

せっかくなので記念写真をと鎧が言い出す。照れ臭くてちょっとキョドったマベだけど、鷹介に「ほら、行こう」と促されると素直に従う(笑)。

やっぱりマベ、実は兄貴っぽく上から来られてさらっとリードされると弱いよな。これまでガッツリ絡んだレジェンドもボスとチーフという頼れるタイプだし、余計にそう見える。

バスコやアカレッドとの過去回想を見ても、わりと人恋しい末っ子タイプな感じもするし、あのふてぶてしさは赤き海賊団壊滅から1人で生き抜く中で身に付けた鎧なのかもなと思う。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 25話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■折り返し地点のおさらい

この感想というか覚え書きもなんとか25話、折り返し地点まで来た。

番組の方もここで鎧のスーパー戦隊講座という形で、現時点でどの戦隊の大いなる力を貰っているかを全戦隊の写真と鎧による各戦隊の印象的な動作付きでおさらい。つくづく便利だな鎧。

そう言えば劇場版で11戦隊から大いなる力を貰ったことについて、具体的にどの戦隊の力かを本編で言及するのは今回が初めて。まだ入手していない戦隊がどれかを示すのは確かにこの後の展開を考えれば必要なこと。そういう意味でもタイミングは良かったのかも。

あと戦隊シリーズは後に、ジュウオウジャーあたりからか、8月末に24時間テレビの裏で総集編を流すようになったけれど、この回はある意味その先駆け的意味合いもあるのかなって感じもする。

 

本編で貰った力は11、劇場版でも11、合計22。劇場版効果で既に2/3近く貰っていて、残りは12。

 

鎧の熱が籠もりすぎてる講義をきちんと聞くハカセとアイムの真面目な新参組、うんざりして途中で抜け出すマベジョールカのいかにも机上の勉強が嫌いそうな古参組と綺麗に分かれた形で物語は進む。

ルカの「鎧って悪い奴じゃないけど、あの無駄に熱いのは参るのよね~」には個人的にジョー同様「まったくだ」と肯いてしまった(笑)。けれど、そういうちょっと引いた反応も織り交ぜた鎧のキャラの打ち出し方はバランス良いなと思う。

 

■敵がスペシャ

今回はハリケンジャー回。レジェンド回としてはシンケンジャー以来の前後編で、ゲスト怪人は本編の敵幹部の子孫、宇宙忍者のサタサクラJrとサンダールJr登場という豪華さ(声優さんも同じ)。サンダールは前編で倒されてしまって(それも贅沢だけど)本編での親の悪辣さを見せるほどの出番はなかったけれど、サタサクラの方は本編の親のキャラそのままって感じで懐かしい。

サタサクラが主導権を握りつつわりと良好な協力体制を取ってる感じで、酷薄だった親同士の関係性とは切り離されているんだなと、ちょっとホッとする。

 

■ビッ栗

今回のザンギャックの作戦は、サタサクラの術で人々をビッ栗(ビッグ+栗?)に変えて集め、ミサイルとして打ち込むというもの。そのミサイルは打ち込まれた人々もみなビッ栗にしてしまうので地球は征服したも同然になる、という。

集めたビッ栗をミサイルにするために炒って爆ぜる寸前にしてるんだけど、元は人間なのに炒っている時点で焼け死んでないかヒヤヒヤする反面、美味しそうに見えた(笑)。正直、1つ欲しいかも。

 

■3人出てきた

鷹介、七海 吼太と、ハリケンジャーのレジェンドが3人とも登場で、劇場版を除けば破格の扱いの良さに予告でびっくり・・・ではなかった(汗)。

あれは2011年7月31日、23話の放映当日に更新された東映公式の24話「愚かな地球人」の解説ページを見ていた時のこと。

ずっと下にあるメディア情報の「東映ヒーローMAX」の告知にこの3人が写真付きで「8月にゲスト出演する」と書いてあり、思わぬ形で物凄いネタバレを食らった思い出(笑)。

まあ東映MAXは翌日の8/1発売だったから雑誌を買う人にとっては1日だけのフライングだったんだけど。

「大丈夫です。我々にもわかりません。」といい、このページはいろいろとやらかしてくれているので思い出深くて好き。

 

https://www.toei.co.jp/tv/go-kai/story/1196213_1843.html

 

■大人になって

ハリケンジャーゴーカイジャーから9つめの戦隊。本編では落ちこぼれの未熟な若者たちって感じだったけど、9年経って、みんな貫禄ついたな。

七海は凄く綺麗な、大人の女性になって見違えたな。

鷹介は渋くなって、凄く頼れる大人の男感を出しているのが、経年を感じさせる。

吼太は良い意味で、髪型以外は一番変わってないかも。

 

■掃除機?

講義を抜け出した不良3人は人々がビッ栗にされる現場に遭遇し、両Jrに挑むも宇宙忍法に翻弄されて完敗。

ガレオンに戻り、ビッ栗にされた人たちを助けるために鎧がひらめいたのはボウケンシルバーのサガスナイパー。サガスモードでルカが持ち帰った栗の成分を読み取らせ、似た成分のありかを探知する。

やってることはわかるんだけど、形状といい鎧の姿勢といい、部屋に掃除機かけているようにしか見えない(笑)。

まあ本編でもこのサガスモードは、一番格好よく演出されてるはずのデビュー戦で格好いいボウケンシルバーの挿入歌をBGMにしても、正直「・・・」だったし仕方ないけど。

 

■3対3再び

ミサイル工場に乗り込み、今度は善戦したかに見えた海賊たちだけど、サタサクラが自分の術で海賊たちをボキ空間に落とそうとし、赤が銀、青が桃、黄が緑を、それぞれ突き飛ばして自分たちだけ穴に落ちてしまう。海賊としての経験や実力では上の3人の方が罠に落ちるのが、新参組3人を庇ってのことなのは納得だし、生徒としては問題児ムーブだった3人のいざという時の仲間への思いがフォローされていて、手堅いな。

そんでまた綺麗に、海賊らしいアウトローな古参組と海賊らしくない良い子な新参組との3対3に分かれた。

ゴーカイジャーはこの組み分けで、対応する事態や相手によって、同じチームでありながらガラッと色を変えられるのが強みの1つだと思う。

 

■風雷丸見参

Jr組もサタサクラがボキ空間、サンダールが地上に残留と二手に分かれ、サンダールは自分の宇宙忍法で巨大化。

鎧が豪獣神で対応するも苦戦し、追い詰められたところに空から風雷丸見参。逆光背負った見せ方が格好いい。

初登場補正もあって、豪獣神単体では叶わなかった相手を翻弄し、手裏剣でサンダールをビルに磔状態にすると豪獣神にトドメを促して、中々エグい絵面。

サンダールが勿体ないくらい呆気なく倒されてしまって、ちょっと驚いた。貴重な池田秀一さんが(汗)。

風雷丸は、鎧に対して友好的な態度のまま颯爽と去っていく。

ハリケンジャーの3人は、海賊たちが宇宙忍者に勝つには自分たちの大いなる力を渡さないといけないのでは?と思いながらも様子を見ていた。けれど、風雷丸は宇宙忍者の出現にいても立ってもいられなかったのだろう、と、ハリケンチームの中でも温度差がさりげなく示されてる。

 

■信用出来ない

群がるマゲラッパたちを早く倒してマベたちを助けに行きたいハカセとアイムの前に、鷹介七海吼太が現れ、変身していない状態ながらマゲラッパを一蹴。強い。

そんでビッ栗にされた人々をボキ空間に助けに行くにはハリケンジャーの大いなる力が必要だと告げる。

だったらくださいというハカセの頼みは、海賊が信用出来ないからと拒否。特に連れて行かれた3人が信用出来ない、と言う。

 

過去もレジェンドたちの海賊に対するスタンスはいろいろで、中には強引にレンジャーキーを返せと言う戦隊もあったけど、劇場版を経て折り返し地点になってもまだ、あからさまに不信を突き付けてきた。

前後編でハリケンジャー側が3人とも出演と、いわゆるVS的な扱いになってるから、余計に前半での2戦隊の対立要素をはっきり見せたい狙いもあったのかなと思う。けど、そろそろ信じてあげても良くない?と正直思ってしまって、海賊たちがちょっと可哀想になった。

もっとも最終回まで見終わった後だと、大いなる力を渡すことに慎重になっても無理はなかったんだな、とは思うけど。

 

■尊敬する先輩たちでも

鷹介たちは更に、逆にハリケンジャーのレンジャーキーを渡せと言う。自分たちならハリケンジャーになって助けに行ける。それにあれは元々自分たちの力だったんだから、と。

でもここで待ったをかけたのは、鎧。

「どうして?地球人のあなたが一番わかってくれると思ったのに」

「確かに元々は皆さんのものです。でも宇宙に散らばったレンジャーキーを、命がけで探し集めたのは誰ですか?マーベラスさんがいなければレンジャーキーは今ここになかったんですよ?なのに、そんなの絶対変です!」

 

初登場の自己紹介から「誰よりもスーパー戦隊を愛する男」を自認し、今回冒頭の講義でも「無駄に熱い」と言われてしまうようなスーパー戦隊愛を垂れ流して、ついさっきもレジェンドとの遭遇に大興奮だった鎧が、そのレジェンドに逆らってまで海賊側の理を主張する。

ここ、凄く良かったな。

レジェンド達の地球を守るために必要だという気持ちもわかる。

だけど、マベ達の過去の苦労も誰かに代弁して欲しいモヤモヤもあった所に、誰よりもスーパー戦隊を愛する鎧がビシッと言ってくれたのが余計にグッときた。

20話で、大先輩のヒュウガを押し退けて自分がゴーカイシルバーをやると宣言した鎧はこの時、熱烈なスーパー戦隊ファンである以上に、自分がそのスーパー戦隊の戦士であることを選んだ。

そんでいくら敬愛するレジェンド相手であっても、その主張を盲目的に受け入れるのではなくおかしいと思えばおかしいと言える、対等な戦士へと成長したんだね。

また、ウキウキとサインを貰うほど尊敬する人ならその言葉も一番近くで一語一句噛み締めていたのかもな、と、21話でのチーフの「それはお前たちが宇宙を冒険して手に入れたものだろう?」という言葉の影響も感じた。

鎧は登場もその成長変化も、要所要所で「海賊と地球人が距離を縮め海賊がスーパー戦隊になっていく物語」のマイルストーン的役割を綺麗に果たしているよな、と事あるごとに惚れ惚れする。幸せな追加戦士だと思う。

 

キラメイジャー34話感想: 為朝&時雨のイケてるコンビ回で、ガルザ逆襲の乗っ取り返し

冒頭、前回の負け戦の映像記録をお復習いしてるクランチュラさんにガルザが激怒。屈辱でさらにジャメンタルがパワーアップしてる。これ、息の根止めない限り倒されれば倒されるほど強くなって手がつけられなくなるパターンなんじゃないかな。

 

一方、ビリヤードに興じる為朝と時雨は神ショットを連発。時雨は役作りで習得してそうだけど、為朝もeスポーツ以外でもゲームと名のつくものは基本的に強そう。「プロ級の腕前」という充瑠の賛辞を「まあな」とすんなり受け入れて、例によって褒められ慣れてる人たちだ。

フォームも無駄に格好良くて、充瑠が「イケてる2人」と仔犬の瞳を耀かせるのも納得。

ただ、この先の展開を考えるとユニフォームが正解なんだろうけど、どうせなら個人的には私服でやってて欲しかったかも。特に為朝は私服と言ってもこれまであのeスポーツのユニフォームの記憶しかないんで、たまにはそれ以外で頼む(贅沢)。

充瑠も「やってみるか?」と、いきなり高難度なプレイを指南され「難しそうだけど、やってみる」と素直にチャレンジ。白球で3番を狙い、弾かれた3番がヘリにぶつかって軌道を変え、狙った9番を見事に穴に落とすミラクル神ショットは、充分凄い。

 

そこにヨドン反応の連絡が来て、駆け付けた先にはヨドンナ。その手にヌマージョの邪面。

ヌマージョのマスクって素顔じゃなかったんだ。あれ?地球の文化のモチーフじゃないじゃん、と思ってしまった私はクランチュラさんの地球侵略の美学に毒され過ぎてる(汗)。

モチーフはともかく、下っ端から昇格したら邪面を着けた邪面師になる、というのがヨドン軍のキャリアアップシステムで、ヌマージョもそのレールに乗っかっており、そこから幹部に昇格した矢先に倒された、ということなのかな。

ん?つまりベチャットには女もいるってこと?それとも体のデザインはベチャットではなかったからベチャットとは別の部隊もある、ということなのか?

まあこのあたりはあまりきっちり設定してなくて、単に邪面師節約のための後付けかもだけど。

妹のミンジョには再登場して欲しいけど、残り話数考えると、どうだろな。あと1クール前後と思うと寂しい。

 

ヨドンナは以前為朝に仲間の素晴らしさを誇示された「お礼」に苦痛を与えに来たと言い、人間なら数時間後に死ぬ毒液を邪面から放つと、為朝を庇った時雨が浴びてしまう。

解毒には邪面を割らなければならず、逃げたヨドンナを時雨と為朝、充瑠が追い、瀬奈と小夜は同時に出現したスモッグジョーキーに対処する、と二手に分かれることに。

 

スモッグジョーキーには一足早くドリラーが立ち向かうも、パワーアップしたガルザのジャメンタルに苦戦。

更に、瀬奈のエキスプレスと小夜のザビューンとの合体にジョーキーが割り込み、これまでと逆に強制的にエキスプレスと合体してしまう。

「やられたらやり返す。乗っ取り返しだ!」

他局のドラマの決め台詞(笑)を高らかにパクってガルザさんの逆襲ターンの幕開け。ザビューンを一蹴し、ドリラーも撃破と圧倒的な強さを見せる。

 

一方の赤黄青VSヨドンナ。為朝の得意の射撃が邪面にヒットしても、割れない。毒に犯された者の攻撃しか効かないとのこと。つまり毒でヘロヘロの時雨の攻撃以外は無効なわけで、いきなりクリアのハードルが上がってしまった。

更にヨドンナは、時雨が為朝を庇うのは想定済みでターゲットは最初から時雨だったと明かす。仲間のお陰で勝てるのなら仲間を潰す。それに自分のせいで仲間が苦しむ方が為朝には苦痛。

人間の心理を学んでそれを作戦に取り入れることを覚えたヨドンナが、良い感じのえげつない悪役になってきた。そんで彼女を一番育ててしまったのは多分、為朝自身なのが皮肉だな。

 

ならばとやせ我慢が美学の時雨が体に鞭打ちソードを伸ばして振るうも、毒の苦痛で思うようにコントロールが効かず、却って味方にダメージ。

更に「飛べねえ男はただの男だ!」と某ジブリ映画の豚飛行士のスピリッツでジェッタに乗り上空から飛び降りて邪面を狙うも、またも毒で体が言うことを聞かず、為朝に激突してチャンスを潰してしまう。

為朝は、時雨が足を引っ張るたびに反射的に駄目出ししかけるんだけど、自分を庇ったせいだと思うとツッコめなくて「ドンマイ」や「ナイスファイト」に言い換え。

気持ちはよくわかるし、ショベ爺の自分を思っての暴走にも強く駄目出し出来なかった為朝らしい。

 

そこに宝路たちの敗北が知らされて充瑠が離脱し、オラディンを召喚。

OK牧場だ、充瑠くん」

えーと、なんか今日は他所で聞いたことのある台詞が飛び交いすぎだろ(笑)。

合体で呼ばれたハコブーが前回の失態からくどくどとオラディンの寛大さを賞賛し始め、それを「お前は話が長い!」とばさ斬りされたのが地味に嬉しい。久々に話の長いキャラが拾われた感じで、これからも出番が制限されがちになるのなら、こんな風に合体時のお約束にしても良いと思う。

 

「懲りないガルザにはこってりコテコテのお仕置きだ」

国を滅ぼして兄である自分を殺しかけ、今も自分への怒りや憎悪をテコにパワーアップを重ねる相手についての言葉がこれ(汗)。

あくまで邪悪な敵と同じ土俵に立たず、明るくその胸に絶望の二文字がないヒーローで、おおらかでお茶目ないかにも国民に慕われた王様らしいと思う。

一方で、相手を今でも兄がお仕置きすべき弟としか思っておらず、どこまでも正面から向き合おうとしない姿勢も感じてしまう。

なんだか凄くオラディンとしか言いようがないというか、こういう積み重ねがガルザさんを反逆に追いこんだ部分もあるんじゃないのかな?なんて思ってみたり。

 

時雨は毒が回ってとうとう変身解除。顔のあちこちが青ざめてる毒メイクが悲痛だけどごめん、つい笑ってしまった。

それに気を取られた為朝もヨドンナの攻撃を避け損ねて変身解除。たまらず時雨を引っ張って車の陰に逃げ込む。

なんだかアクション刑事ドラマのワンシーンみたいだ。「俺たちカッコ悪いな」と自嘲するのも大人の男2人って雰囲気で逆に格好いいよ。「あぶない刑事」って言ってる人を見かけて、ああそれだ、と。

時雨は為朝たちの足手纏いに甘んじられずやせ我慢で空回りして状況悪化。

為朝も自分のせいで苦しむ時雨に気を取られ過ぎていなければ、こんなゲームとっくにクリアしているはず。

と、2人とも相手を思うあまり、自分を責めつつ気遣いすぎるせいで却って上手くいかない。

自分がそうなってるのは見えなくても相手のそれは良く見えて、同時に指摘し合い声が被ってしまうのが、尊いな。

 

そこで時雨が何か作戦を思い付き、何やら打ち合わせを終えて、肩を貸し借りしてヨドンナの前に姿を現した2人はキラメイチェンジ。

ヨドンナは強化ベチャットを繰り出して、たちまち時雨は抑えこまれてしまう。

いよいよ時雨の死と為朝の悲嘆が見られると高笑いするヨドンナだけど、そう油断した瞬間、為朝が時雨に向けてキラメイショット。時雨は倒れて動けないと見せて(実際そうなんだけど)ソードを固定し、撃ち込まれたバレットがそのソードに当たって跳ね返り、ヌマージョの邪面を直撃。

元は為朝が撃ったバレットでも時雨のソードが弾き飛ばせば時雨の攻撃と見なされるという裏技で、見事粉砕に成功する。頭良いな。

冒頭のビリヤードは実は伏線だったのか。充瑠のショットからヒントを得たと、戦いとは関係ないところからピンチ打開のヒントを見つけてくる時雨のキャラがまた活かされた。それを正確に実行出来る為朝の射撃スキルも。時雨が作戦立案でそれを実行するのが為朝、といういつもとちょっと逆な組み合わせも良いな。

 

時雨の毒が解除されると同時に強化ベチャットが泥化して形勢逆転。ちょっとベチャットの持ち時間が短い気がするけどきっと気のせい(笑)。

イケてる黄青コンビはヨドンナを追い詰め、遂に必殺技が決まってヨドンナにパナーム弾の洗礼。撃破されててもおかしくない盛大な火薬量だった(汗)けど、何とか生きていて、眼が赤く光ったと思うと、「人間ごときがあっ!」と怒りで何か異様な赤いエネルギー?が体から放出される。

 

その頃ガルザが乗っ取ったキングエキスプレスのパワーは、なんとグレイトフルフェニックスをも上回ってしまい、こっちは大苦戦。

先週キラメイ側のロボが勢揃いして大々的に販促したばかりで、12月第1週でクリスマスにはまだ日があるのに、もうこんなにボロ負けさせて良いの?と思わずメタな心配をしてしまった(汗)。

でも、考えてみたらキングエキスプレスだって正式な2号ロボ。

ザビューン登場以降はザビューンとの合体ばかりだったけれど、DX玩具はジョーキーとエキスプレスがセットでザビューンは単体。しかもザビューンは元は夏の劇場版ビークルだった説もあり、たぶん出荷量も前者の方が多いはず。

というかそもそもセットを買わなければキングエキスプレスザビューンにも出来ないから、ザビューンよりキングエキスプレスの販促に注力する方がむしろ正しいのかも。

 

キングエキスプレスはグレイトフルフェニックスを追い詰めてあわやガルザ様初の完全勝利!と、むしろクリスマス決戦前編以上の大ピンチ(汗)。

だけど、そこに何か不気味な声がガルザに届き、充瑠もそれを受信する。声はガルザにヨドンナを救うよう命じ、ガルザは掴む寸前だった勝利をうち捨てて、合体解除しヨドンナを回収して撤退してしまった。

 

ココナッツベースに戻った充瑠が声からイメージした絵が何やら禍禍しい姿で、これまで一切姿を見せなかったヨドン皇帝の登場を期待させる。

オラディンに絶望を植え付けるのが人生最大の目的になってる感すらあるガルザですら、それが叶う寸前に放棄させる強大な力なのか?というのがヤバい。同時にキラメイジャーとオラディンを倒す大チャンスを棒に降っても助けなければならないヨドンナの秘密とは?、と謎を煽って続く。

充瑠がオラディンだけでなくヨドンのラスボス候補とも交信出来てしまいそう、というのが中々不穏。単にアンテナの感度が図抜けているだけなら良いんだけど(汗)。

あと、今回の充瑠のラスボスっぽい絵より柿原さんを描いた絵の方が禍禍しいという意見を見かけて、ごめん否定出来なかった(笑)。

 

今回は為朝と時雨の貴重なコンビ回。荒川戦隊って、アバレンジャーは今配信で履修中だからまだわからないけど、デカレンもゴーカイも青緑回がなくて、初期5人戦隊だと赤以外の初期男子コンビ回がないのかな?と勝手に思ってたから嬉しい。

互いが互いを気遣うあまり自責に囚われてる時は上手く行かずピンチのままだけど、それに気付いて互いの良さ、輝きを組み合わせれば打開出来るっていう展開がなんとも素敵で格好良くて、これもキラメイジャーらしいなと。

そんで今回はそれだけでなく、

・ヨドンナと為朝の因縁の続き

・散々乗っ取られ続けてきたガルザさんの乗っ取り返し

・稲田ボイスハコブーの話長いキャラ復活

・ヨドンナの秘密の一端とヨドン皇帝のシルエット

と、そろそろ見たいなと思っていた要素が一杯詰まった、私得回で良かった。

 

一方で、ここんとこ瀬奈と小夜のダブルヒロインが戦闘面で割を食うことが続いている。

決算で売上が厳しいのを見ると、今はどうしても男児へのアピールが優先されちゃうのかな?と、残念だけど諦めに近い気持ちもある一方で、今回で言えば、ずっと乗っ取られているだけで良いとこ無しだった瀬奈がed前に悔しがって雪辱を誓う様子が挿入されて、こういう配慮があるかないかだけでも違うよな、こういうのって地味に大事だよなって思う。

もっとも、塚田&荒川コンビでダブルヒロイン回が無いわけない、そこできっと爆発させてくれるんでしょ?っていう過去の実績からの揺るぎない信頼もあるけど。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 24話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■修行の成果

冒頭でダーツを的に当ててガッツポーズするハカセの右手に、7話でマベがしていた激重腕輪が!当時は腕を上げるのもやっとだったのに(涙)。

描写は一瞬だけどハカセもあれから同様の腕輪を使って自分なりの修行を続けていたことと、その成果が描かれているのは手堅いな。

もっとも今回見渡して手堅いのはこの部分の描写だけかもだけど(汗)。

 

■粗大ゴミ

放送当時、前回の予告だけでもう唖然としてしまったんだけど、浦沢脚本&坂本太郎監督のコンビによるジェラシット再登場(笑)。

14話でインサーンが言ってたとおりゴミ捨て場に捨てられてしまっていて、そこにゴミを出しに来たおばちゃんとの会話からもう狂ってる。てかおばちゃんも狂ってる。

「どうしたの?」

「ザンギャックに粗大ゴミとして捨てられました」

「困ったねえ。えー粗大ゴミは、電話して指定された粗大ゴミ用のシールを貼って捨てないと」

「あんた生きてんだからさ、生ゴミとしてなら回収してくれんじゃないの?」

生きて会話の成立する相手がゴミとして回収されることを前提に平然と話が進んでいく世界観(汗)。もうこのあたりからあの14話の異様な空気が蘇ってきて、というよりなんだかあれより酷い話になりそうな予感がひしひし(笑)。

 

■タコ焼き屋

どうやら14話以降何も食べていなかった(3ヶ月!)ジェラシットは匂いに釣られてタコ焼き屋の屋台へ。

そこの店主からタコ焼きと引き換えに「俺のペットになる気はないか?」という更に頭のネジがぶっ飛んだような提案が平然となされて、戸惑うも空腹に負けてタコ焼きを頬張るジェラシットの口の動きと恍惚の表情のCGが無駄にハイクオリティ(笑)。

 

■海賊は見た

たまには外で食べようと、鎧の熱烈な要望で偶然そのタコ焼き屋台に出向いた海賊が目にしたのは、ジェラシットを犬のようにしつけるタコ焼き屋。

ジェラシットを知らない鎧と「あいつには関わらない方がいい」と引き返そうとする海賊の温度差がじわじわ来る(笑)。

更にそこに、武力を使わず情報戦による地球征服を目論むザンギャックエージェンシー、センデンが、

「俺が一生懸命ザンギャックが宇宙最強であることを地球人にアピールしているときに、ザンギャックが地球人のペットになるなんてそりゃあねえだろう」

「ザンギャックなのにペットになるヤツも、許さん」

と、物凄く真っ当な理由で襲いかかり、さすがに店主たちの命を守るため海賊たちも事態の異常さに戸惑い(うんざりし)ながら渋々参戦。

やる気のないゴーカイチェンジながら、いざ戦い出すと、公園の野外劇場のベンチで戦いながらの名乗りが無駄に格好良かったり面白かったりと、戦闘シーンだけはいつも以上にゴーカイジャーの世界。ドラマ部分が常軌を逸してるからバランス見たのかも。

でもハリケンジャーにゴーカイチェンジしたらもうセンデンの姿は無い、ってのはやっぱり浦沢ワールドの展開だ(笑)。

 

東映公式

なお、東映公式が放送当時、本エピソードを紹介するページでこのあたりまでをあらすじと見どころとして紹介してるんだけど、その後に

「あらすじを読んでも、みどころを読んでも、意味がわからないとお嘆きの方、大丈夫です。我々にもわかりません。」

と、もはや解説放棄しているのがかなり衝撃だった思い出↓(笑)。

https://www.toei.co.jp/tv/go-kai/story/1196213_1843.html

 

■タコ焼き屋の夢

海賊が店主に「宇宙人をペットにするのはやめましょう」って、言ってることはごくまともで筋が通っているんだけど何かが狂ってる状況に、店主も横暴だったと素直に反省。

海賊たちはジェラシットに、そんなにタコ焼きが食べたいならタコ焼き屋になればと提案し、ジェラシットもその気になって店主に弟子入り志願する。

14話ではゴーカイ侍斬りを喰らわした元ザンギャックの行動隊長のことを、いつの間にか一丸となって応援しマベジョーまでサムズアップしてみせるとか、海賊たちはすっかり浦沢ワールドに取り込まれている(汗)。

 

■ダマラスの憂鬱

東映公式が「ザンギャックも関わることを恐れる、ある意味最強の男」と書いたとおり殿下とインサーンはジェラシットを見るなりブリッジから逃げていた(笑)。

重鎮でありながら1人この事態を押し付けられたところに、海賊から逃げてきたセンデンが前言撤回し「やっぱり武力も必要」と兵器を所望してきて、今回のダマラスは終始尻拭い役。巨大化光線を撃つ時も無言でため息ついていて、苦労人だなこの人。

ザンギャック側も既に浦沢ワールドに染まってしまった(笑)。

 

■おばちゃんが酷い

弟子入りには店主を女手一つで育ててくれた母親の許可をとる必要があり、これが冒頭に出てきたおばちゃん。

宇宙人をナチュラルにゴミ扱いする母親にして宇宙人をペットにする息子ありだった(汗)。

「私が許しても保健所が許さない」とか次から次へと言い草が酷い。そんで「歯を磨くジェラシット」の描写のためのCGがまたしても無駄に力が入り過ぎている(笑)。

おばちゃんは一括りに「宇宙人」を偏見丸出しで否定しているので、これには地球人ではない海賊たちも口々に抗議。

 

ギャグにはしてるけど、もしかしたらこれ、「通りすがりの海賊が地球を守るスーパー戦隊になっていく」という過程で、海賊達に1度は「こんな地球人に守る価値はあるのか」という揺さぶりをかける回でもあったのかな?なんて思ってたり、いやでも違うかなと否定してみたり(汗)

 

■全員待機

そこにセンデン&ゴーミンが乱入してくるも、マベが「今、大切な話をしてるんだ。ちょっと待て」と凄むと素直に全員待機(笑)。タコ焼き屋のお座敷に海賊とザンギャックと元ザンギャックがぎっしり詰めかけて座り込んで話を聞いている異様な光景(汗)。ザンギャックはつま先を立てた立ち上がりやすい正座なのが細かい(笑)。

 

■実は強いかも

ジェラシットがおばちゃんに生ゴミ扱いされたことを知ったセンデンは激怒して待機命令中止しダマラスから借りたザンギャックバズーカで攻撃。それを庇った海賊との戦闘になり、土管が並ぶロケーションを活かしたアクションや撮影が凝っていて面白い。

 

隠れ場所から不用意に出てきたおばちゃんにセンデンがバズーカを放ち、海賊も守りきれない絶体絶命のピンチをジェラシットが身を呈して庇った。

「こんな素晴らしい宇宙人が居たなんて・・・私はなんと愚かな地球人!こんな愚かな地球人を、どうして助けてくれたの?」

「お袋さん、宇宙から見れば、あなたも俺と同じ、宇宙人だから(バタッ)」

おばちゃんはすっかり感銘受けて改心するし、なんか急に感動的な話になったように見えて当時思わず焦ったけど

「ここで死ねればドラマチックだったんですけど」

ってやっぱり生きてた(笑)。てか凄くピンピンしてる。そりゃあジョーも「おまえ、本当は凄く強いだろ」って言うよな。

そもそもあのゴーカイ侍斬りで死ななかったんだから下手するとあの親衛隊長デラツエーガーより強いかもという(汗)。

 

■誰も予想出来ない結末

センデンを倒し、後日、海賊たちは花輪を持ってジェラシットのタコ焼き屋オープンのお祝いに向かう。

途中の会話が

「もしかするとタコ焼きって、宇宙でも流行るかもな?」

「宇宙にはタコが居ないぞ」

「火星人がタコみたいって聞いたけど」

「それじゃ火星人焼きです。流行りません」

と、とうとう海賊たちも毒されて平気で鬼畜なこと言うようになってしまった(汗)。流行らないのは問題だけど火星人を食材にするのはOKなのかアイム(笑)。

 

でもそんなじわじわくる笑いを吹っ飛ばす、なぜかへたり込んでいる店主の衝撃発言。

「ジェラシットは・・・俺のお袋と、駆け落ちしてしまった」

「風の噂では今頃、どこかの田舎の温泉で、楽しくやってるらしい・・・」

・・・温泉旅館で法被姿で客を送り出すジェラシットと着物姿のおばちゃん。

そんで、おばちゃんからおめでたを匂わす意味深発言(汗)。

憮然とタコ焼きを焼く店主と、遠くに黙って花輪を持って帰っていく海賊たちの小さな後ろ姿。

無駄に格調高く物憂げで無理やり余韻を残そうとするサティのBGM。

・・・何から何まで想像の斜め上だった(笑)。

 

■高い志

私は浦沢さんの作品はあまり知らない(あまりそうと意識して見たことがない)んだけど、聞くところによると「なにがなんでも普通に“いい話”にする気は無いという高い志」をお持ちだとか?

そう言えば、宇都宮Pは浦沢さんにゴーカイでもう1話書いて欲しかったけどタイミングが合わなかったそうで、後にリベンジなのかウィザードのフォーゼとの冬映画に起用されてたんだけど、確かにそこでもその「高い志」が発揮されてたと思う。あれはライダーだし劇場版だしネタばれになるのは憚られるから詳しくは書かないけど、ラストに観客が騒然とするどんでん返しがあったっけ。

24話を見た後だと、14話はあれでもレジェンド回という縛りがあて、その縛りがなくなるとこんなにぶっ飛んだエピソードになるのか、と浦沢脚本の恐ろしさが身に染みた。

 

なお、24話は当初ルカの話をとのオーダーだったのを、浦沢さんが書けないと断ったため「じゃあ別の話で」と言われ、出来たのがこれらしい。

浦沢さんは「きっと宇都宮さんもヤケクソで書いたものを期待していたから」とヤケクソで書いたとか(笑)。

その読みは正しかったんだろうな。後の宇都宮作品の、特に浦沢さんの弟子にあたる大和屋さんが書いたいろんなギャグ回を見ると。

 

■ジェラシットの子供

ちなみにジェラシットの子供とおぼしきキャラクターは、ルパパトキュウにガッツリ出ていたな。ジェラ太郎。ジェラシットより人間要素が強かった。

ジェラシット自身もこの後幾つかVS映画に出演したし、もはやゴーカイジャーという作品の枠を超えても許されてしまう存在に育ってしまったんだなと(汗)。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 23話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■海賊の人助け

「人助けが出会いを導くぞよ」

とナビィの占いで言われて、街に出た海賊たち。

お年寄りの階段昇りを手伝うマベと鎧、イヤリン拾って落とした相手に渡したらおネエ様に迫られタジタジのジョーとハカセ、と今回メインじゃない男衆の人助けという形で、地球人との触れ合い(ジョーとハカセをそう言っていいのかは疑問だけど)がコミカルに描かれてる。

あと香村さん的には、ジョーは年上の女性?に押しまくられると弱いことになってるのか(笑)。

 

■母娘

ルカとアイムが出会った臨月の母親と幼い娘。母親の陣痛が始まり、おろおろするだけの2人の前に現れた女性が、テキパキとタクシーでかかりつけの病院に連れていこうとする。

そこになぜか現れたゴーミンをルカとアイムが片付けた後に、遅れて病院に見舞うと、助けてくれた女性は55Vのマツリだと母娘に聞かされる。

今回この母娘の出番は決して多くなく、この後はエンディングで出産後に赤ちゃんも含めて3人でルカ、アイムそれからマツリとの交流を見せていただけ。

だけど、特に娘の方はルカの傷を呼び起こして今回の掘り下げに繋げたことを思うと大事な役割だったなと思う。

そんでまだ先だけど終盤の展開を考えると、香村さんがこの回にこの母娘を出しておいてくれて本当に良かったな、とも。

 

■遅れた理由

55Vのレジェンドが!との連絡を受けた男衆の前にそれぞれ障害が立ちはだかる。

マベと鎧の前には大量の、自分も階段を昇りたいお年寄りたち。あの階段をあれだけの数おぶって昇ったのか(笑)。

まあ外見は地球人とそっくりでも身体能力は何倍も高いと3話で見せつけたマベなら大丈夫・・・のはず。当然鎧も責任とって手分けしたんだろうな?

で、ジョーとハカセはなぜ大人しく座ってお茶しながら化粧された(汗)?ダブルヒロインのピンチに駆け付けるのが遅れた理由が化粧落としに時間かかったからって酷すぎる(笑)。

でもゴーカイジャーは女装回がなかったから、ハカセが普通に可愛かったので許す。ジョーについてはノーコメントで(汗)。

 

■バスコ再び

重傷の男の子と付き添うマツリを乗せた救急車の行く手を遮るゴーミン。それから理央メレ、ズバーン。

遅れてバスコが姿を現して、海賊に動きを悟られないようダマラスからゴーミンを借りてマツリを狙い、大いなる力を奪おうとしたことが判明する。

バスコはザンギャックには属さない第3勢力。だけどザンギャック幹部のダマラスには表立って動けない自分の代わりに海賊の活動を邪魔させたい思惑があるから、必要ならゴーミンを貸しても不自然ではない。そんでヒーローがバスコたちの代わりにゴーミンを倒す活躍を見せられるのが、良く出来た設定だと思う。

一刻を争う容態の男の子のために大いなる力を渡せ、ってこの人はホント卑怯な手が好きだよな。これまで人質とらなかったのはギンガマン回だけ。正々堂々が苦手って言ってたのは伊達じゃない。

 

■妹がいた

大いなる力を渡そうと進み出るマツリをルカが救急車に押し込めた。大いなる力を渡したくないからとかより、急変するかもしれない男の子に付き添ってやらないとダメだと。

ここでルカの過去が明かされる。

6話で戦災孤児の姉役として小さな子たちをまとめて面倒見ていたと描かれたルカに、実はフィアという妹がいた。でもそんな瓦礫の中での不衛生で栄養も不十分な生活のせいか倒れて、医者に連れていく途中で急変し、為す術もなく亡くなってしまう。

だから同じように瓦礫の中で生きる幼い孤児たちの面倒を見ることでその傷を癒していたのかもしれない。彼女が叶えるためにお金を貯めている夢もそれに関係しているんだろうと、この時点でもわかる。

そんでアイムにも無意識に妹を重ねて何かと気にかけ、時々世話焼き口調になっていた。

これは「人の命は地球の未来」ということをルカは絶対によくわかっているはずだろうと、この今回のテーマとアイムとの関係性を接続出来るよう、サブながらほぼ香村さんが作った設定だと後に知ってびっくりした記憶。

つくづくパズルがお得意なんだろうなと思う。今作での香村さんはホント単なるサブライターの域を超えて頼もしい。

 

■前に進みたい人

母娘に「妹を守れなかった姉」というトラウマを呼び起こされたルカは、同じ轍は踏まない、自分がなんとかしなきゃ、と抱え込みすぎて「自分がマツリの服を着て成りすます」とか、ルカにしては頭の悪い提案をし、見かねたアイムに「私もいます!」と嗜められる。

(もっとも10話のゴーミン扮装スキルを見る限り、変装というもの自体を舐めてる可能性も・笑)

「もっと頼って下さい。もっと信じてほしいです。わたくしは、いつまでも守っていただくばかりの妹分で居たくありません!」

いつも姉が妹にするように気遣われ、さっきの戦闘でも庇われて代わりにダメージを負わせてしまった。アイムはそういう出来ない自分に甘んじているのが嫌で、克服しようとしてきた人。

おっとりしているようで実は負けず嫌い、といってもそれは他人と競争して負けるのが嫌というより、自分に負けるのが嫌な人なんだろうなと思う。

 

■等身大感

アイムと妹は違う、と気づかされたルカは一転、素直にアイムを頼る。

ルカってスーパー戦隊史上空前絶後守銭奴キャラで、強かな元女盗賊ぶりが格好良く魅力的で、私もそこがお気に入りだった。でも同時にあくまで常人とはかけ離れたスーパーな海賊キャラとして見ていた部分もあったと思う。

だけどこの回の掘り下げではそれまでとちょっと違って内に抱えている弱さ脆さが見られ、以前より等身大で身近な存在に引き寄せてくれた。

ギンガマン回の鎧の時もそうだけど、私が香村脚本に感じている魅力の1つがこの、キャラたちがいつの間にか画面の向こうの他人事でなくなる、リアルな等身大感だと思ってる。

 

■姉キャラ妹キャラ

スーパー戦隊ってある時期からダブルヒロイン制のチームも多くて、疑似姉妹的なキャラ分けになることも珍しくないけど、宇都宮Pもこのパターンが好きなのかな。シンケンもトッキュウもしっかり者の姉が弱って妹がたまには頼って、というパターンだった。VSのルパパトも変則的だけどその要素はあったと思う。

(ジュウオウは例外であれの対比は姉妹ではなく他人特に男に頼ることに対するスタンスの違いで、下手に触ると生々しくなりすぎるのでやらなかったのかなと・汗)。

私もわりとこのパターンは好き。

ただし香村さん的にはアイム役の小池さんが妹っぽい感じには見えず、2人ともお姉さんタイプに思えて今回のような話にしたらしい。

ルカがお姉さんぽくアイムを構ってるシーン(冒頭の刺のくだりなのかな?)は台本になかったとのことでちょっと意外だった(汗)。

 

■出来ることが増えていく

他の物や人に姿を変えることが出来るマジピンクの魔法でマツリに化けてバスコを騙し、その隙に救急車とマツリを病院に向かわせる、というのがアイムの作戦。

マジピンクの魔法は戦闘とは無関係で、戦いの中で習得した知識とは思えない。だからきっと鎧の大百科で学んだんだろうなと思う。

鎧の、アイム曰く「大変な偉業」は着実に海賊たちの血肉になって、出来ることを増やしていっているのを感じさせる。

 

■マツリ

私は55VはVS劇場で見ただけだけどマツリ役の人はシンケンジャー12話で初めて見て、めっちゃ綺麗な人だなとびっくりした記憶。

今回も凄く綺麗で、末っ子設定と聞いているけど、職業柄もあってかしっかりして頼れる大人の女性という感じ。バスコとの立ち回りでニヤッとする表情とか素敵だった。

 

■お姫様抱っこ

バスコもスーパー戦隊の知識は地球に来る前の海賊と同レベルだからまんまと騙されてしまい、女の子たちに1本取られる。

でもさすがに2人だけで理央メレ&ズバーンを相手にするのは厳しく、派手に吹き飛ばされて変身解除したところにやっとこさ男衆が駆け付け、マベがルカ、ジョーがアイムを姫抱っこキャッチ。

どうも巷にはこの組み合わせは逆の方が良かったという人もいるようだけど(笑)、私はルカがマベに文句&ジタバタするのは楽しいし、アイムも4話や12話ラストを思えばニヤニヤ出来るのでこっちでもいい。そんでハカセと鎧は、体格的に押し潰されそうな感じがするから選択肢に上がって来そうにないのは仕方ないよね、と思ってしまってごめん(笑)。まあ実際には鎧役の池田さんとか腕も太いし大丈夫なんだろうけどなんとなくキャラ的に。

 

■「わりぃ、ミスった」

理央メレズバーンは倒されてレンジャーキーに戻るもサリーが回収し、撤収と共に火属性のロイド、メランちゃんがお腹からに出てきて巨大戦ノルマ消化。

火属性相手にマジドラゴンの炎をぶつけて、却って元気にしてしまったマベのこの謝罪がわりと好き。

たまにはミスもするよね。仲間たちも遠慮なく文句言いながらも後を引かないさばさば感が何とも好き。

そこで相性の良い消火要素を持つ55Vの大いなる力を得て打開する流れは綺麗。

 

■いぶし銀

今回はレジェンド回なんだけど、直近のレジェンド3本のインパクトが強烈なので比べると若干大人しい印象かな。レジェンド回という以上にダブルヒロイン回でもあるし。

あと、次回がアレのせいで後から振り返ると、どうしても霞んでしまった部分はあるかなと思う(汗)。

だけど香村さんは、ゴーカイジャーと地球人の絡みや、レジェンドを身近に感じている一般人たちの姿の描写にも気を配られていたのが、当時のインタビュー等でも感じられた。

だからレジェンド回、ダブルヒロイン回に加えてそういったいろんな要素もバランス良く詰め込みつつ、良い話にまとめられたと思う。

ただし要素がバランス良く分散した分だけ若干パンチ弱めになるという、「良い話だけど盛り上がりがイマイチ」と後に人によっては香村さんの弱点と見る部分が出た回でもあるのかもとは思う。

だけどたとえ1エピソードとしては多少パンチが弱くなったとしても、1年間の縦軸で見た時には、ここで書いておいてくれて良かったな、と個人的には思えることが幾つもある。そんな燻し銀的な回かな。

 

キラメイジャー33話感想: 地道な鍛錬と緻密な計算 VS 何でもありのひらめキングチート

あの状況で皆が一旦基地に戻るのにちょっと驚いた。けど、いろいろありすぎて一旦情報を整理して作戦練らないと駄目だってことかな。

 

ヨドンアイビーの種は発芽寸前で捕らわれの小夜と共に遺伝子研究所にあり、それをタンクリガニー、センゴクバスラ、シールドシェルガの3体の邪面獣が守っている。

作戦室にあるものをそれぞれ研究室、小夜、ヨドンナ、種、邪面獣、キラメイ側のロボに見立てているのが、こんな状況でも微笑ましい。ヨドンナは小道具さんがお風呂に浮かべるアヒルの玩具を青く塗って耳着けてる感じが妙に可愛い。ドリラーのソフトクリームにじわじわ来ていたらアフラックヒルの王様に吹いた(笑)。

てかなんでそんなに玩具があるんだ?博多南さん率いるキラメイジャーの基地だとあまり違和感ないけど。

 

オラディンに助力を求めると手が離せないと断られ、逆に充瑠の意識をオラディンの中に引っ張り込まれて、ガルザとの交戦状態を見せられる。この2人ホント交信がフリーダムすぎ(汗)。

自分を封印してもまだキラメイジャーがいると言うオラディンに

「これまでの戦いで俺は見切った。奴らの力の全てをな。そして貴様さえいなければ勝てるだけの邪面獣を揃え、全て計算ずくでこの作戦を計画したのだ!いくら奴らが足掻こうと、勝てるはずないんだよ」

と絶対の自信を見せつけるガルザさんが、もうこの時点で負けフラグ立ちすぎてて辛い(笑)。

 

王様に頼れないとわかった充瑠は自分と為朝で研究所に突入し小夜救出と種破壊を受け持つと提案。そんで青緑銀がロボで邪面獣に対応するこという役割分担になった。

赤黄の変身と同時に背後からロボ三体が出現するのが格好いい。等身大戦とロボ戦の同時進行は過去にもあったけど、1つの画面の中で邪面獣の剣が飛ばされて赤黄の至近距離に突き刺さったり邪面獣の流れ弾で吹き飛んだりとこれまでにない大迫力。カメラワークも等身大戦と巨大戦をノーカットで行き来してるように見えて、どうやって撮影合成してるのか凄いなこれ。

なお今回は東映側が田口監督に撮って欲しいものをリクエストした回だそうで、いろいろ納得。

 

ガルザはオラディンを攻撃しながら、この手で倒したと思ったオラディンの転生に対する怒りや憎しみといった負の感情を何日もかけて熟成させ、邪メンタルを強化したと告げる。

「貴様に最大最悪の絶望を与えるためにな」

それってヨドン軍や皇帝のためとか出世とか侵略への欲より兄への憎しみの比重が大きいってことなのかな。拗らせてる(汗)。

そこまで追いこんだ原因はオラディンのキャラや接し方にもあるのはこれまでの描写でひしひし感じる。

だけど、オラディンがそこで言うのが「私の胸に絶望の二文字はない!」なんだよな。

なぜそこまで自分が憎いのか疑問に思わない、というか弟の気持ちに興味なさそうで断絶が深い(汗)。自分を憎み殺しかけた弟のために揺らす心などないと言われればそれまでだし、戦闘中に変に心揺らしたら負けるかもだから仕方ないとしても、その揺るがなさも弟を追いこんだ一因に思えてしまう。

そりゃあ「ならばこの俺が植え付けてやる!」って言いたくなるかも。

 

研究所に突入した赤黄は大量のハイパーベチャットに阻まれるも自分たちの足元の床を円形に撃ち抜いて目的地に最短距離で到着。判断が早くて意表をついていて格好良い。

さっそく種を破壊しようとするも、ヨドンナに小夜を人質にされて武器を捨ててしまい、膠着状態で発芽は間近。

 

地上では3邪面獣が縦一列に並び、シールドで攻撃を防ぎつつ、タンクで遠距離射撃、怯んだところをセンゴクの刀で斬りつけるという連携攻撃を決めて、キラメイ側は苦戦。邪面獣までフォーメーションを組むとは「全て計算ずく」と豪語するだけあるな。本当に「全て」だ。

 

何か思い立った充瑠はアローを呼び種に矢を向けるが小夜が人質なのは変わらずやむなく矢を明後日の方向に放ったのを見て、勝利を確信し高笑いするヨドンナ。

でも次の瞬間、グレイトフルフェニックスの巨大な手が天井を突き破り、種を奪い取った!

 

えーと、充瑠は実はひらめキングしてアタマルドで交戦中のオラディンにテレパシーで話しかけ、魂を移す能力でアロー(ブルーダイヤ)に移るよう頼んだ。

→王の魂がアローに移ると矢を放ち、オラディンの魂が宿った矢はアタマルドに戻ってガルザを貫いた。

→ガルザがダメージを負って態勢を崩した隙にミラクルストーンに戻り、催眠の解けたハコブーと合体して地球に戻ってきた、と。

矢を種に向け迷ってみせたのはヨドンナに真意を悟られないための芝居だったのか。

充瑠のひらめキングと王様との以心伝心能力と王様の魂の超遠距離転送術の組み合わせはもう反則、無茶苦茶チートだな。

でもそこでグレイトフルフェニックスの脚に飛びついて一緒に飛んでいくガルザさんの執念も凄い。脚に貼り付いた黒いちっこいのが蚊みたいに見えたけど(笑)。

 

王様は種を抱えての長い高笑いがなんか悪役っぽいよ。ガルザを嘲笑っているみたい。

魂が抜けてミラクルストーンの輝きが消えたのを兄の絶望と誤解したガルザの高笑いに似てる。あんたらこういうところやっぱり兄弟だなと(汗)。

 

種奪還の衝撃の隙に小夜も奪還し、形勢逆転でヨドンナは撤収。

互いに謝り合う小夜と為朝。為朝は、前回調子に乗って小夜の背中を押したことを後悔してたけど、雑誌にデカデカとインタビューが載るような遺伝子学会の若きエースを見て、「小夜姉にはやっぱりこのくらいキラキラした奴でないと」ぐらい思って嬉しかったかもしれないし、まさか地球滅亡に加担してるなんて思わない。無理もないよな。

同様に、小夜がプロジェクト内容を知らないままわりと気軽にエンターキーを押したのも、日下なら変なことに手を出すはずがないっていう信頼からだったろうし。

その日下は今回出て来なかったけど、彼も緊急避難的状況で特に小夜を守りたい気持ちもあったならあまり責めるのも酷な気がする。

 

ガルザはジョーキーを呼んでロボは4対4のガチンコ。4組の対戦を下からカメラを流して撮る構図が新鮮。だけどグレイトフルフェニックスまで種を抱えたまま突っ込んで行くのはどうかと思う(笑)。

案の定、種の形からしてほぼラグビー状態の奪い合いの中で、ジョーキーが奪うと同時にとうとう発芽してしまった。もう時間がない。

ここでジョーキーを守るように邪面獣が例のフォーメーションを組む。

でも今度は充瑠に作戦を丸投げされた為朝が、あのフォーメーション自体は見ていないのにそれまでの戦いで相手の特性をそれぞれ見切り、それを「グーチョキパー」に例えとこちらもそれに合わせたフォーメーションで迎え撃つ。

シールド(パー)の防御力にはエキスプレス(チョキ)の機動力で撹乱し切り裂く

タンク(グー)の破壊力にはキラメイジン(パー)の盾の防御力&ヘリコの風力で無効化

センゴク(チョキ)の機動力や剣擊にはドリラー(グー)の破壊力で正面突破

と、なんだかこじつけのような気がしないでもないけど(笑)、さっきは翻弄された相手に見事にリベンジ。相手が頭使って陣営組んでセオリー通り攻撃してくるのって、為朝にとってはむしろ本業で攻略し慣れてるやりやすい相手だったのかもな。

いつもあんな風に超短時間で相手チームの各戦力を分析して、自分とこの戦力との相性を考えて適材適所な配置や役割分担を瞬時に考え出し、メンバーが短時間で理解しやすい言葉で伝え、かつ勝てる気にさせてんだろな、と思わせた。

 

トドメはグレイトフルフェニックスが邪面獣3体まとめて撃破、と肝心な部分は新ロボに割り振りつつ、他の3体もしっかり見せ場を確保して販促がホント頑張ってる。

残ったジョーキーが種を死守し逃げようとすると為朝が

「ジョーキーはどうでもいい!あの種を確実に破壊するぞ!」

と優先順位的には正しいけど眼中にありません宣言されてしまったガルザさん不憫(笑)。

そこへ博多南さんが、にいにのドリル攻撃のデータから計算すると、種はグレイトフルフェニックスの必殺技でも破壊出来ないと告げる。ただ見守るだけでなく、ドリルでも破壊出来ないならと他の武器での可能性をソッコーで計算する博多南さん相変わらず優秀。

 

もはや為す術無しかってところでまたも反則ひらめキング(汗)。

オラディンを再びアローに呼びこみ、キラメイストーンは大きくも小さくもなれるというファイヤーたちがこれまで散々見せてきた特性で理由付けしてアローが巨大化。時雨の「何でもありですね」に心から頷くしかない(笑)

そのアローをドリラーの頭にセットし他の3体もそれぞれ支えて、各エネルギーをアローに注ぎ込み、グレイトフルゴーアローを発射し種を破壊。

いざとなれば種を盾にして自分を守るガルザさん。まあ仕方ないよね。命の方が大事。

そんで怒りの撤収をするガルザさんの背にオラディンが容赦なく駄目出し(涙)。

「ガルザ、お前の敗北の理由は充瑠くんをリーダーとする6人を甘く見たことだ」

延々と6人の活躍と彼らのキラメンタルについて語り、ヨドンへイムに戻ったガルザは「これまでのような生温い作戦は終わりだ!」とリベンジを誓って続く。

 

仲間をまとめる統率力も含め個人の能力を磨き上げ駆使して挑む敵に対し、もっと様々な力を持った人材が結集して力を合わせて打ち負かした、と言えば戦隊のセオリーなんだけど・・・。

でも、ぶっちゃけ充瑠と王様の組み合わせがチート過ぎる(笑)。

現実主義者のガルザさんは地道に鍛錬を積み重ねて高度な技を会得し、綿密に作戦を練り上げて不仲の同僚同士をまとめ上げ一致協力させ、万全の体制で真正面から兄の「奇跡」に立ち向かったのに、オラディンと充瑠のタッグはイマジネーションだの魂の転送だの滅茶苦茶で何でもありな裏技を繰り出しまくって全部はね除けてるのを見ると、若干ガルザさんに同情してしまう(汗)。

敗因は侮ったからだと言われれば確かにそんな台詞もあったけど、あんなの侮らなくても防ぎようなくない?って思っちゃうし、正直言ってガルザがこのタッグに勝てる気がしない(汗)。

そんで最後の駄目出しも、あれがこれまでの兄から弟への基本姿勢だったら、それは離反されるかもなあ、とこの兄弟にスポットが当たるとなんかガルザさんに肩入れしたくなる(笑)。

 

あと、なんかクリスタリアの統治は、兄王が大衆を惹きつけるカリスマと大風呂敷をアバウトに広げまくり、彼の能力イマジネーション時々奇跡で実現させた部分もありつつ、裏で弟がその実務力で大汗かいてフォローし、でも大衆人気と名声は兄王オラディンが全部持ってってたのかなって気もするなあ。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 22話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■愛が重い

鎧がスクラップブックで手作りしたスーパー戦隊大百科。全5巻という超大作(汗)。・・・好きな戦隊のページとか見てみたい。というかプレバンで出せばたぶん売れたと思う(真顔)。

「こないだの戦いの時みたいに皆さんが間違えないように」って前回一人だけシュリケンジャーだったことをやっぱり根に持ってる(笑)。

スーパー戦隊愛が強くそれを海賊たちとも共有したい気持ちも強くて、その結晶がこれ。

鎧の凄さは労を厭わず相手に拒否されることを恐れずちょっと拒否されてもめげずに、自分の思いを忠実に行動に移すところかな。「諦めなければ必ず何かに繫がるはずなんだ」はホント伊達じゃないんだとしみじみ。

 

更に、総じてリアクションの薄いジョーの買い出しに付いていき、「もっと地球のことを知って、好きになって下さいよ」と訴える。地球への愛も強くそれを海賊たちとも共有したい気持ちもやっぱり強い。

まあ、この暑苦しさは、正直キャラとして積極的に好きになるタイプでもないんだけど、ただ最初にくどいほど印象づけていくことが後々彼のキャラ描写やその成長にも物語にも効いていったのは確かかな。個人的に振り返って「やっぱりここまでは要らなかった、過剰だった」という印象はなかったので、1年トータルでの匙加減じたいは上手だったんだなと改めて思う。

 

■荒川キッズの系譜

1年前に引っ越した時に親友と交わした「神蔵山で流星群を一緒に見る」という約束を果たすために東京から自転車で半日かけて来た少年、将太。

途中立ち寄った神社でザンギャックと遭遇してしまい襲われてジョーたちに助けられる。更に目的地の山にザンギャックの作戦の鍵となる鉱石があったことから再び襲われるんだけど、約束を諦めない。怪我をしても命の危険があっても友情のためなら突き進む。

最近見たアバレンジャー2話にもそんな子がいたなあ。ルパパト12話の魔法の腕輪の少年も。荒川さん、友達のために無茶をする子を描くの好きそう。

で、そんな荒川キッズの願いをしばしば、私の見た範囲では特に青の戦士が助けてる。

ラストで鎧に

スーパー戦隊って、皆の命だけじゃなくて、夢も守る人たちです。だから、ジョーさんはスーパー戦隊のブルーです」

と言わせているけど荒川さんには、傍から見ればちっぽけだし必ずしも正しくないかもだけど少年本人には凄く大事な約束や願いや夢まで守ってこそのスーパー戦隊なんだ、と定期的に打ち出して行きたい思いがあって、それを投影しやすいのが無愛想クールブルー(三条さん、ジョー、透真)なのかな、と思ったりする。

 

■ジョー

将太の事情を知って、気持ちはわかるけど怪我もしてるし安全第一と引き返すよう説得しようとする鎧。

でも「約束」という言葉に反応したジョーは「お前バカだろ」と怪我の手当てをして「行け」と言い、「ああいうバカは嫌いじゃない。どっかの誰かとそっくりだ」とマベを思い浮かべてる。

マベがアカレッドと交わした「宇宙最大の宝を必ず見つける」という途方もない約束やそのためにしてきた数々の無茶(自分が救われたことも含めて)と重ねたのか、それとも自分のシド先輩への思いとも重ねたのか。

 

ザンギャックの目的を調べ、将太の行き先がザンギャックの危険な作戦の実行場所らしいと知るや血相変えて飛び出していき必死に捜し回り、あわやというところを助け出す。

だけど将太の固い決意と約束の重さを知って、引き返させずにやっぱり行かせるジョー。

無口で無愛想で一見クールでリアクションが薄いけど、実は気持ちが温かく、他者の抱える大事な人への思いを自分のそれに重ねて理解し、手を貸そうとする義侠心も人一倍強い。

「子供が大好き力持ち!」って、力持ちかどうかはイマイチわかりにくいけど意外と素直な本音だったのかもしれないとちょっと思った。

将太がこれから遭遇するかもしれない危険も「ザンギャックは俺たちが倒せばいいだろ」が格好いいな。

ただ私はビビりだしそんなに自信がないので、どっちかというと鎧の心配に同調して「万一を考えて大人しく諦めててくれ」と思う方だけど(汗)。

 

■「雑魚さんたち」との戦い

「出ましたね、雑魚さんたち」

「ま、いっか」に引き続きアイムの鬼畜台詞(笑)。おっとりした丁寧口調で言われると余計にインパクトがあって笑った。

今回は山中での海賊たちの生身アクションが多い。やっぱり鎧の立ち回りが図抜けてるけど、他5人も頑張ってるな。

特にジョーの左手を後ろに回した立ち回りは力強さと安定感が増してきた感じで、変身後とのシンクロが進んで来ていてちゃんと「強い剣士」に見えてくる。

 

■巨大な小惑星

行動隊長スターグルが神社から持ち去った霊石「童石」と、その対になる神蔵山にある「親石」とを結合させると巨大なエネルギーが発生する。そのエネルギーを取り込んだスターグルの能力(スター=星+グル=来る?)で巨大な小惑星を呼び寄せ地球に激突させて制圧するというのが今回の作戦。

マベの「でけえのか小せえのかどっちだ?」に心から頷いた(笑)。

エネルギーを取り込み自身もパワーアップしたスターグルに苦戦するも、ゴセイジャーダイレンジャーオーレンジャーと立て続けの多段変身で形勢逆転。

ハカセが大百科にあったオーレンジャーの大技、「超力ダイナマイトアタック」を提案し、早速スーパー戦隊大百科効果が現れてて細かい。鎧も作った甲斐があって良かったな。

なおダイレンジャーは台本にはなく、レジェンド回ではなかったのがちょっと物足りなかった竹本監督が増やしたもので、鎧役の池田さんは念願のキバレンジャーになれて凄く喜んでいたとのこと。

 

■背中を押してくれたヒーロー

それでも撃破されない頑丈なスターグルを殿下がインサーンの仕事を奪って巨大化。

目の前にそんな物が現れてさすがに心折れかけた将太を、ジョーがゴーカイオーの中から熱く厳しく力強く鼓舞。ジョーが誰かをこんな風に励ますのが新鮮。もう完全に少年のヒーローだよなあ。

ルパパト12話で透真が助けた少年から「背中を押してくれた人」と言われていたけど、将太にとってのジョーもそんな存在。

 

スターグルじたいはシンケンゴーカイオーが烈火大斬刀でサクッと真っ二つにし、接近中の小惑星豪獣神を放り投げてドリルで撃破し、将太は無事親友と頂上で再会し流星群を一緒に見る約束を果たせた。「星、多すぎ」と喜んでたその流星群には、鎧が破壊した小惑星の欠片が混じっていたのかどうか。

 

■地球人との触れ合い

鎧とジョーのコンビ回としては正直そんなに劇的な変化やドラマはなくて、ぶっちゃけ鎧が買い出しについていかなくても話としては成立しそう。

だけど、ヒーローたちが人々の命を守るのが当然だった地球の歴史の中で育ち自身も人の命を守るのが最優先の鎧と、ザンギャックに支配され命の保証などない宇宙を誰かとの約束や思いを支えにして生き抜いてきた海賊たちとの違いが、ちょっと見えた気もする。

また、ゴーカイジャーはここまで毎回ドラマのレベルは高いけど、レジェンドとの交流に比べて守る価値を見つけるべき一般人との交流がまだ少なめだったので、そこをフォローするのに地球人代表の鎧を絡めたかった、という面もあったのかも。

レジェンドもバスコも新装備もない単発エピソード回だけど、必要で貴重な、地球人と海賊の触れ合いの回。

荒川さんは、「全体の中では地味な印象だけど、本当はこういう形で地球人との触れ合う話をたくさんやりたかった」みたいな意味のことを仰ってた。でも本筋、レジェンド回に加え、VSギャバンも担当されてる中で厳しく、その部分は代わりに香村さんが担われたんだろなって思う。