キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパト45話感想: 魔法使いノエルさんとなんでもありの咲也とルパパト温度差芸など

大量失踪事件は2年もの間ギャングラーの仕業と結びつけられず、4話時点では16人が密室から消えた事件をギャングラーの仕業以外にありえないと言った圭一郞ですら、今回の悟の件をきっかけにやっと関連に気付いた。

兄を消された直後の魁利は「ギャングラーにやられたのだね」とコグレに言われても「ギャングラー」という名前にピンと来てない感じで「何があったのか」を知りたがった。

ってことはギャングラーの犯罪が認識されるようになったのは大量失踪事件よりもうちょっと後なのかな?

機を見るに敏なザミーゴが本格襲撃に先行して人間を調達して化けの皮にし、本格襲来の際に必要な怪人に供給したんだろうか?

時系列では

 

人間界侵略の方針決定

→ルパン家襲撃&コレクション奪取

→大量失踪事件

→ギャングラー本格襲来

→国際警察戦力部隊設立

 

かな?

 

「化けの皮を作るために誘拐したのでは?」

 

 番組が始まった頃は分からなかったザミーゴの行動の目的が、これまで出てきた「化けの皮」の数だけ説得力を持った形になって表れて来るのが恐ろしい。「怪人の人間体」というニチアサにはよくある設定にこんなにも論理的で残酷なバックボーンを持ち込んで来る宇都宮香村コンビが恐ろしい。

 

悟の死を一旦は受け止め「お前の為にも必ず真相」をと強く誓っても、ジムの照合を待つ間はやはりどこかで違ってくれと願わずにはいられず、でも望みが砕かれた後は失踪届けの取り消しも同様の成りすましを疑い洗い直せと、悟の死がもたらした情報を1ミリも無駄にせず突き進む圭一郞とつかさ、その切り替えが悲しいよ。

悟は本人だけがとことん報われない形で、容赦なく圭一郞達を真実に導いていく。とうとう魁利の兄貴にまでたどり着かせ、圭一郞の脳内にジュレの3人全員が大量失踪事件の関係者である可能性と快盗の正体である可能性が浮上してきてしまった。

 

一方、今回メインのギャグパートは終始明るく楽しげ。

悟が化けの皮にされたことを知って怒りより先に圭一郞とつかさを気遣ってた咲也とノエルが、辛い時期を共に戦った同期の推し量れるはずもない傷心に迂闊に踏み込むのではなく、あくまで外側から元気付けるイベントを持ってこようと出来ることを精一杯やってるのは偉いなあと思う。

  

ちなみに放送前日までの私

「ノエルさん両戦隊を共闘させる為にわざわざ海を超えて来日するなんてどれほどの強い覚悟が必要だったことだろう(涙)」

ケーキとチキンのためにエックストレインでパリまで1日2往復

 私「え」

 

ノエルを始めとするコレクションに携わるルパン家の人々は可能不可能の境界線の位置が一般人と違うという実例をこんな形で見せつけられるとは(汗)。

いや、20話冒頭で日本に旅立つ時の「Salyu、僕の愛したパリ」の「Salyu」は「またね」ってくらいの軽い別れの挨拶だってのは調べてわかったけど、それは普通、「必ずギャングラーを倒し願いを叶えて戻ってくるよ」っていう強い決意の表れとかって解釈するじゃん?

まさか「クリスマスにはケーキ買いに戻ってくるから」って意味だとは思わなかったよ(笑)

 

彼らは本当に数々の不可能を可能にする魔法使いなんだなと痛感しながら大笑い。テンポの良さも中澤演出のこっち方面の真骨頂だなと。また前回で秘密が明らかになり吹っ切れたのかノエルも久々にギャグ方面に全振りでノリノリ。こういうノエルさんももっと見たかったかもなと思ったり。

 

そんなノエルのパリ行きをあっさり受け入れたばかりか帰ってきたばかりのノエルにまたチキンを買いにもう一度パリに行くよう頼む咲也。

女体化も三週間で師範代も「頼むおかしいと感じてくれ」レベルで全てを前向きに受け止める彼の、ありえるありえないの境界線の位置も実はルパン家の人々と近いのかもしれない。

 

咲也は透真にもシャケ怪人をおびき出す囮役を頼む。

料理講師失踪事件の時は一般人の透真を怪人をおびき出す囮に使う発想は国際警察にはなかった。今でも圭一郞やつかさにはないかもだけど、レオタード同盟やら一緒に異世界体験やらを経て、もう咲也にとって透真はただの守るべき一般市民の一人には留まらず、危険な作戦にも協力をお願い出来る、ある意味信頼し頼れる「仲間」に近くなってしまっているのかもしれない。

 そんな咲也が快盗の正体を知ったら誰よりもダメージは大きいかもだけど、それまでの彼等の言動を全て好意的に受け止めてその分だけいち早く正体ごと彼らを受け入れてくれそうな気もする。

咲也の1番大事な部分をはずさなければ「頼むおかしいと感じてくれ」なくらい何でもありな姿勢がここに来て希望になってきたような。

予告でも何かヒルトップに必死に願い出て頭を下げていた。「東雲」と「陽川」という名前にあれだけ冷徹に意味をこめたスタッフさんの拘りからすると、警察の太陽としての役割だけでなく「花」も「咲」かせてくれると良いなと期待してしまう。

 

圭一郞達のこれまでの態度等でつい忘れがちになるけど、ノエルは不可能を可能にし国際警察職員の命と名誉を守った救世主。

その気ならもっと恩着せがましく偉そうな態度もとれるのに、むしろ自分の方が何かと「メルシー」を連発し、一皮向けば親切で人のピンチには率先して出ていく気の良い兄ちゃんなんだよな。だから人間と思われてる限り何かあれば喜んで協力してくれる人もそれなりにいるとは思う。

でも職員がギャングラーにすり替わられ情報漏洩が起こっていたという衝撃的な事実が発覚してまだ日も浅いフランス本部で、「今から〇分くらいで日本からそっちに行くから鶏肉買って本部前で待機ね」という常軌を逸したお願いにすんなり笑顔で対応した彼にはどこか咲也と同種の匂いもした(汗)。

まあ今まで歯が立たなかった化け物を倒す装備を作れて、自ら実際に倒せて、今回もスパイを暴くのに貢献し、日本から鶏肉のために気軽に超特急で来られるノエルさんは、ギャングラーみたいな常識で計り知れない脅威に蹂躙されてきた世界にあっては本当に、不可能の壁をぶち破る希望の星なんだろうな。

でももし人間じゃないとわかったら「そんな奴をこの組織に置いて大丈夫なのか?」ってなりそうなのがちょっとウルトラマンみたい。

 

今回のサモーンの「チキンの代わりにシャケを食え」のインパクトたるや(汗)。

スーパーに行けばお子さんが「チキン、チキンがな~い!」とはしゃいでたり、飲食店やお弁当屋さんの公式が「チキンの代わりにシャケ」と自商品をアピールしたり、ルパパトのタグを付けて晩御飯の鮭料理をアップする人が続出したり。何か色々凄かった。うちの夕飯も鮭バター焼き。きっと鮭の売上には貢献したのではと思ったら実際にそんな声の報告もちらほら(笑)

鮭関係が幾つもトレンド入りしてたけど、氷頭なますまで入ってくるとは(汗)。大和屋さん+中澤監督で自分が見たギャグ回の中で一番凄かったかも。

 

 この1話毎の振り幅、また超強力ギャグ回の中に差し込まれるとてつもなく残酷な真実との振り幅はの切り替えはさすが中澤監督。9-11話も3話持ちで、コレクションが壊されたのではという絶望の前後編に続けてかの性転換ギャグ回も演出してる。宇都宮Pも「あなたこういうの好きでしょ」と敢えて繰り返し割り振ってる気もしたりして。もしかしたら今思うと、ルパパトは1話毎にここまで落差を付けて良いんだというガイドラインを最初に示す役割を中澤監督に託したのかもと思ってみたりする。

 ルパパトの単発回ごとの振り幅の大きさは宇都宮Pがサブで入ったボウケン中盤を思わせるけど、例えばメインPのゴーカイジャーとかでもこういう1話ごとの温度差が激しかったりした印象で、ルパパトでは「温度差で風邪をひく」というフレーズを大勢のツイッター民に定着させるという、一種の芸というか完成の域に達したかもしれない。

それを可能にした要因の一つに、改造の繰り返しや改造戦闘員やゴーラムを使って、気が付けばこの45話までここまで再生怪人を一切出さずに来た、というのもあるんじゃないかな?「コレクションを盗る」というノルマがあるのもそれに一役買ったかも。

金庫破りは、前にも書いたけど、他にもアクションのバリエーション、強敵を倒すハードル=共闘の盛り上げポイント等要所要所で面白さをアップする発明では?と思う。 

ルパパト: TV Bros. Dorama of the year 2018 第2位おめでとうございます!

 

  TV Bros.2018年総括号が発売、田中圭や「バーフバリ」キャストのインタビュー掲載

2018年12月20日  

 https://natalie.mu/eiga/news/313008

 

「CULTURE AWARD 2018」「MEN & WOMEN OF THE YEAR 2018」企画が掲載されているTV Bros.2019年2月号が、本日12月20日に発売された。

(中略)

TV Bros.編集部とライター陣、計28名の投票によって決定する「DRAMA OF THE YEAR 2018」では、第1位に清原果耶主演の「透明なゆりかご」が選出。第2位には特撮ドラマ「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」がランクインした。

 

嬉しくて速攻で購入してしまった。

 

1位「透明なゆりかご」

3位「ワンダーウォール」

4位「アンナチュラル」

5位「モンテ・クリスト伯」

 

1位と3位を見ても、Brosのランキングってガチのドラマオタクが選んだって感じで、一般的な人気というよりはどちらかというとややマニアックな印象だけど、その分クオリティー重視な感じがする。

そんな人達が今年のあらゆるドラマ(地上波、BS、配信、スペドラなど形態は問わない)の中で2番目に良かったと評価してくれた。

 

編集部コメント転載

まさかまさか、特撮作品が2位に輝くという快挙!この結果に対し、変人ばかりの編集部でもさすがに衝撃が走りました・・。「そもそも一般ドラマと混ぜてよいのか?」と部内でも物議を醸しましたが、特撮フリーク以外の方からの投票が多かったことと、何よりストーリー面での評価が高かったことから、そのままランクインとなりました。「体裁がどうであろうと、良いものは良いんだ」という投票者の意志が生んだ''番狂わせ''でした。

 

チーム内やチームを超えた人間関係の丁寧な描写、アクション描写、カメラワーク等も高く評価されてる。

 

全部見た訳ではないけど、例えば「アンナチュラル」がどれほど評価の高いドラマだったかはネットや雑誌等でいくらでも見てる。また、今年大きな話題になった「おっさんずラブ」、「義母と娘のブルース」も各所で高評価だった。

それらのドラマよりも、この放送時間の何割かは必ずバトルに割かれるスーパー戦隊シリーズの作品を「良いものは良いんだ」とより高く評価してもらえたということに正直びっくりした。

Bros編集部周りにここまでルパパトクラスタが多かったとは。

でもありがとうございます。

 

売上の事やテコ入れの事等、いろいろ歯痒く悔しい事もあったから尚更、きちんと見てその仕事ぶりを評価してくれる方達がいる事が凄く嬉しい。

ルパパト44話感想: スパイの正体に化けの皮の秘密に悟の運命にノエルのルパン家の正体とか情報量多すぎ

ノエル達ルパン家の祖先はもともとはギャングラーのいた世界で暮らしていた。

ギャングラーがノエルの祖先達を侵略したのが約千年前。

ドグラニオ様は999歳だから彼の誕生とほぼ同時期に侵略が起こってるのは偶然かな?

ギャングラーの体は金庫が本体。もしかして、祖先達の中の科学者がコレクションを格納して使うための金庫を開発している過程で意思と肉体を持って反旗を翻したとか妄想してみる。

 

偽悟はヒルトップの声の時だけ金庫が光った。ナリズマがコレクションの力で悟の声を出したのはあくまで化けの皮が剥がれた後だけ→化けの皮を被っている間は皮の生前の声をコレクションなしで出せるって理解で良いのかな。悟の他にヒルトップの声も出せないといけない設定だから紛らわしくなってしまっただけで。

同期二人を騙すには声だけでなく口調趣味関係性の把握も必要→生前の記憶も受け継げそう。ただしなりきるにはモチベと緻密さ等適性が必要で、短時間では騙せても長時間ではボロが出る。だから偽悟は圭一郞が違和感を持ち始めたのを感知して唐突に車を出たのかな?わりとそのあたり察しは良さそう。

けど自身は全く興味ない音楽プレーヤー(音楽データなし)を置き忘れたのが仇になった。

 

悟の皮を買ったのがたまたまなら、ザミーゴはナリズマのスパイ適性を見込み格安等の好条件と引き替えに依頼したのかも。いくら姿と声を同じにしても、例えばトカゲイルみたいな奴には絶対に無理だし。

悟を狙った時期は不明だけど、スパイ活動自体は、時系列的には

 

初期装備&グッティ→1話で無事に届く

クレーン&ドリル→4話時点でアルパカ兄弟が所持

ヘリ&バイク→5話でヒルトップが取りに行くが輸送ルートを特定され襲撃

 

なので、パトレン誕生を見て国際警察が自分達に対抗できる装備を開発していると知り、スパイに情報漏洩を指示→クレーン横取り→ヘリバイクの受け渡し方法をヒルトップが取りに行く形に変更→輸送ルート漏洩により襲撃って感じだろうか?

 

殆どのギャングラーが国際警察を侮ってた頃からスパイを使い情報を得ていたザミーゴはあんな気ままそうに見えて相当に抜け目ない切れ者かもしれないな。

 あとザミーゴは、無差別に一度に大勢の人々を凍らせて拉致転送出来るのも怖いけど、成り済ましを目的に特定の人間が標的にされたらまず逃げ切れないのが凄く怖い。

回避力のあるルパンレンジャーでも追加ビークルのブースト頼みなら、国際警察の猛者たる悟だろうが名探偵エルロック・ショルメだろうが為す術がないんだよね。なんなら今からでもザミーゴは、その気になれば国際警察の職員をいくらでも襲い、その化けの皮を被って成りすましたスパイを送り込める。極論すればそれは相手が圭一郞達でも例外ではない。おもちゃを壊したくないから手を出さないだけ。

 

予告を見た時点で悟には何とか助かってほしいと思いながらも、ある程度その死は予想出来てしまっていたけれど、まさか

「知らねえよ。ま、化けの皮になったってことは、死んでんだろ」

で済まされるとは。最悪さが想像以上だった。この軽さが却って酷い。人の命を虫けらほどにも思わない酷薄さ。敵に対抗できる装備のない辛い日々を懸命に戦い、知的で冷静で圭一郞とつかさのクッション役としても心を砕いていたであろう悟が、そんな尊厳を踏みにじられた形で葬られてしまい、死後も体をとことん敵に利用されて。例によって子供にはわからず大人だけダメージを喰らうというのもこのスタッフの得意技。テレビ朝日のHPに死亡と明記されてたので確定(泣)。

 

 「化けの皮は人間から出来ているのか」と顔を伏せて絞り出すような声で言った時の圭一郞は、大事な戦友の悟がそんな酷い事にという衝撃を真正面から受け止めながら、同時にこれまで見てきた化けの皮にされた人達一人一人の奪われた人生と生活、無念にも思いを馳せて、たぶんそれに気付けなかった自分の無力さにも怒ってるね。こんな時でも個人的な怒りだけで心を一杯に出来ない人なんだと思う。

「 お前の為にも必ず事件の真相にたどり着いて見せる」と圭一郞達が悟に誓った空は、東じゃなく西の空で、夜明けじゃなく夕暮れで、だけどちょっとだけ東雲色だよね。誰がなんと言おうとそう思う。

 

圭一郞達が初めてVSビークルを手にした日の朝、咲也はまだつかさに名前もろくに覚えて貰えてなかった。

パトレンジャーという太「陽」は本当に、咲也の着任とほぼ同時に昇ったんだね。そして夜が「明」けて「朝」が来た。

そう思うと、自身は日の出を見る事無く同期2人をその光の中に送り出して去った前任者に与えた「東雲」という名前や運命との対比が残酷なほど鮮烈で、スタッフさんは鬼畜ではないかとも思ったりする。

 

 東雲悟という人は、音楽が好きで甘いものが苦手でいつも相手の言い分も良く聞いて冷静な判断を下せて機転もききそうで、どうも見ていた人達にとっては下手するとパトレン3人よりも報われて欲しい人みたいということぐらいしかわからないので、キツいけどやっぱり円盤買って見てみるわ。東雲悟という人を被害者という記号で終わらせないために。

 

私、たぶん香村さんも悟の扱いはこのまま終わりにはしない方だと勝手に思ってる。

たとえ結果的に生き返らせることは出来なくてもたぶんもう一度は出てくるはず、シビアな展開の中にも救いはあるはずと信じてる。

もう会えないはずの大事な人に特撮ならではの超常現象で会える話って香村さんの得意技だもん。

なんならジュウオウジャーのサイワニオオカミみたいにパトレンの頭の中に住み着いてくれてもいいよ。

圭一郞が順当だけどなんなら咲也の脳内で

「相手の思いに耳を傾ければ見えて来るものもあるだろ。今の初美花ちゃんの態度、もしかして脈ありかもしれないぞ?」

とかでも個人的にはOK。キャラ違ったら申し訳ないけど。

あの三匹が吊されてジューマンパワー盗られた残酷な場面見た時は、まさか彼等がその数話後に操の脳内で「どっちかっていうとアムちゃんかな」「俺はセラ」って大騒ぎするなんて

想像もしなかったもんな。

 

 今回のノエルさん

え~とノエルさん、もう1話分早く来日してればね。

「今は何を言っても無駄なようだね」ってそんな事全然ないから。

少なくとも咲也は余裕で信じる。

 

ノエル「違うんだ!今のは腕が勝手に・・」

咲也「僕の時と同じじゃないですか!」

つかさ「またか」

圭一郞「操っている奴を捜すぞ」

偽悟「え」

 

たぶんこうなる。まあ、逃げた理由はそれだけじゃないだろうけどね。偽悟から操られないよう一定距離は保ちたかったろうし。

偽悟の文字通り化けの皮を剥ぐ時、ノエルさんはそれで完全に濡れ衣を晴らし皆の信頼を取り戻せるのに、凄く辛そうに一度下を向いてそれでもやらなきゃならないと意を決してカードを放った。

圭一郞とつかさの前でそれをしなければならないことが辛かったんだね。その後もずっと圭一郞を気遣ってたし。魁利達の大事な人と一緒に悟も取り戻せたらと考え始めてるんじゃないかとふと思った。

 

ラスト、フランス語で「誓い」を意味するらしいジュレというビストロで、ルパン家の戦士として雇われた魁利達3人がVSチェンジャーを合わせて、そこに後から加わり本当の信頼を得たノエルのXチェンジャーが合わさるシーン。どこか三銃士とダルタニアンみたいだと思った。

 魁利達3人は、今度は心からノエルを仲間と認め、願いは一つと言った。

良かったと思いながら、仮に先にザミーゴから三人を取り戻せたとしてもノエルの望みが叶うまで付き合う気持ちになったということなのか?というのは気になった。まあ化けの皮の正体が分かった今だとそのザミーゴ方面は暗雲が立ちこめて来てしまったので、むしろ救いになるかもだけど。

 

 ノエルが人間でないって情報はまだ快盗側にしか共有されてない。人間でないってわかったら警察にはいられないかもしれないし、魁利達が快盗だという秘密も守る必要がある分快盗よりハードルが高いかな。

ここまで来ると、たぶん全てが明らかになるまでノエルは警察と本当の仲間にはなれないのでは?って気もしてきた。

圭一郞達も魁利達の正体がわかるまでノエルがしてきた事の本当の意味と思いはわからないし。

 つまり警察とノエルの間にはまだ乗り越えなきゃならない壁があるってことだし、ゴーシュもまだノエルを「可愛がってあげる」気満々で「とっても面白い事」はまだ今回で終わりではないのかもってのも不穏。

年明けには、今回みたいな重要回を金子さんにお任せしての香村さんが控えてるのかなと思うとノエルさんの道はまだまだ険しそう。

 

ノエルの正体は、千年前に紛れ込んだ異世界人。私は個人的には追加戦士の比重的にもこのくらいで良いかなと思ってるけど、引っ張った割に拍子抜けって人の気持ちもわかるかな。ならもっと早くやってくれた方が良かったのにって意見も。

時期については後述するとして、ノエル達が人間でない事を隠したり魁利達が一度は拒絶する説得力は、外見が変わらず人間界に来て1000年もたったのであれば、ルパン家の環境的にも不思議な力を発揮する物体を作る能力持ちという、小津一家の魔法のような異能性を打ち出した方がわかりやすかったのでは?という気はする。例えば改造されてないコレクションを魁利達の前で使ってしまうとか。使えるってことなんだよね?祖先達が自分達の使えないものを作るとは思えないから。むしろ使う所を見てみたい。

 

ノエルの取り戻したい人はアルセーヌ・ルパンその人。ギャングラーが襲撃してコレクションを奪われた時に命を落とした。アルセーヌ含むルパン家の人々がVSビークルで対抗したのかはわからない。そもそもルパン家の人々が人間用に改造したVSビークルを使えるのかもわからなくなってきた。人間が使える代わりに自分達が使えなくなるような改造を行うか?って疑問や、デストラは使えたって事実はあるけど。

ルパンマグナム回のノエルさんは、大事なアルセーヌの特別な愛蔵品をどうしても手にしたくて一人で赴き、でもアルセーヌ本人の幻に「私の事はもういい」って言われて、撃つよう迫られて撃てず、その結果目の前でアルセーヌが魁利にマグナムを託してしまったのか。よく自分を抑えられたな。

 「コレクションを全部集めれば願いは叶う」ってのはアルセーヌが100年前にそうしたという伝聞だけでとても心許ない。ノエルさんがこれまで以上に幼く危なっかしく見えてきた。でもグッティみたいな意思を持つコレクションがふらふら飛び回り、超常現象を起こせるコレクションを揃えたお屋敷の閉じた世界に暮らしてきたノエルやコグレさん等ルパン家の人々は、ありえるありえない可能不可能の境界線の位置も外の世界の人間とは違って当然とも思う。ドラゴンボールを7つ集めたら死んだ人も行き返らせられる世界にいるのとたぶん似た感覚なんだろな。

 

でも、どんな願いだったのか、代償として人的被害が伴わなかったのかはめっちゃ気になる。スタッフが被るゴーカイジャーの時は34のスーパー戦隊の存在と引き替えとか言い出してたし、ウィザードの時は大勢の命を奪うサバト

 ノエルさんはちゃんと生きてる!コ・・とは違った!って一安心してたら「最後の希望」ってド直球が来てびびった。全然安心出来ないよ(泣)。

 

 ここでテコ入れの影響について

 実は今回同時に明らかになったノエルの孤児設定と化けの皮設定は、8月に出たキャラクターブックでノエルとザミーゴの役者さん二人してフライングネタバレしてて、これ偶然かなとずっと気になってた。もしかしたら時期的に、インタビュー後にテコ入れ決定(6月後半くらい?)で状況が変わり後ろ倒しになったのかもと疑いたくなってる。スパイと化けの皮説明はワンセットだろうしノエルのスパイ疑惑と秘密も一緒にやりたかったのなら余計に。まあ8月にやるのは早すぎるだろうから当初通りでもネタバレだったかもだけど。

 

ノエルとパトレンの関係の描き方は、ビークルを渡せない以上あまり劇的に進められなくなった。そうなるとルパンだけを一方的に深化させるのもバランス悪くなるため走りながら練り直しとなり、かつ販促が一通り終わるまでの時間稼ぎも必要だったかもと。

もしテコ入れがなかったら、例えば38話のサイレン登場回は当初は今回のスパイ疑惑と化けの皮の設定の話でノエルが自分の開発したサイレンをパトレンに渡し、次の回にその事でルパンとの関係悪化と正体バレが来てビクトリーを、とかだったのかもなあと。今回満を持してサイレンパトカイザーになったから余計にそう思う。

テコ入れはノエルの「開発」という両戦隊に貢献でき絆を深められる特性も封じてしまったのかもしれないと思った。 

ルパパト43話感想: 見えかけてきたノエルの正体や抱えてきたものなど

 危険

快盗にも警察にも歓迎も信用もされない

コレクション回収のためには時には警察に強引な手も使う

コグレと快盗の板挟みになるかもしれない

信頼を得ても失うかもしれない

 

ノエルさんは日本に来る時にたぶんこのあたりは覚悟してきた。これだけでも十分多すぎる。

だけど、なのか、だから、なのか

「人間ではないとバレるかもしれない」

までは覚悟してなかったのかな?

双眼鏡使われた時の慌て方やその後の落ち込み方はそれまでと違うもんなあ。一時的にしろ他にも要因があったにしろ、あの捨て身が基本姿勢の奴が暫く戦線に飛び込むのを躊躇するほど。

双眼鏡で見られて慌てたのは体内にルパンコレクションでも埋められて、それで生きながらえてるのかなと思ったけど、「人間とは別の血が流れている」のが本当なら人外なのは先天的?

そもそもノエルはここまで大事な人の他に何を失っているから「これ以上」は何も失いたくないんだろう?

予告では雨の夜、子供に誰かが傘をさしかけてる場面がある。子供がノエルでさしかけてるのがルパン家の人?ノエルは拾われた孤児?

という事と併せて考えた時に、例えばギャングラー世界とは別の、既にギャングラーに滅ぼされた世界の生き残りで、ルパン家に拾われやっと平和に暮らしていたらまた襲撃され、コレクションだけでなく大事な人を奪われたとか?それなら大事な人を取り戻せてもギャングラーがいる限り同じ事の繰り返しだから平和な未来のために倒さなきゃって、警察と同じ思いを抱く切実感がこれまで以上に迫ってくるけど。

そうなるとコグレさんも同様に人間でない可能性も。一旦そういう目で見始めると、戦闘力こそないものの、神出鬼没で忍び込みや変装は人間技で片付けるにはちょっと無理あるレベルだし。

前回ノエルがコグレに謝ったのは、自分が人間でないとバレることでコグレにもその疑いが及ぶ可能性が出てきてしまったからなのかも?

 

ノエルはトカゲイルといる現場を押さえられた時、悟に言葉を遮られたにしろ、説明を諦めて逃げる決断が少し早いように見えた。車で先回りした圭一郞の前でも何か言葉が出ないうちに悟に追いつかれて逃げた感じ。反撃もせずに。

本当は何から逃げた?

もしかして本当は心のどこかで、説明する事からも逃げたのでは?って気もした。

悟と自分のどちらを信じるか突き付けることから?圭一郞とつかさが苦しい時代を共にした大事な同期と比べたら、本当は人間ですらない、胡散臭い事もしょっちゅうの自分などどうせ信じて貰えないと?

または、悟こそがスパイなのだとさとって、そんな残酷な真実を圭一郎達に突き付けなければならない事から咄嗟に逃げた?

つかさが一生懸命すぎるからヨッシーのコレクション取れなかった時みたいに。 ヨッシーの善性はコレクション効果のまがい物と告げられず、咲也が振られたかもという事実を突き付けることからも肘直角ダッシュで逃げてたっけなあ。他人に残酷な真実を突き付けるのが本当に苦手な感じ。

でも快盗につかさと関係悪化する役をやらせるくらいならと自分だけが泥を被る役を引き受けたノエルさんはたぶんこのままでは終わらないよね?

 

予告で感じられるようにノエルが拾われた孤児で、取り戻したいのがその恩人なら、両親を早くに亡くして親代わりだった兄を奪われ天涯孤独の魁利と境遇がほぼ重なる。

空っぽの部屋で目覚めた時にノエルは、他のどんな「人間」よりも、もしかしたら透真や初美花よりもその部屋と同じ空虚な魁利の心が他人事でなく突き刺さり、放っておけず寄り添ってやりたかったのかなあ?って思えてくる。

たとえ人間でなくても大事な人を失った悲しみや取り戻したい気持ちは「僕も君たちと同じ」その一点でなら繫がれるんだと快盗達に肩入れし、25話ラストのわちゃわちゃ楽しいシーンで「必要以上に助け合わないのが俺達のルール」と「俺達」に加えて貰えたと同時に突き放された「オーララ」に込められた本当の気持ちが胸に来る。

 

 ノエルがギャングラーのスパイだと言われ、それを裏付けるかのような現場に遭遇してショックを受けるパトレン3人。

胡散臭さはあれど、ノエルだって何度も彼等を助けてるし、一緒に負傷もし、死線を超え、ついこないだは一緒にギャングラーの幹部まで倒して慰労会もやったばかり。警察側には目的はわからなくても、それ相応の信頼を得るには十分の積み重ねに見えてるからショックは当然と思っている。むしろギャングラーの幹部一緒に倒してまだ疑うかと。まあザミーゴがデストラの邪魔をして「お前人望ないんだよ」って見せてるのはそのためなのかもだけどね。

ただ、警察がそんなに信用していたのが意外という見方もあるとのこと。今作は一つの言動に複数の見方が出来やすいのと誰の視点で見るかで受け取り方が結構変わるなあと思うことが多いかな。私の見方がノエル寄りなのは確かだろうしね。

むしろ38話で圭一郞達がノエルを助けた理由が「人間だから」というのに違和感とショックを覚えて、あの時点ですらそれなりに積み重ねたものはあるだろうに、三人の表情を見る限りそれ以外のものもあるだろうに、他に言い方はないのかくらいに思ってた訳だから。

ノエルが人間だったことで、あそこでの「人間だから助けた」をノエルが本当はどう受け止めたか、更に実は人間でないと圭一郞が知って関係がどう進むのか、をゴールにしての逆算かもしれないってのはわかってきた。けど、私個人的にはそれでももやもやしたままかもなあ。それくらい「人間だから助けた」が嫌で辛いかも。あの回はいろいろ仕方ないんだけどね。

 

東雲悟

味覚の変化、ノエルの行き先つまりトカゲイルの潜伏先を知ってた事等、限りなく怪しい。

本当のスパイは悟の皮を被ったギャングラーで、本物の悟はもう生きていないのでは?

 私はTTFC見てないけど、あちこちで語られているこの最悪の事態が本当になったら、買うつもりのブルーレイ見るのがきっと辛くなるだろうに、もう見ていて悟さんを好きで再登場を喜んだ人達が、どんな思いでいるかと思うときつい。

 

東雲

日本の古語で闇から光に移行する夜明け前に茜色に染まる空を意味する

 

検索の一番上にあったWikiの説明から暫く目が離せなかった。

夜明け「前」なのね。

夜が「明」けて太「陽」が昇って「朝」になる直前までの、ギャングラーに対抗できる装備のない辛い時期を懸命に支えて去ったらしい人の名前として美しく残酷。

ルパン3人が取り戻したい兄貴も彩も詩穂も単なる大事な人で被害者という記号じゃなくて、なぜ大事な人なのかって描写や人間性や魅力や息遣いの断片を見てるから、理不尽に人生奪われて皮にされるのはホントきついけど、TTFC見てる人にとっての悟は断片ではなくがっつり描かれてたぶん、それ以上の存在かもしれない。むしろパトレン3人以上に報われて欲しいキャラのようにも見えたり。デカレンのギョク・ロウに近いのかも。

そんな人が殺されて皮にされてた場合、パトレンもルパンと同じ土俵に立つことになる。更にはTTFCを見ていた人も同じ土俵に立たせる狙いすらあるのかも?

と頭ではわかっても正直辛い。何とか生きていて欲しいなあと思ってしまう。

 

今回のドグラニオ様 

ノエルの秘密を使って敵の快盗警察双方にダメージを与えられる大チャンスが、デストラを失った悲しみから「気が紛れる」効果にしかならない喪失感の深さ。

ルパンコレクションを全部集めたら失った人も取り戻せるとか聞いたら、デストラのために全部集めようとか考えてもおかしくないくらいかも。デストラさん、ちゃんと愛されていたんだなあ。

 

 透真は時限爆弾が仕掛けられた感じ。トカゲイルの人間体を演じるおぐらさんは2話で彩と一緒に氷漬けにされた被害者として登場、OPにもクレジットがあり、ツイッターでも拡散されていた。

どこで見たのか思い出すのか出さないのか?思い出した時にそれを「傷つけたくない」二人に言えるのか。

 

 次回は今作の核心に迫る重要な話のはずで、これを香村さんではなくサブの金子さんが書くのが気になる。Wレッドのある意味到達点を練りに練って描いた前回デストラ戦の負担や年明けからのこれまたいろいろ難しそうな終盤戦の負担の軽減?本筋中の本筋でも中澤監督付きなのもあり、意外と一番サブに任せやすかったのかな?とか、宇都宮Pの金子さん育成の狙いもあるかなとか、いろいろ考えてしまったり。 

今回のトカゲイルはバカ正直で透真曰く「底無しの間抜け」なキャラに加え、おぐらさんのコミカルな演技もあって可愛らしいとの声多数。

中澤監督はジュウオウジャーでもラリーさん前後編で重い雰囲気をコミカルな怪人で和ませてたけど、今回もそんな狙いもあったのかな?

前回が超高カロリー、次回が東映公式だと1ミリも和ませない方向に中澤監督全振りのようなので尚更。宇都宮Pと中澤監督の組み合わせは、ウィザード、もしくはその前のゴーカイジャーvsギャバンあたりから、あまり深刻な雰囲気を長く続けて子供の気持ちが離れるのを防ぎたいっていう意識をそれ以前よりもしばしば感じたりする。

ルパパト42話感想: ドグラニオ主従の切なさとノエルのあれこれ

ルパパトの怪人の金庫に入ったコレクションを盗るって設定、つくづく発明だと思う。

怪人を倒すのとは別のコレクションを盗るための凝ったアクション

倒される前に間一髪で盗るスリル

金庫を開けるのが難しい強敵を攻略するための頭脳戦とそこから生まれるドラマ

特にライモン実験体それと今回のデストラ戦はコレクション奪取の要素がなかったら、VSとは言えここまで熱い物語が作れたかな?って思う。凄く良かった。

 

圭一郎の魂の変遷

25話→つかさのレッド援護の提案をもの凄く渋々了承

 32話→ノエルの快盗への協力依頼を拒否し決闘で勝ちを譲りコレクション奪取に参加「今回だけだ!」

 42話→自ら快盗の利用を提案し、レッドのピンチに自発的にビークル二つ握って金庫解錠

 

お世辞にも柔軟性があるとは言い難く、理想と現実が食い違う度にガツンガツン躓きながらついにここまで来たって感じで感慨深い。前回無理やりにでも1度コレクション回収に参戦しておいたことで免疫が出来たというか抵抗が薄れていたのもあるのかな。

 

24話では危険なペンダントを使いツタに取り込まれてしまった魁利を横目に果敢にコレクションを奪取した透真は、今は魁利の身を案じる気持ちの方が先行し過ぎてしまって動けなくなってしまったんだろうか。

一方、魁利と圭一郎は根底では相手の身を案じる気持ちもありつつ敵でもあるため、これまでの戦いでどちらも自分同様いわゆるブレーキに不具合があることも知り尽くし、そんな相手を互いにギリギリまで冷徹に見極められ呼応できる部分が二人だけにあったことで打開できた

ってことなのかな。

  

今回文字通りというか、これ以上ないくらい華々しく散ったデストラさん。

ルパンパトレンとX全員の必殺技喰らっても倒れなかったそれだけでギャングラー最強だよ。あのまま前回と同じように撤退しても、きっとボスなら責めずに対策を考えようと言ってくれたと思う。そうなったらもう戦隊側は打つ手がなさそうで、むしろ巨大化してくれて助かったかも。

でもデストラさんは「ボスが見込んでくれた自分」をこれ以上負けさせて絶望させることも「ボスの眼力」をこれ以上貶めることも自分に許さず、自ら戻れない巨大化を選んで散った。

なお別の方のブログで

デストラはゴーシュに手を借りると言ってもコレクションはあくまでドグラニオに命じられて1度は失敗した仕事をやりおおせる事で手に入れた 

との解説を読んで、私の中でとっくにストップ高だったデストラさん株が天井をぶち抜いたよ。

 

自分のためにそこまでするデストラだからこそドグラニオは誰よりも失いたくはなかったんだろうな。これまでと全然違う喪失感。

ゴーシュを下がらせ、暗い広間に一人きりで献杯。1話の誕生パーティーの賑やかさとは対照的。

生前のデストラなら一緒のテーブルで杯を交わそうと言っても分をわきまえて固辞していたんだろう。ドグラニオはそんなデストラの気持ちを信頼しつつも歯がゆかったかも。

失態を恥じる部下を励まし後継者最有力と背中を押し、それに部下が目一杯応えようとしたのが仇になってしまったというのが敵ながら切ない。

  30話でカンクスの戦闘中に「見てるだけで臭えな」って言ったってことは、1度はそのガスを喰らって悶絶してるはず。

気に入らない相手をちょっと手を動かすだけで殺せる力を持ちどんな暴君にもなれたのに、部下の、自分ではどうしようもない特性の被害にあっても恐らくは個性としてそれを受け入れた上に、デメリットを緩和し仕事にも役立てる一石二鳥のアイテムを選び与え伸び伸び行動させるって、人間でもなかなか出来ないよドグラニオ様。トゲーノ以外は手下が失敗しても責めないし、あれだけの集団を率いるのも納得の懐の深いボスだ。

 

 ゴーシュは今回ずっと協力的で、普段仲悪いから意外だったけど、そう言えば ライモン軍団の時に「後継者候補にはサービスしなきゃ」とか言ってたのでデストラを後継者最有力候補と認め恩を売ることにしたのかな。ボスが直々に後継者争いへの参戦を促したのをもし知ってたりしたら尚更。

 

今回のノエルさん

何か前線に出るべきではない秘密を抱えてコグレにも止められたけど黙って見ていられなくて日本に来て、外で魁利を見たら真っ先に「危ないから一人で出歩くな」と注意しながら自分はど派手な制服着て一人でティータイム。仮に自分を囮にしていたんだとしてもパトレンの到着の遅さから見ても単独行動なのかも。

この人はつくづく自分の身を守る意識が欠落してる。それは精神面にも言えて、必要なら自分を悪者にするのに躊躇いがないのと根っこが同じに見えるよ。

あんな寂しがりの甘えん坊の癖に誰からも信じて貰えないような蝙蝠ポジションを選び、歓迎して貰いたがりの自分を演じて実は快盗と警察の親睦会を開き、つかさと快盗の関係悪化を避けて恐らく自分だけがヨッシーのコレクション回収と打倒を引き受け、圭一郎達を好きだという気持ちを殺して足止めに向かい、助けられてもっと好きになった気持ちも殺して情報を盗み、自分の活躍を祝って貰いたい自己中を演じて強引に魁利と圭一郎の和解の場を作り。

 

そんな彼が、快盗警察の死闘をしばらくは見守るしかなかったってのがいろいろ深刻。

直接の原因ではないのに初美花が攫われた事にあれだけ責任感じるような奴が、自分の失態でコレクションを奪われその後街を破壊され、コグレに「更に厄介な事になりかねないからもう戦うな」と叱責されたらどんだけ身動きとれなくなるか想像を絶する。

だけどやっぱり傍観したままでいることは出来ない。出来るならそもそも来日してない。

 

 ゴーシュの双眼鏡で何かを見られた時のノエルの悲鳴に近い絶叫は、ボウケンジャーで錫杖がクエスターに通用しないと分かった時の高丘を思い出した。

襲撃のせいなのかそういう家風かルパン家は超人材不足で、快盗仕事は一般人に業務委託し諜報はコグレが一人で体張ってる。35話でそれが分かった時にこう書いた。

 

いれば多方面に役立つノエルにパリで大人しくしていて欲しかったのは、これまで「考えの合わない君が余計な首突っ込んで引っかき回すんじゃないよ」って意味だと思ってた。

けど、こんなカツカツの状態なのに敢えて、だとすると、もしかして理由が情なのか技術力なのかはともかくノエルを危険から遠ざけて起きたい気持ちもあったのかな?って気もしてきた。

 

戦闘力が高くコレクションの知識も豊富なノエルがいれば役に立つのは明白で、実際役彼がいなければ今頃魁利達は死んでコレクション集めも頓挫しててもおかしくないのに、今でもパリで大人しくしてほしかった。それはコグレの身内への情かノエルの技術力が理由かと思ってたけど、その他にも何かそれほどの秘密が彼の体に埋まってる?って可能性も出てきたのかな。

 

ルパパトって、マントひらひら華麗なアクションや、ある条件が揃えば失った人を取り戻せるとか、以前からなんとなく仮面ライダーウィザードを連想することがあった。

敵も攫った人間を原材料にした化けの皮を被って人間に擬態できる。その皮にもし生前の記憶がついてきたらファントムみたいだよなあと。

もしかして宇都宮Pがルパパトで本当にやりたいのはウィザードの戦隊版かも?と思ってたところへノエルの体に秘密。

もしかしてノエルって戦闘能力と食欲のあるコ・・・・みたいなもん?なんて考えが頭をよぎって怖い。

 

戦いの後のジュレでの慰労会。

魁利は一般市民の顔で圭一郎に「ありがちゅー」と言い、ノエルは快盗の協力あってこそと敢えて指摘し、警察は建前上表沙汰に出来ないけどそれ自体は否定しない。そんな形で警察と快盗の距離は縮まってる。

 そしてノエルは自分がルパンXだと知られていることを理由に、そんな建前は今更で、快盗を認める気持ちや感謝があるなら魁利達の前でだけは素直に解き放とうよと示し、この店が快盗と警察の心をもっと近づける場になればとこっそり願ってる。

ノエルさんは自分自身は何かこのまま戦い続けない方が良い秘密を抱え、それをゴーシュに知られてどでかいリスクになりそうな予感もあり、コグレにはもう戦うなと叱責される等いろいろ足元が危うくなってるのに、相変わらず自分そっちのけで快盗と警察を結びつけることに余念がなくて、本当こういうところは平常運転。 

敵ボスが後継者候補にと目をかけていた右腕を殺され静かに怒りを燃やしているところに、警察も快盗も知らない弱点?になりそうな秘密を敵に知られてしまうって、猛烈に嫌な予感しかしない。

ルパパト41話感想: ドグラニオのボスの器と透真の視点とか

「お前がまた暴れるのを見たかった」

「俺が手元においてなけりゃお前は今頃ライバルどもを蹴散らしてこの椅子を奪い取ってたんじゃないか」

 本当は誰よりも強いのにそれを封印して俺への忠義をつくしてくれたんだよな。

分かってるが勿体ねえ。

お前が後継者争いに勝つところを見てみたいぞ。

 

 凄い殺し文句。デストラの強さと忠義を強く評価し、一方で信頼して側近にしたために野心を制限してしまったことへの後悔を見せて後継者争いへの参戦を促す。ドグラニオの部下掌握の手腕に惚れ惚れしてた。

何百年にも渡ってギャングラーを統治し続けたのもデストラがあそこまで忠誠を誓うのも納得。

その真意はどうあれ言われた側はそりゃあスーパールパンXとU号のダブル必殺技喰らったくらいじゃ倒れられないよね。

 逆に言うとデストラさんてどこまでも忠義の人なんだよなあ。誰かのためにっていう参謀タイプ。

 

ジュレでは圭一郎が魁利と、咲也が初美花とそれぞれに和気あいあいと楽しそう。なんか相手が男か女かの違いはあれどよくここまでめげずに距離を縮めたもんだと感慨深い。

友情より問題解決が大事ならぶつかっても相談するしかないとアドバイスでき、初美花が明らかに迷惑そうでも透真のイライラゲージがほぼ可視化されていても満面の笑顔で寄っていける咲也。

懐かれてると思って住み込み先にテント張ったら突き飛ばされて距離を置かれ、それなりに悩み傷ついてやっと向こうから歩みよって距離が縮まったと思ったら次の一手が実家からの梅干し2壺(大)な圭一郎。

私から見るとどっちも鋼のメンタルだなあ。

咲也は画面の外で初美花に「頼もしいですね」なんて言われていてとうとうここまで来たかと。まあ、子供の頃からの夢とそれを封じて快盗やっている理由っていう肝を押さえてるからまだまだポテンシャルはあると思いたい。

 

一方透真。

つかさに見せた、透真の本当にうんざりしてる感じの溜息が懐かしい。仕方ないから受け入れるけど物凄く不本意、みたいな。

序盤で初美花に対して何度もやってた。あの頃は初美花がまだ足手まといのガキに見えていたんだろな。彼女のドジで敵に囲まれた状態で拳骨振り上げたりして。

それが7話の自分達が食われた後の孤軍奮闘や10話の諦めない踏ん張り、13話の頑張り機転、16話での自分のピンチでの気遣等を経て、22話では攫われたら頭に血が上る大事な妹、28話では古傷を話せる大事な仲間で心配する父親のいる娘、そしてもはや傷つく姿すら見たくない大事な仲間で家族に。

 

でもつかさに対してもあの溜息を見せた時点で既に客に対するシェフじゃなくなってるけど。

 

 大事な人を失ってそれを取り戻すためにずっと3人だけの閉じた世界で団結してきたけど

それを崩して外から入りこんできたのがよりによって国際警察で、いつの間にかまた大事な人になってしまったら失っても正体バレてももう一度傷つく。

だから透真は「自戒」し、つかさにも近づくなと言い、でももう手遅れなのも分かってるから見捨てず助けてそれがつかさの疑念を生む因果が切ない。

 

 未成年二人の保護者の鎧を外せずルパン家も信じきれずザミーコの事を一度は隠した透真だけど、隠したことに理解を示し自分の望みは遠のくかもしれないのに君達の味方だとコグレにも黙って協力するノエルはたぶん、快盗になって初めての、信じて頼っても良いちょっと年上の仲間になりつつあるのかもしれない。

透真が未成年二人に保護者目線を向けているように、ノエルは透真も含めた3人に保護者目線を向けている。ルパン家が危険な仕事に巻き込んでしまった一般人を無事に元の生活に戻す責任感からかな。

ただその分だけ、透真の目からはノエルの快盗と警察への思いには温度差があり、快盗への肩入れが過ぎて警察とはもう一つ良い関係を築けていないままに見えているのかも?という気もする。少なくとも「二人が傷つく」と言った時点では。

その後、「みんなが無事でよかった」という初美花に「そうだね」といつも圭一郎達が座る席に視線を向けるノエルをどう受け止めたろう。

ノエルのそんなこんなな思いに一番早く気付き一番重く受け止めるのが透真になるような気はしてる。

 

 以前デストラのハンマーにボコボコにやられてその威力も恐ろしさも骨身にしみているけど、だからこそつかさのピンチに急いで駆け付け、初美花のことも躊躇なく庇って背中に思い切り直撃を受けるノエルさんは今週もぶれないな。

 

 ラストのつかさ。

透真の銃の腕を見たら、もっと以前だったら、たとえ1度は疑いが晴れていても再度もっと詳しく調べてみようと提案したかもしれないと思った。

初美花や魁利と親しみ透真の思いを知って、自慢の鋭いセンサーが感知をためらってない?

関係が深まることで相手に向ける刃が鋭さを保てなくなってきてるのは快盗だけじゃないのかも。

 

透真の銃の腕を見たつかさ

旅行先で魁利の超絶射撃テクニックを見ている圭一郎

2人の情報が結びついたらヤバいかなと思ったけど、そんな時も咲也は「きっと2人ともアクション映画が共通の趣味なんですね」と満面の笑みで言いそうかな。彼の頭の中で魁利と透真は、夜ジュレの片付けの後二人でカッコ良い撃ち方の研究してるか、休みの日にサバイバルゲームに繰り出してたりして、と妄想してみる。

一方でデストラへの「お前人望ないんだよ」といい、初美花といい、割と無意識に他人の急所を掴んでいることがあり、善意のポジティブお化けでなかったらと思うとちょっと怖くもあるよ咲也。

 

予告に巨大デストラさんいるけど次回退場しちゃうのかな。ノエルとの因縁も拾って欲しいんだけど。

ネタバレは避けてるからわからないけど、個人的にはゴーシュの改造を受けて以前おぞましく見ていた「化け物」にまでなって欲しいかも。ただし、目をかけてくれたドグラニオのために自分の意志で、だけどね。

  

最後に、「二人が....傷つく」って、今回一番の良いシーンのはずなんだけど、ネットを見て回るとこの瞬間、一緒に見ていたお子さんが「二人がキツツキ?!」と反応してしまい、別の意味で涙にくれたご家庭が複数(汗)

香村さんもまさかこんな事態は想像もしてなかったよね。

改めて先週の爪痕の深さが窺われると同時に、「傷つく」なんて今後もシリアスな場面で何度も出てきそうな台詞にこんな地雷が埋めこまれてしまうなんて、と余計な心配をしてしまった(笑) 

ルパパト40話感想: ノエルは器用、ただし自分のこと以外

ここのところ、ルパパト放送日のTwitter界隈が楽しいな。

35話は「コグレさん」がトレンド1位。

「強制帰宅ビーム」は37話本編だけでなく36話予告だけでもトレンド入り。

前回39話は「エビフライ」がトレンド入り。

今回40話は「キツツキ」がトレンド1位に加えなぜか「レオタード」もトレンド入り。

放送後に鳥羽水族館公式がニチアサのタグを付けてジュゴンマナティーの違いを解説。

各所で盛り上がってるなと思う。特にキツツキはかなり盛り上がって目を引いたようなので興味を引かれて視る人がもっと増えると良いんだけど。

 

透真と初美花の心配のきっかけは最近の魁利のサボりなのに対し、魁利が思い浮かべたのがそれより前からの圭一郎への態度だったのがイマイチ繋がりが悪い感じはした。

ただ、快盗になると決めてから1年半、ずっと部屋は空っぽなままだった魁利が、子犬を拾い面倒を見るためにペットの飼育本に手を伸ばすようになったのは、ザミーゴという果てしないコレクション集めよりずっと近いゴールが見えてきて、快盗に全集中して張り詰めていた気持ちのどこかに他のものに目を向ける変化が生まれたんだろうか?って気もする。これまでだったら子犬が目に入っただろうか?入ったらほっとけなくなりそうな気は確かにするけど。

その気持ちはどこか圭一郎が自分に向けるそれに通じると思ったのかどうか 。

魁利の心の揺れ動きは原因が一つに絞れるものでなく、そういう意味ではまだまだ多感な未成年てことなのかも。

圭一郎への態度は何話か引っ張った割に着地がサブライターのギャグ回なのはちょっと拍子抜けだけど、逆に言うとそれだけこのギャグ回に全力をかけてる感じが「ギャグとシリアスの温度差で風邪をひく」と良く言われるルパパトらしい気もしたり。宇都宮P、こういう振り幅好きだよな~と思う。

 

今回のノエルさん

「君の態度に何かしら不安を感じていた」とは自分も同じように感じていなければ出てこない言葉だと思う。尾行にもしっかり付き合ってるんだしそれなりに心配してたはずだけどそれは言わない。

魁利を心配している透真初美花のこともよく見て気遣っている。

その上で「うらやましい」と3人との距離を理解し一歩引いた形で受け入れている。

前回ザミーゴを倒して元の生活に戻すと覚悟決めたから余計にかな。

魁利に対しては、まずは透真初美花が最近の魁利を心配してることに気付かせて、ちょっと反省モードになったタイミングを見計らい、原因の一つである圭一郎をパトレンチームごと連れて行って、和解しやすい場を作ろうとしたんじゃないかと思う。

例によって「僕の活躍で怪人を倒したお祝い」って自分をダシにして、魁利と圭一郎の間にいた子犬も抱き去って。別にあの程度の「活躍」なんて取り立てて珍しくもないんだし。

初美花に会えるからニコニコの咲也を除く、圭一郎とつかさの微妙な表情にヒヤッとした。面白いはずないんだよ。また警察には情報流さないで快盗と一緒に倒しちゃったんだから。

それを「一緒に祝え」って強引に連れ出すとか普通は面の皮が厚い自己中としか思われないよ。それは重々承知で、それでもこの機を逃さず圭一郎を魁利の所に連れて行きたかったんだろなと。本当は快盗と警察の親睦深めるのが目的だった自分主催の歓迎会と同じ。

この人はこういう「策略」は器用だけど自分へのフォローだけが皆無なんだよなあ。

 

ノエル→空っぽの部屋にずるずる居座って引きずり出される

圭一郎→ジュレのフロアにテントを張って突きとばされる

 

真意を隠すか正面からぶつかるかの違いはあれど、魁利の内面に危うさを感じてほっとけなくなり、何かの力になれればと取ったアプローチ方法がどこか似ているような気もする二人。 ただしその後が違う。

ノエルは快盗達のルールを受け入れその後は距離を保った。

でも、圭一郎はめげずにアプローチを続け、ノエルのお膳立てもあって和解し「友人」としてゲームアプリをgetした。

自分が和解のためにこっそり一役買ってる癖に、ノエルさんは少し圭一郎が腹立たしくもあって、「頭の固いおじちゃん」と言ったり魁利がゲームをインストールしたスマホを取り上げてからかったりしてみたのかなとちょっと思った。

 

スーパールパンXについて 

他人に撃って貰っているとはいえビークル以上に「自分で使っている」感があるなあ。空の上からじゃなく、至近距離だと余計に。

果たしてこの先つかさの「ノエルはなぜ自分で使わないんだ」の疑問に答が出るのか。結構思い入れが強くてあれこれ妄想した分、心配になってきた。なんとか回収して欲しいなあ。